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魔女の塔の噂
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1850年の魔法絶滅宣言から10年と少し、正直言って魔法とかいうものがあったのかどうか信じられない程度には科学技術は浸透してしまっていた。
それでも、今でも魔法学は細々と講座に存在し、歴史でも魔女やら魔法使いやらに触れられるし、多くの人間が未だ魔法という技術を焦がれる。
それは、多くの国々で事実に近い伝承が数多く残っているからだ。
例えば有名なところで言えば、ピラミッド地下深くには番人のゴーレムがいたとか。
遠く東の地では、未だ結界が存在しているだとか。
使えるものが居なくなった今でも魔法の痕跡は色濃く残っている。
この全寮制サウスフェリア学園は昔、全寮制サウスフェリア魔法学園であったらしい。だから魔法に関する伝説があってもおかしくはないだろうとは予想できる。
「んで、西の森にある尖塔....第一蔵書保管庫には隠し部屋があってそこに魔女が住んでいるだ?冗談だろう 」
夜中に一段増える階段だとか、踊る標本(ーーーーーこれは本当だった、カメレオンの標本が踊った)だとかならまだしも、魔法を使える存在が生きているのはおかしい。
「いや、それが本当らしいんだよ。なんでも結構な人数が蔵書保管庫で美女が本を読んでいて気づいたら消えていたのを見たらしいっていうからさ 」
「幽霊か幻影だろ?防犯用に作られた魔法とか」
そう反論すれば、ベンは得意げに指を振った。
「ノンノン。それなら消えた場所に本が残っているのはおかしいだろ?だから本当に魔法を使える生き物とかなんだよきっと!」
こちらを見る少年の目がキラキラと輝く。
ああ、これは無理だな。
入学してから何度この目に振り回されてきたことか。サイラスは諦めて本日3度目のため息を吐いて、続きを促す。どうせ要件は分かっている。
「それで?お前はどうしたいんだよ」
「魔女の塔。行こうよ、放課後さ 」
「どうせ、言っても聞かないんだろ?」
「うん?もちろん」
そこは自身有り気に言う場所ではない気がする。ジトりとしたサイラスの目線を完全に無視をしてベンは胸を張った。
「分かったよ、お前だけじゃ、何をしでかすかわからないからな。俺も行く 」
「よっし、じゃあ、放課後着替えて、西の森入り口で待ち合わせしよう 、じゃあ俺は行くね 」
「ああ......」
カーシュナーが教室に帰ってきたのを見たベンはひらひらと手を振りながら自席に戻って行く。
「あ、そうだ」
「なんだよ 」
唐突に振り返った彼はにんまりわらう。
「ため息つきすぎると幸せ逃げちゃうぞ」
「誰のせいだ。誰の 」
本日4度目のため息をついて、しっしとベンを追い払う。その様子を前の座席に座った優等生が苦笑していた。
それでも、今でも魔法学は細々と講座に存在し、歴史でも魔女やら魔法使いやらに触れられるし、多くの人間が未だ魔法という技術を焦がれる。
それは、多くの国々で事実に近い伝承が数多く残っているからだ。
例えば有名なところで言えば、ピラミッド地下深くには番人のゴーレムがいたとか。
遠く東の地では、未だ結界が存在しているだとか。
使えるものが居なくなった今でも魔法の痕跡は色濃く残っている。
この全寮制サウスフェリア学園は昔、全寮制サウスフェリア魔法学園であったらしい。だから魔法に関する伝説があってもおかしくはないだろうとは予想できる。
「んで、西の森にある尖塔....第一蔵書保管庫には隠し部屋があってそこに魔女が住んでいるだ?冗談だろう 」
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「いや、それが本当らしいんだよ。なんでも結構な人数が蔵書保管庫で美女が本を読んでいて気づいたら消えていたのを見たらしいっていうからさ 」
「幽霊か幻影だろ?防犯用に作られた魔法とか」
そう反論すれば、ベンは得意げに指を振った。
「ノンノン。それなら消えた場所に本が残っているのはおかしいだろ?だから本当に魔法を使える生き物とかなんだよきっと!」
こちらを見る少年の目がキラキラと輝く。
ああ、これは無理だな。
入学してから何度この目に振り回されてきたことか。サイラスは諦めて本日3度目のため息を吐いて、続きを促す。どうせ要件は分かっている。
「それで?お前はどうしたいんだよ」
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「どうせ、言っても聞かないんだろ?」
「うん?もちろん」
そこは自身有り気に言う場所ではない気がする。ジトりとしたサイラスの目線を完全に無視をしてベンは胸を張った。
「分かったよ、お前だけじゃ、何をしでかすかわからないからな。俺も行く 」
「よっし、じゃあ、放課後着替えて、西の森入り口で待ち合わせしよう 、じゃあ俺は行くね 」
「ああ......」
カーシュナーが教室に帰ってきたのを見たベンはひらひらと手を振りながら自席に戻って行く。
「あ、そうだ」
「なんだよ 」
唐突に振り返った彼はにんまりわらう。
「ため息つきすぎると幸せ逃げちゃうぞ」
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