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2話 南雲 悠里 ②
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──ぱしゃっ、ぱしゃっ。
歩を進める度、足元の水が跳ねる。
目を覚ますと、悠里は廊下に立っていた。
壁や床はコンクリートで出来ているようで、ひんやりと冷たかった。
その床には、雨上がりの水溜まりのようにうっすらと水が、くるぶしあたりまで溜まっている。
壁には何枚もの扉が連なっているように見えるが、どれもびくともしなかった。
状況が飲み込めてはいない悠里だったが、出口を目指してゆっくりと歩いていた。
──夢だろうか。
それにしては靴底から滲んでくる水の冷たさが現実味を帯びている。
だが、悠里自身はこんなところに来た覚えもないし、それ以前に、目覚める前に何をしていたのかを思い出せない。
とてつもなく現実味を帯びた夢。
そう考えてしまうのは、目を覚ませばこの異様な事態から逃れられると信じたいからだろうか。
「よく来たね」
「……っ!?」
背後からの声。
悠里はあわてて振り返り、拳を握った。
「────え?」
声の主には見覚えがあった。──いや、見覚え以上によく見ている。
「…………お前……誰だ」
18年間毎日のように見てきた顔。驚愕の表情を浮かべる悠里とは対照的に、微笑んでいる相手の顔には先日の絆創膏すら見えた。
「おいおい。そんなのお前自身が誰よりも知ってるだろ」
────そこに立っていたのは紛れもなく『南雲悠里』自身だった。
「ふざけてんじゃねぇ!!」
──ただ、その髪は白く変色しており、瞳は煌々と赤く染まっている。
「俺は俺だ。人の真似しやがって。からかってんならただじゃ済まさねぇからな」
「からかう?俺の前に俺が立ってるこんな状況が冗談に見えるのか?お前は俺を知ってるだろう?」
「知るか!俺の体も、顔も、俺だけの物だ。お前見たいな猿真似野郎知った事じゃねぇ!!」
悠里の叫びが遠く響いた。息を荒立て、眉間を寄せて睨み付ける悠里に向かって、白髪の悠里は歩み寄っていった。
「違う」
「……何が違う。俺は俺だって言───」
そして、
「俺はお前じゃない。俺は『南雲 悠里』だ」
白髪の悠里は、うって変わった冷淡な瞳でそう呟いた。
「てめぇ…………!」
悠里は白髪の悠里の胸ぐらを掴み、持ち上げ、そのまま壁に叩きつけるような力で押し付けた。
「南雲悠里は俺だ!!てめぇは俺じゃない。ふざけんのも大概にしとけよ」
「…………ふふっ」
「何がおかしい」
白髪の悠里は突然けたけたと笑い出した。
「…………もう遅い。もう遅いんだよ。既に開演は迎えた。あとは演者が舞台に立つだけだ。あとは結末まで進み続ける劇を、お前はただただ見守るしかない…!」
すると、悠里は突然、目眩で視界が揺らぐような感覚を覚えた。
「…っ!?」
「また会おう。南雲 悠里。俺じゃない俺」
掴んだ手から力が抜け、膝に力が入らなくなり、悠里はその場に崩れ落ちた。
目が覚めるとそこは、見知らぬベッドの上だった。衣服も病院着のようなものに変わっており、どうやら先ほどの出来事は夢の中のものだったらしい。
ゆっくりと上体を起こす。
その部屋は、悠里が眠っていたベッドと観葉植物が添えられた木製のラック、それと数個の丸イスがあるだけの簡素な部屋だった。
そのラックの前に、小さなアルミ製のジョウロで観葉植物に水をやっている女性が立っている。
女性は悠里が起きたことに気がついたのか、ジョウロを持ったまま悠里の方へと歩いてきた。
「あ、起きたのね」
悠里と同い年か、やや年上のような雰囲気の女性。彼女の身に纏っている衣服は、女性が日常的に着ているような洒落たものではないようだ。見覚えはないが、警察やそれに類する組織の制服のようにも見える。
「…………ここは、どこだ?」
彼が開口一番に発したのは、至極真っ当な疑問。
「ここはねぇ……………………えーっと、私が言っちゃっていいのかしら。…いや、新堂さんに言っていいって言われてないし、誤魔化した方がいいかしら…」
答えかけたと思ったら、顔をそらしてぶつぶつと呟く女性。
「…………私の家?」
「警察呼ぶぞ誘拐犯」
ちょっとイラっとした。
「嘘!待って、違う違う!!私ん家こんな地味じゃないわよ!」
「そこまで聞いてねーよ。誤魔化すんならもっとまともにやれって」
慌てた様子でわたわたとする女性。それに対し悠里はため息をついた。
「……えっとね、もうすぐ私の上司が来るからその人に聞いてもらえる?」
「上司ぃ…?てか、アンタら誰?何者?」
上司、という事は彼女らは何らかの組織の社員のようなものなのだろう。先ほどは冗談混じりに『誘拐犯』と言ったが、もしかしたらそれもあながち間違ってはいないのかもしれない。誘拐組織の上司、という意味だろうか。
「それも詳しく言えないんだけど………………正義の味方?」
その返答に、悠里は頭をかかえ、先ほどよりも深いため息を吐いた。
「だから……誤魔化すんならもっと──」
突然、ドアがガチャリと開かれる。そして、そこから背の高い男──二十代後半ぐらいの男性と、眼鏡をかけた清純そうな女性が現れた。
二人組も同じような制服を着ている。どうやら彼女が言っていた『上司』とは彼ら、ないしは彼の事を指しているのだろう。
「おぉ、起きたか」
「…………六時間半。早いですね。流石は『南雲』と言ったところですか」
二人は見定めるように悠里を見ている。
その視線に、悠里は嫌悪感を抱いた。
「アンタがこの女の上司?」
「おう。新堂 誠(しんどう まこと)だ。こっちの眼鏡は望月 薫(もちづき かおる)で、そっちのは高瀬 桃香(たかせ ももか)」
新堂と名乗った男は、近くの丸イスを引き寄せると、そこに座った。望月という女性は立ったままだ。新堂の秘書か何かなのだろうか。
「君のこともよく知ってるぞ?南雲悠里。私立貞崚高校3年B組。担任は数学教師、笹岡直樹。交際歴ナシ。好きな食べ物はコロッケで、嫌いなものはつぶあん。毎日毎日喧嘩三昧で、顔や腕には生傷が多く、養父の拝島も手を焼く始ま───」
新堂が言い終わる前に、悠里は新堂の胸ぐらを掴んだ。丸イスが倒れ、ガシャンと大きな音を立てる。
「新堂さん!!」
「…よくお調べになった事で。そりゃあ誘拐すんのにターゲットの事はよく調べるもんなァ?」
睨み付ける悠里に対し、新堂は見定めるような瞳のままだ。それを見て、悠里の掴む手にはいっそう怒りが込められる。
ガシッ、と悠里の腕を掴んだのは、新堂ではなく、その隣に立つ望月だった。
「あ?」
─なんだよアンタ。と、悠里が言うよりも早く、悠里の体は宙を舞い、受け身もとれずに床へ叩きつけられた。
「……っ!?痛ってぇなァ!!何すんだよ!!」
「大人しくしなさい。我々は貴方を公務執行妨害罪及び暴行罪で逮捕する権限があります。 前科者になりたくなければ大人しくそこに座っていなさい。それでも続けると言うのであれば、まずその腕から折ります」
悠里自身、それなりに筋力には自身があったが、それを軽々と押さえつける望月の力は、それ以上だった。悠里は抜け出そうともがくも、上半身は完全に地面に伏され、抗うことも叶わない。
「薫、放してやれ。もう充分だ」
新堂の指示で、望月は手を離した。
「悪いな。お前みたいな奴にはこの手の説得が一番だろう?」
「警察官が誘拐かよ。お前ら、そんな事して恥ずかしくねぇの?」
起き上がり、新堂を挑発する悠里だったが、新堂はその挑発に乗らないどころか、覚えがないといった表情を浮かべた。
「公務執行妨害と言ったから警察。ちゃんと話を聞いていた事は認めますが、安直な上に前提から間違っていますね」
新堂に対しての注釈を、皮肉混じりに答える望月。それを聞いた新堂は、やっと「あぁ……!」といった表情に変わった。
「なるほど。……誘拐、ってのは心外だな。俺たちはお前を助けてやったってのに」
「助けた……───そうだ。そうだよ。あの化け物!!」
悠里はようやく、昏倒前の事を思い出した。
「落ち着きなさいと言ったでしょう」
「説明してやるから、まぁ座れよ」
歩を進める度、足元の水が跳ねる。
目を覚ますと、悠里は廊下に立っていた。
壁や床はコンクリートで出来ているようで、ひんやりと冷たかった。
その床には、雨上がりの水溜まりのようにうっすらと水が、くるぶしあたりまで溜まっている。
壁には何枚もの扉が連なっているように見えるが、どれもびくともしなかった。
状況が飲み込めてはいない悠里だったが、出口を目指してゆっくりと歩いていた。
──夢だろうか。
それにしては靴底から滲んでくる水の冷たさが現実味を帯びている。
だが、悠里自身はこんなところに来た覚えもないし、それ以前に、目覚める前に何をしていたのかを思い出せない。
とてつもなく現実味を帯びた夢。
そう考えてしまうのは、目を覚ませばこの異様な事態から逃れられると信じたいからだろうか。
「よく来たね」
「……っ!?」
背後からの声。
悠里はあわてて振り返り、拳を握った。
「────え?」
声の主には見覚えがあった。──いや、見覚え以上によく見ている。
「…………お前……誰だ」
18年間毎日のように見てきた顔。驚愕の表情を浮かべる悠里とは対照的に、微笑んでいる相手の顔には先日の絆創膏すら見えた。
「おいおい。そんなのお前自身が誰よりも知ってるだろ」
────そこに立っていたのは紛れもなく『南雲悠里』自身だった。
「ふざけてんじゃねぇ!!」
──ただ、その髪は白く変色しており、瞳は煌々と赤く染まっている。
「俺は俺だ。人の真似しやがって。からかってんならただじゃ済まさねぇからな」
「からかう?俺の前に俺が立ってるこんな状況が冗談に見えるのか?お前は俺を知ってるだろう?」
「知るか!俺の体も、顔も、俺だけの物だ。お前見たいな猿真似野郎知った事じゃねぇ!!」
悠里の叫びが遠く響いた。息を荒立て、眉間を寄せて睨み付ける悠里に向かって、白髪の悠里は歩み寄っていった。
「違う」
「……何が違う。俺は俺だって言───」
そして、
「俺はお前じゃない。俺は『南雲 悠里』だ」
白髪の悠里は、うって変わった冷淡な瞳でそう呟いた。
「てめぇ…………!」
悠里は白髪の悠里の胸ぐらを掴み、持ち上げ、そのまま壁に叩きつけるような力で押し付けた。
「南雲悠里は俺だ!!てめぇは俺じゃない。ふざけんのも大概にしとけよ」
「…………ふふっ」
「何がおかしい」
白髪の悠里は突然けたけたと笑い出した。
「…………もう遅い。もう遅いんだよ。既に開演は迎えた。あとは演者が舞台に立つだけだ。あとは結末まで進み続ける劇を、お前はただただ見守るしかない…!」
すると、悠里は突然、目眩で視界が揺らぐような感覚を覚えた。
「…っ!?」
「また会おう。南雲 悠里。俺じゃない俺」
掴んだ手から力が抜け、膝に力が入らなくなり、悠里はその場に崩れ落ちた。
目が覚めるとそこは、見知らぬベッドの上だった。衣服も病院着のようなものに変わっており、どうやら先ほどの出来事は夢の中のものだったらしい。
ゆっくりと上体を起こす。
その部屋は、悠里が眠っていたベッドと観葉植物が添えられた木製のラック、それと数個の丸イスがあるだけの簡素な部屋だった。
そのラックの前に、小さなアルミ製のジョウロで観葉植物に水をやっている女性が立っている。
女性は悠里が起きたことに気がついたのか、ジョウロを持ったまま悠里の方へと歩いてきた。
「あ、起きたのね」
悠里と同い年か、やや年上のような雰囲気の女性。彼女の身に纏っている衣服は、女性が日常的に着ているような洒落たものではないようだ。見覚えはないが、警察やそれに類する組織の制服のようにも見える。
「…………ここは、どこだ?」
彼が開口一番に発したのは、至極真っ当な疑問。
「ここはねぇ……………………えーっと、私が言っちゃっていいのかしら。…いや、新堂さんに言っていいって言われてないし、誤魔化した方がいいかしら…」
答えかけたと思ったら、顔をそらしてぶつぶつと呟く女性。
「…………私の家?」
「警察呼ぶぞ誘拐犯」
ちょっとイラっとした。
「嘘!待って、違う違う!!私ん家こんな地味じゃないわよ!」
「そこまで聞いてねーよ。誤魔化すんならもっとまともにやれって」
慌てた様子でわたわたとする女性。それに対し悠里はため息をついた。
「……えっとね、もうすぐ私の上司が来るからその人に聞いてもらえる?」
「上司ぃ…?てか、アンタら誰?何者?」
上司、という事は彼女らは何らかの組織の社員のようなものなのだろう。先ほどは冗談混じりに『誘拐犯』と言ったが、もしかしたらそれもあながち間違ってはいないのかもしれない。誘拐組織の上司、という意味だろうか。
「それも詳しく言えないんだけど………………正義の味方?」
その返答に、悠里は頭をかかえ、先ほどよりも深いため息を吐いた。
「だから……誤魔化すんならもっと──」
突然、ドアがガチャリと開かれる。そして、そこから背の高い男──二十代後半ぐらいの男性と、眼鏡をかけた清純そうな女性が現れた。
二人組も同じような制服を着ている。どうやら彼女が言っていた『上司』とは彼ら、ないしは彼の事を指しているのだろう。
「おぉ、起きたか」
「…………六時間半。早いですね。流石は『南雲』と言ったところですか」
二人は見定めるように悠里を見ている。
その視線に、悠里は嫌悪感を抱いた。
「アンタがこの女の上司?」
「おう。新堂 誠(しんどう まこと)だ。こっちの眼鏡は望月 薫(もちづき かおる)で、そっちのは高瀬 桃香(たかせ ももか)」
新堂と名乗った男は、近くの丸イスを引き寄せると、そこに座った。望月という女性は立ったままだ。新堂の秘書か何かなのだろうか。
「君のこともよく知ってるぞ?南雲悠里。私立貞崚高校3年B組。担任は数学教師、笹岡直樹。交際歴ナシ。好きな食べ物はコロッケで、嫌いなものはつぶあん。毎日毎日喧嘩三昧で、顔や腕には生傷が多く、養父の拝島も手を焼く始ま───」
新堂が言い終わる前に、悠里は新堂の胸ぐらを掴んだ。丸イスが倒れ、ガシャンと大きな音を立てる。
「新堂さん!!」
「…よくお調べになった事で。そりゃあ誘拐すんのにターゲットの事はよく調べるもんなァ?」
睨み付ける悠里に対し、新堂は見定めるような瞳のままだ。それを見て、悠里の掴む手にはいっそう怒りが込められる。
ガシッ、と悠里の腕を掴んだのは、新堂ではなく、その隣に立つ望月だった。
「あ?」
─なんだよアンタ。と、悠里が言うよりも早く、悠里の体は宙を舞い、受け身もとれずに床へ叩きつけられた。
「……っ!?痛ってぇなァ!!何すんだよ!!」
「大人しくしなさい。我々は貴方を公務執行妨害罪及び暴行罪で逮捕する権限があります。 前科者になりたくなければ大人しくそこに座っていなさい。それでも続けると言うのであれば、まずその腕から折ります」
悠里自身、それなりに筋力には自身があったが、それを軽々と押さえつける望月の力は、それ以上だった。悠里は抜け出そうともがくも、上半身は完全に地面に伏され、抗うことも叶わない。
「薫、放してやれ。もう充分だ」
新堂の指示で、望月は手を離した。
「悪いな。お前みたいな奴にはこの手の説得が一番だろう?」
「警察官が誘拐かよ。お前ら、そんな事して恥ずかしくねぇの?」
起き上がり、新堂を挑発する悠里だったが、新堂はその挑発に乗らないどころか、覚えがないといった表情を浮かべた。
「公務執行妨害と言ったから警察。ちゃんと話を聞いていた事は認めますが、安直な上に前提から間違っていますね」
新堂に対しての注釈を、皮肉混じりに答える望月。それを聞いた新堂は、やっと「あぁ……!」といった表情に変わった。
「なるほど。……誘拐、ってのは心外だな。俺たちはお前を助けてやったってのに」
「助けた……───そうだ。そうだよ。あの化け物!!」
悠里はようやく、昏倒前の事を思い出した。
「落ち着きなさいと言ったでしょう」
「説明してやるから、まぁ座れよ」
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