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第4章:魔王クラタ誕生「魔王ですか?」「いいえ、会長みたいなもんです……」
第10話:竜王テューポーン
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「ふんっ、矮小な存在が」
カッチーン!
竜王の住むダンジョンで、いきなりダンマスのところに連れていかれたかと思ったら、前に立った瞬間に前足で叩き潰された。
「頭が高いぞ、魔族もどきの分際で! ん? もしかして、死んだか?」
残念ながらその程度で死ぬような柔な身体はしてないが、巨大な重量相手に抜け出す事も出来ない。
しっかしまあ、いきなり見下した態度でこの野郎め!
「ちっ、話くらい……聞きやが……れ」
「フハハハ! 指の隙間から話かければ良いでは無いか! 虫けらみたいに這いつくばってのう」
よし、こいつ殺す。
いや、殺したら面倒くさそうだから半殺しの刑だ。
うっかり、途中で殺しちゃうかもしれないけど、俺も死ねばいいだけだし。
あくまでうっかりだけど……
頑張ったけど、全然動かないからセーブポイントにお願いして回収してもらう。
こういう時は、この機能便利だなって思う。
あと、あそこ行く前にセーブしといて良かった。
「ワイトキング貸して! あれっ? ブラムスは?」
「ご一緒じゃ無かったのですか?」
黄泉のダンジョンの謁見の間に行ったら、どうにか意識を復活したアベルにキョトンとされた。
あっ!
イコールのダンジョンに忘れてきた。
いや、イコールの奴ちょいちょい戻ってたから知ってたはずなのに。
あれは、わざとだな。
取りあえず、イコールのところにブラムスを返してもらいに行く。
「たく、余計な手間掛けさせんなよ!」
「酷い……」
八つ当たりかな?
八つ当たりだね。
謝らないけど。
取りあえずワイトキングを借りて、自分のダンジョンに戻る。
ふふふ、この日の為に重力が倍になる部屋を作ったのだ。
カタログに載ってたけど、最大で10倍まで上げられるらしい。
罠部屋ってジャンルのとこだったから見落としてたわ。
付箋も貼って無かったし。
「あの……重たいんですけど」
「お前は、重力を操るくせに自身に耐性は無いのか?」
「あー、自分のスキルの影響は受けませんから……ただ、人から掛けられたりすると、普通に効きます」
なんか、微妙だな。
まあ良いや、じゃあ部屋の外から宜しく。
取りあえず、部屋の重力を10倍にセットして
「じゃあ、取りあえず重力4倍にして?」
「えー、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!」
おお、結構くる!
40倍で2800kgの付加か。
よし、ここで普通に動けるようになるまで、頑張る!
体感半年くらいか?
結構頑張ったお陰で、余裕で動けるようにはなった。
ワイトキングが侵入者って扱いだから、一応セーブポイントの力で外の時間は止めて貰えた。
不思議な力だ。
まあ、良いや。
「次はさらに倍で!」
「あのー、いつになったら帰れるのでしょうか?」
「ん? 大丈夫。戻ったら、記憶無くなるし時間も戻るから」
「なにそれ? 怖い」
ハハハ!
お前の顔の方が怖いから。
くだらない事言って無いで、はよ!
……体感で何年くらいかな?
300倍でも走り回れるくらいにはなった。
でもって、たまに普通の部屋で豆腐を箸で掴む特訓とかして、手加減のスキルも覚えといた。
いや、本当は力加減の訓練だったんだけどね。
筋力操作ってのが身に付いた。
これで、出力を調整出来るらしい。
やべっ……これはこじらせる自信がある。
「まあ20%ぐらいでもやれたでしょうが、なにせ臆病なモンでね」
言ってみたい。
あのクソドラゴン相手に。
いや、言ってやる!
ちなみに100%中の100%は
レベル:999
STR:XX
VIT:X+
AGI:XX
DEX:A+
INT:B-
MND:XX
LUK:D
だとか。
総合でXランクに突入した。
やべっ……ステだけならダンジョーン級だ。
よしっ、頑張る。
その前に、取りあえず死んで完全回復しとこう。
相手は竜王様だ。
万全を期していかないとな。
――――――
「いきなりご挨拶だな? 竜ってのは初対面の人間にいい子いい子してくれるのが礼儀なのか? こっちじゃいい大人にやったら失礼にあたるから覚えとけよ?」
そう言って、頭に叩きつけられた手を片手で払いのける。
勿論、立ったまま。
効いてない風に、涼やかな表情で笑みを浮かべながら払いのけるのがポイントだ。
うん、強者ムーブを一つ回収したな。
重量級の攻撃を片手で受けて払いのけるは、結構達成難易度が高いし。
トロフィーシステムとか、無いのかな?
アクションや、コレクションで貰えるような。
まあ、こういった強者ムーブが上手に出来ると、セーブポイントが褒めてくれるけど。
褒めるパターンが相当数ありそうだから、それがコレクション要素かな?
「なっ! よく耐えたな。だが、たかが半端者の癖に竜の王である我に対して態度がデカいんじゃいないのか?」
「そうか? 普通にいきなり頭を撫でる無礼者に対する礼儀を、持ち合わせていないだけだぞ」
「虫けらがほざきよる。もう良い、イコールの紹介じゃから体面上話だけでもと思うたが、殺してやろう」
そう思うなら、最初からお客様対応してくれ。
まあ、特訓してる間に怒りは収まっちゃったけど、思い知らせてやりたい感情は残ってるから相手しよう。
知ってる?
怒りって結構エネルギー使うらしいね?
新しい材料が無いと、二日くらいで収まるらしい。
でもって、自分のダンジョンにこもりっきりだったから、どっちかっていうと今の俺は怒りより驚かせてやろうって気持ちが大きかったりする。
「30%だな……」
「はっ?」
「30%で相手してやるよ」
「虫けらの分際で、戦う前から負けた時の言い訳か?」
めっちゃ怒ってる。
まあ良いや。
解放します。
ちなみに、100%でも化け物みたいになったりはしない。
そこは魔族側の細胞のお陰らしい。
ちょっとムキムキになる程度。
でもカッチカチやで?
オーラ的なものは出るけど。
髪は金髪にならない。
残念。
本当に、残念。
「なるほど、変身型か……確かに多少はやるようになったみたいだな?」
来たときは20%解放状態だったから、そこまで変わってないはずだけどね?
「良いから掛かって来いよ?」
「死んでから後悔するなよ?」
今度は前足を全力で振り下ろしてきたのけど、さっきと同様に片腕で受け止める。
うん、余裕だな。
頑張りすぎたかも。
「馬鹿な!」
そのまま前足を掴む。
あれっ?
足、デカすぎだろ?
掴み辛い。
鱗の隙間に指を引っかけるにしても、鱗もでかい。
面倒なやつだなー。
そういえば、イコールさん水虫にする魔法持ってたよね?
あとで、是非こいつに使って貰いたい。
イコールさんが、こいつと話したら一人で来る度胸があるならと言っていたから、俺いま一人だけど終わったらイコールさん迎えに行こう。
まあ良いや、掴めないから指を食い込ませて無理矢理掴む。
「グアッ!」
「なんだこの程度で喚くな。普通に、掴んだだけじゃないか? 痛いのはこれからだぞ」
そのまま思いっきり前足を振り上げると、テューポーンの身体がその勢いで持ち上がる。
そして、反対側に叩きつける。
「グハッ!」
「おーおー、自分のデカい身体が仇になったな?」
すぐに起き上がってこっちを睨み付けながら距離を取ろうとする。
いや、逃がさないし。
まだ前足を、しっかりと掴んでるし。
「くっ、この小さい体のどこにそんな力が?」
「いやいや、おっさんこそデカいのは身体だけか?」
目の前に一気に引き寄せると、横っ面をブッ叩く。
見事に首を持ってかれてるけど、あれだ……冗談抜きで調子に乗って、色々と膂力関係を強化し過ぎたかも。
ブラムスの時の反省が全く活かされてないな。
「放せ!」
こっちを振り向いた瞬間に、火のブレスを吐いてくるけど……ちょっとだけ使った体力が全快になるだけなんだよね?
「つまらんな……これが最強を自負するドラゴンの王だって?」
「あーーーー、痛い! 痛い! 爪を食い込ませるな!」
うわあ……
痛がりにも程があるだろう。
ブチッ。
あっ。
「ギャアアアアア!」
つい力が入って、掴んでたところ引きちぎってしまった。
ドラゴン脆すぎだろ?
「クソッ! だが手さえ離れればこっちのものだ! ん? どこ行った?」
ガシッ!
「はっ?」
どこ行ったって? 痛みで顔を上げてる間に背後に移動したんだよ。
「駄目だよ? 殺し合いの最中によそ見しちゃ」
でもって尻尾の先を掴む。
そしてグルグル振り回してポーイだ!
激しい音を立てて、壁が崩れる。
「なっ、なっ……ありえない……貴様は、半分人間なんだぞ? こんなに強いはずが……いや、魔人ですら我を放り投げるなど」
「だから……」
またよそ見してる。
「よそ見しちゃ駄目だって」
なので、その隙に腹の下に潜り込んで思いっきり蹴り上げてあげる。
うん、天井があって良かったね?
ケホッ、ケホッ。
天井が崩れて、砂煙と一緒にテューポーンが落ちてきた。
埃っぽくてつい咳が出た。
「まだやるの?」
「このまま何も出来ずに引き下がれる訳が!」
「40%」
さらに筋力操作で解放値を上げる。
ドンッ?
「ごめんなさい」
ああ、全力で土下座してるのね。
心折れた?
じゃあ、話し合いしようか?
「本当にそれで40%ですか?」
「ん? 50%」
「えっ?」
「60%」
「もう良いです、分かりました。調子にのって申し訳ありません」
「70%」
ポキッ?
心が折れた音、初めて聞いたかも。
違った、恐怖で驚き過ぎて顎が外れた音だった。
こいつは、残念竜王認定で。
もうやめとこう。
取りあえず、軽めのアッパーで顎をはめてあげる。
あっ、勢い余って後ろに一回転しちゃった。
反省。
20%に戻ると、今度はやり過ぎる事は無いだろうと安心して優しく全力でぶっ叩き起こす。
「本当に30%であの力だったんですね」
「まあ20%ぐらいでもやれたでしょうが、なにせ臆病なモンでね」
「……」
うん、スムーズに話し合いが出来そうだ。
良かった。
話が分かる奴で。
カッチーン!
竜王の住むダンジョンで、いきなりダンマスのところに連れていかれたかと思ったら、前に立った瞬間に前足で叩き潰された。
「頭が高いぞ、魔族もどきの分際で! ん? もしかして、死んだか?」
残念ながらその程度で死ぬような柔な身体はしてないが、巨大な重量相手に抜け出す事も出来ない。
しっかしまあ、いきなり見下した態度でこの野郎め!
「ちっ、話くらい……聞きやが……れ」
「フハハハ! 指の隙間から話かければ良いでは無いか! 虫けらみたいに這いつくばってのう」
よし、こいつ殺す。
いや、殺したら面倒くさそうだから半殺しの刑だ。
うっかり、途中で殺しちゃうかもしれないけど、俺も死ねばいいだけだし。
あくまでうっかりだけど……
頑張ったけど、全然動かないからセーブポイントにお願いして回収してもらう。
こういう時は、この機能便利だなって思う。
あと、あそこ行く前にセーブしといて良かった。
「ワイトキング貸して! あれっ? ブラムスは?」
「ご一緒じゃ無かったのですか?」
黄泉のダンジョンの謁見の間に行ったら、どうにか意識を復活したアベルにキョトンとされた。
あっ!
イコールのダンジョンに忘れてきた。
いや、イコールの奴ちょいちょい戻ってたから知ってたはずなのに。
あれは、わざとだな。
取りあえず、イコールのところにブラムスを返してもらいに行く。
「たく、余計な手間掛けさせんなよ!」
「酷い……」
八つ当たりかな?
八つ当たりだね。
謝らないけど。
取りあえずワイトキングを借りて、自分のダンジョンに戻る。
ふふふ、この日の為に重力が倍になる部屋を作ったのだ。
カタログに載ってたけど、最大で10倍まで上げられるらしい。
罠部屋ってジャンルのとこだったから見落としてたわ。
付箋も貼って無かったし。
「あの……重たいんですけど」
「お前は、重力を操るくせに自身に耐性は無いのか?」
「あー、自分のスキルの影響は受けませんから……ただ、人から掛けられたりすると、普通に効きます」
なんか、微妙だな。
まあ良いや、じゃあ部屋の外から宜しく。
取りあえず、部屋の重力を10倍にセットして
「じゃあ、取りあえず重力4倍にして?」
「えー、大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!」
おお、結構くる!
40倍で2800kgの付加か。
よし、ここで普通に動けるようになるまで、頑張る!
体感半年くらいか?
結構頑張ったお陰で、余裕で動けるようにはなった。
ワイトキングが侵入者って扱いだから、一応セーブポイントの力で外の時間は止めて貰えた。
不思議な力だ。
まあ、良いや。
「次はさらに倍で!」
「あのー、いつになったら帰れるのでしょうか?」
「ん? 大丈夫。戻ったら、記憶無くなるし時間も戻るから」
「なにそれ? 怖い」
ハハハ!
お前の顔の方が怖いから。
くだらない事言って無いで、はよ!
……体感で何年くらいかな?
300倍でも走り回れるくらいにはなった。
でもって、たまに普通の部屋で豆腐を箸で掴む特訓とかして、手加減のスキルも覚えといた。
いや、本当は力加減の訓練だったんだけどね。
筋力操作ってのが身に付いた。
これで、出力を調整出来るらしい。
やべっ……これはこじらせる自信がある。
「まあ20%ぐらいでもやれたでしょうが、なにせ臆病なモンでね」
言ってみたい。
あのクソドラゴン相手に。
いや、言ってやる!
ちなみに100%中の100%は
レベル:999
STR:XX
VIT:X+
AGI:XX
DEX:A+
INT:B-
MND:XX
LUK:D
だとか。
総合でXランクに突入した。
やべっ……ステだけならダンジョーン級だ。
よしっ、頑張る。
その前に、取りあえず死んで完全回復しとこう。
相手は竜王様だ。
万全を期していかないとな。
――――――
「いきなりご挨拶だな? 竜ってのは初対面の人間にいい子いい子してくれるのが礼儀なのか? こっちじゃいい大人にやったら失礼にあたるから覚えとけよ?」
そう言って、頭に叩きつけられた手を片手で払いのける。
勿論、立ったまま。
効いてない風に、涼やかな表情で笑みを浮かべながら払いのけるのがポイントだ。
うん、強者ムーブを一つ回収したな。
重量級の攻撃を片手で受けて払いのけるは、結構達成難易度が高いし。
トロフィーシステムとか、無いのかな?
アクションや、コレクションで貰えるような。
まあ、こういった強者ムーブが上手に出来ると、セーブポイントが褒めてくれるけど。
褒めるパターンが相当数ありそうだから、それがコレクション要素かな?
「なっ! よく耐えたな。だが、たかが半端者の癖に竜の王である我に対して態度がデカいんじゃいないのか?」
「そうか? 普通にいきなり頭を撫でる無礼者に対する礼儀を、持ち合わせていないだけだぞ」
「虫けらがほざきよる。もう良い、イコールの紹介じゃから体面上話だけでもと思うたが、殺してやろう」
そう思うなら、最初からお客様対応してくれ。
まあ、特訓してる間に怒りは収まっちゃったけど、思い知らせてやりたい感情は残ってるから相手しよう。
知ってる?
怒りって結構エネルギー使うらしいね?
新しい材料が無いと、二日くらいで収まるらしい。
でもって、自分のダンジョンにこもりっきりだったから、どっちかっていうと今の俺は怒りより驚かせてやろうって気持ちが大きかったりする。
「30%だな……」
「はっ?」
「30%で相手してやるよ」
「虫けらの分際で、戦う前から負けた時の言い訳か?」
めっちゃ怒ってる。
まあ良いや。
解放します。
ちなみに、100%でも化け物みたいになったりはしない。
そこは魔族側の細胞のお陰らしい。
ちょっとムキムキになる程度。
でもカッチカチやで?
オーラ的なものは出るけど。
髪は金髪にならない。
残念。
本当に、残念。
「なるほど、変身型か……確かに多少はやるようになったみたいだな?」
来たときは20%解放状態だったから、そこまで変わってないはずだけどね?
「良いから掛かって来いよ?」
「死んでから後悔するなよ?」
今度は前足を全力で振り下ろしてきたのけど、さっきと同様に片腕で受け止める。
うん、余裕だな。
頑張りすぎたかも。
「馬鹿な!」
そのまま前足を掴む。
あれっ?
足、デカすぎだろ?
掴み辛い。
鱗の隙間に指を引っかけるにしても、鱗もでかい。
面倒なやつだなー。
そういえば、イコールさん水虫にする魔法持ってたよね?
あとで、是非こいつに使って貰いたい。
イコールさんが、こいつと話したら一人で来る度胸があるならと言っていたから、俺いま一人だけど終わったらイコールさん迎えに行こう。
まあ良いや、掴めないから指を食い込ませて無理矢理掴む。
「グアッ!」
「なんだこの程度で喚くな。普通に、掴んだだけじゃないか? 痛いのはこれからだぞ」
そのまま思いっきり前足を振り上げると、テューポーンの身体がその勢いで持ち上がる。
そして、反対側に叩きつける。
「グハッ!」
「おーおー、自分のデカい身体が仇になったな?」
すぐに起き上がってこっちを睨み付けながら距離を取ろうとする。
いや、逃がさないし。
まだ前足を、しっかりと掴んでるし。
「くっ、この小さい体のどこにそんな力が?」
「いやいや、おっさんこそデカいのは身体だけか?」
目の前に一気に引き寄せると、横っ面をブッ叩く。
見事に首を持ってかれてるけど、あれだ……冗談抜きで調子に乗って、色々と膂力関係を強化し過ぎたかも。
ブラムスの時の反省が全く活かされてないな。
「放せ!」
こっちを振り向いた瞬間に、火のブレスを吐いてくるけど……ちょっとだけ使った体力が全快になるだけなんだよね?
「つまらんな……これが最強を自負するドラゴンの王だって?」
「あーーーー、痛い! 痛い! 爪を食い込ませるな!」
うわあ……
痛がりにも程があるだろう。
ブチッ。
あっ。
「ギャアアアアア!」
つい力が入って、掴んでたところ引きちぎってしまった。
ドラゴン脆すぎだろ?
「クソッ! だが手さえ離れればこっちのものだ! ん? どこ行った?」
ガシッ!
「はっ?」
どこ行ったって? 痛みで顔を上げてる間に背後に移動したんだよ。
「駄目だよ? 殺し合いの最中によそ見しちゃ」
でもって尻尾の先を掴む。
そしてグルグル振り回してポーイだ!
激しい音を立てて、壁が崩れる。
「なっ、なっ……ありえない……貴様は、半分人間なんだぞ? こんなに強いはずが……いや、魔人ですら我を放り投げるなど」
「だから……」
またよそ見してる。
「よそ見しちゃ駄目だって」
なので、その隙に腹の下に潜り込んで思いっきり蹴り上げてあげる。
うん、天井があって良かったね?
ケホッ、ケホッ。
天井が崩れて、砂煙と一緒にテューポーンが落ちてきた。
埃っぽくてつい咳が出た。
「まだやるの?」
「このまま何も出来ずに引き下がれる訳が!」
「40%」
さらに筋力操作で解放値を上げる。
ドンッ?
「ごめんなさい」
ああ、全力で土下座してるのね。
心折れた?
じゃあ、話し合いしようか?
「本当にそれで40%ですか?」
「ん? 50%」
「えっ?」
「60%」
「もう良いです、分かりました。調子にのって申し訳ありません」
「70%」
ポキッ?
心が折れた音、初めて聞いたかも。
違った、恐怖で驚き過ぎて顎が外れた音だった。
こいつは、残念竜王認定で。
もうやめとこう。
取りあえず、軽めのアッパーで顎をはめてあげる。
あっ、勢い余って後ろに一回転しちゃった。
反省。
20%に戻ると、今度はやり過ぎる事は無いだろうと安心して優しく全力でぶっ叩き起こす。
「本当に30%であの力だったんですね」
「まあ20%ぐらいでもやれたでしょうが、なにせ臆病なモンでね」
「……」
うん、スムーズに話し合いが出来そうだ。
良かった。
話が分かる奴で。
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スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
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我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
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