転生ヒロインは自由を求めてあがく

吉良ありす

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学園にヒロインとくれば、それは乙女ゲームの始まりを意味する。

リリアは入学にあたり、
①攻略対象者と疑われるような顔の良い令息、及び悪役令嬢の可能性のある高位の令嬢に近寄らない
②なるべく目立たず勉強中心の生活をする

という対策を立てた。
まず、①ができればそもそも乙女ゲームは始まらないだろうから、必ず実行したい項目である。誰が対象者かわからないのが痛いが、こちらは男爵令嬢、普通にしていれば高位の令息や令嬢には関わり合いになることはないだろう。

続いて②、これは卒業後のことを考えると是非実行したい項目だ。卒業したらすぐに男爵家を出奔し、隣国に行く予定を立てている。とはいえ、伝手もなく女一人で安定した職に就くのは難しい。
そこで、王立学園で学んだ知識を生かして、下級文官の試験を受けようと考えていた。中級・上級は貴族や男性の優秀な平民がほとんどだが、下級であればそこそこ優秀な平民や女性にも門戸を開いている。真面目に勉強して挑めば十分チャンスはあるといえた。もし下級文官が無理でも、学園でそれなりに良い成績をとれていれば、裕福な平民の子女相手の家庭教師や商会の事務など、いくらか職の目星がつくだろう。

男爵家を逃げたいと思っても中々逃げられなかったのは、自分が逃げた後市井で暮らす母に何かしらの報復が降りかかるのを恐れたためだった。しかし最近年に数度許されている手紙の中で、母が裕福な商人の目に留まり結婚を前提としたお付き合いをしていると告白されたので、もし自分が逃げても相手の商人の男性が母を守ってくれるであろう。各地に拠点がある商人が相手というのも都合がよい。

(なんだか未来が明るくなってきた!)

リリアは意気揚々と学園に乗り込んだのだったが。
乙女ゲームはそんなに甘いものではなかったと身をもって知ることになるのだった。

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