1 / 2
プロローグ
しおりを挟む
緊張しながら校長先生の話を体育館で
聴いていたのが去年の4月
僕は今、
誰もいない教室に独り座っている
窓際まで静かに近付くと
そっと窓を開ける
その時、
春の風と一緒に桜の花びらが
教室の中へと運ばれ
綺麗に舞ってから
ゆっくりと落ちて行く
そして次に
春一番の力強い風が吹き付け
桜の木を激しく揺らした。
力強い風の勢いとは裏腹に
力なく落ちて行く桜の花びらは
誰も居ない教室と相まって
少し悲しげに見えた。
風の音が止むとあたりはとても静かで
僕の耳にはシーンという
静かな音だけが染み付いている
僕は、力なく落ちて行った桜の花びらを
一片 一片拾い上げ
今度は両手一杯分の花びらを
意味もなく、自分の息で
舞わせてみた。
僕はただ舞わせた桜をじっと
静かに見つめた。
それは、さっきと変わらず、
ゆらゆらと力なく落ちていった。
すべての花びらが落ちていった時
独りだった教室の扉が乾いた音をたて
僕以外の誰かが入って来る事を知らせる
(誰かが入って来た……)
改めてそう意識すると
不安が押し寄せて来て
緊張で体が強ばってしまう
だが、誰が入ってきたのか気になり
仕方がなく
恐る恐るそちらに視線を向ける。
視線の先に居たのは
良く知った顔で
僕はひどく安心した。
僕を不安にさせた当の本人はそんな事
知る由もなく 指定されている
座席を確認しながら僕に話しかけてきた。
「おはよう、亜樹 昨日はよく寝れた?」
「おはよう、亮 あんまり寝れなかったや」
僕の幼馴染みの亮は
年が離れた姉や妹がいるせいか
中学生とは思えないくらいに
大人びていて
落ち着いた雰囲気を持っている
そのせいか、たまに二人で出掛けると
大抵兄弟と間違われる。
別に嫌でもないが嬉しくもない
とても複雑な気分になる。
それに、たまに僕の事まで
子供扱いをして来る
困った幼馴染みだ。
でも、そんな困った幼馴染みの事を
好きになってしまった僕は……
きっともっと困った奴だと思う……
でも、この想いもきっと
今年の春に……この桜と一緒に……
散ってしまうんじゃないかと
そんな気がして
本当はその方が楽になれる筈なのに、
何処かこの気持ちと別れるのは
寂しいようなもったいない様な
そんな気がしてやまない。
聴いていたのが去年の4月
僕は今、
誰もいない教室に独り座っている
窓際まで静かに近付くと
そっと窓を開ける
その時、
春の風と一緒に桜の花びらが
教室の中へと運ばれ
綺麗に舞ってから
ゆっくりと落ちて行く
そして次に
春一番の力強い風が吹き付け
桜の木を激しく揺らした。
力強い風の勢いとは裏腹に
力なく落ちて行く桜の花びらは
誰も居ない教室と相まって
少し悲しげに見えた。
風の音が止むとあたりはとても静かで
僕の耳にはシーンという
静かな音だけが染み付いている
僕は、力なく落ちて行った桜の花びらを
一片 一片拾い上げ
今度は両手一杯分の花びらを
意味もなく、自分の息で
舞わせてみた。
僕はただ舞わせた桜をじっと
静かに見つめた。
それは、さっきと変わらず、
ゆらゆらと力なく落ちていった。
すべての花びらが落ちていった時
独りだった教室の扉が乾いた音をたて
僕以外の誰かが入って来る事を知らせる
(誰かが入って来た……)
改めてそう意識すると
不安が押し寄せて来て
緊張で体が強ばってしまう
だが、誰が入ってきたのか気になり
仕方がなく
恐る恐るそちらに視線を向ける。
視線の先に居たのは
良く知った顔で
僕はひどく安心した。
僕を不安にさせた当の本人はそんな事
知る由もなく 指定されている
座席を確認しながら僕に話しかけてきた。
「おはよう、亜樹 昨日はよく寝れた?」
「おはよう、亮 あんまり寝れなかったや」
僕の幼馴染みの亮は
年が離れた姉や妹がいるせいか
中学生とは思えないくらいに
大人びていて
落ち着いた雰囲気を持っている
そのせいか、たまに二人で出掛けると
大抵兄弟と間違われる。
別に嫌でもないが嬉しくもない
とても複雑な気分になる。
それに、たまに僕の事まで
子供扱いをして来る
困った幼馴染みだ。
でも、そんな困った幼馴染みの事を
好きになってしまった僕は……
きっともっと困った奴だと思う……
でも、この想いもきっと
今年の春に……この桜と一緒に……
散ってしまうんじゃないかと
そんな気がして
本当はその方が楽になれる筈なのに、
何処かこの気持ちと別れるのは
寂しいようなもったいない様な
そんな気がしてやまない。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
王様の恋
うりぼう
BL
「惚れ薬は手に入るか?」
突然王に言われた一言。
王は惚れ薬を使ってでも手に入れたい人間がいるらしい。
ずっと王を見つめてきた幼馴染の側近と王の話。
※エセ王国
※エセファンタジー
※惚れ薬
※異世界トリップ表現が少しあります
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる