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第2章:風の調べとゴブリンとコボルトと
第7話:王は誰だ
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「えっと、どういう状況かな?」
「お祭り?」
ゴブリンの集落では、老ゴブリンたちがあわただしく動いている。
集落の奥に、簡易の食事スペースが。
地面に車座に座るのが普通なのか、ゴザの代わりに大きな葉っぱが地面に敷き詰められていく。
その際に、何かを焚いて虫を追い払っている。
おお、意外と知恵が。
というか、火?
火を使っている。
テトの森のゴブリンは……ああ、一応火魔法は使えるゴブリンいたっけ?
でも、肉は生だったし。
ニコとフィーナの座る場所……
なんか、箱に毛皮を乗せた感じの椅子。
この中にあると、立派なものに見える。
どうやら、歓迎会を開いてくれる予定のようだ。
とはいえ、色々と不安も。
まず、食料が全然ないらしい。
ニコたちが差し入れた肉だけじゃ、とてもじゃないが足りない。
この集落にはいま、12匹の老ゴブリン。
20匹のメスゴブリン。
そして、15匹の子ゴブリンがいると。
若いオスもいたころなら、総勢80匹の大所帯。
いまは、その働き盛りの雄たちをコボルトに連れていかれたと。
うーん……
一応、メスゴブリンが集めてきた木の実や、野草はあると。
山菜のようなものも。
ただ、動物性たんぱく質……は、子ゴブリンが拾ってきた芋虫ね。
うーん……
ゴートが凄く嫌そうな表情。
「うっ!」
フィーナが脇腹に肘鉄を。
もう少し取り繕えということだろうが。
油断してたところに、細身のフィーナの肘。
刺さったんだろうな。
横にくの字に身体を折り曲げたあと、うめき声をあげながら地面に潰れるように崩れ落ちた。
まあ、静かになって丁度いいか。
「大したおもてなしはできませんが」
「王に精いっぱいの気持ちを」
「ニコ王万歳!」
「あっ、違うから。王はそのニコ様の剣の鈴木様だから」
「えっ?」
せっかくニコを担ぎ上げて、ゴブリン達が士気高めに盛り上がっていたというのに。
フィーナがぶち壊す。
いや、事実ではあるけど。
「ニコ様は、主の依り代というか……一心同体というか……難しいけど、ニコ様あっての主様?」
「うーん、どっちかっていうと鈴木さんのお陰で、僕がある感じかな?」
ニコも、フィーナの言葉を素直に受け入れているけど。
うんうん……
ややこしいから、もうニコがここの集落の王ってことでよくない?
「はっ? 集落の王? 何をおっしゃっているのですか主様は。主は全てのゴブリンの王ですよ?」
思ったことをニコからフィーナに伝えてもらったら、詰め寄られた。
剣に詰め寄る美少女。
不思議な絵面だ。
ちょっと、面白いかも。
いや、そうじゃなくて。
初耳なんだけど?
「ゴブリンロードを多数抱える我が群れを差し置いて、ゴブリンを代表する群れなんてあるわけないでしょう。我が同胞から各地域に1人2人派遣すれば、すぐにその地方のゴブリンを掌握できますよ?」
あっ、そうなの?
ゴブリンロードってそんなに凄いの?
「色んな人に聞いたけど、ゴブリンキングの率いた群れでも人の街は混乱するかも。キング種とかロード種って、災害級だった」
そうなんだ。
へぇ……
じゃあ、ヒューマンキングとかヒューマンロードとかって。
ああ、亜人と魔物は違うと。
人に属する生物は進化しないけど、魔物は進化するから。
そうなの?
まれに、人でも進化することがある?
あるんじゃん。
本当にまれなケースらしい。
魔物と違って進化の要因が、解明されてないことも合わせて。
ちなみに、俺は結構進化してるけどね。
現在は、『ややあちこち錆びた不思議な鉄かもしれない剣』に進化してる。
なんか進んだり戻ったりしてる感じ。
錆びは完全に取れないのね。
「はぁ……なんか、川の向こうでじいちゃんが手振ってた」
「チッ」
そんな問答をしていたら、ゴートが正気に返ったようだ。
この世界も、彼岸とか此岸とかあるのかな?
「それ、渡っちゃダメな川らしいよ」
「そうなのか? じいちゃん全力でこっちに来いって、おおはしゃぎだったぞ?」
なんだろう。
良いんだから、悪いんだか。
どっちかというと、まだ早いつって追い返される方が美談というか。
「好物めっちゃ用意してくれてたし」
引きずり込もうとしてたのかな?
それとも、ただの孫馬鹿か?
おっさんになっても、孫は可愛いのかな?
まあ、ゴートのことはどうでもいい。
いまは、ゴブリンの支配者問題だ。
俺は……ゴブスチャンたちの主になったつもりはあっても、ゴブリン全部の主になったつもりはないけど?
「そんな……」
フィーナが、凄く驚いた表情をしていた。
「まあ、実質私たちが他のゴブリンを支配すれば、事実上は主が全ゴブリンの王だから問題ない」
その後、自分に言い聞かすようにそんなことを言ってたけど。
っと、とりあえずスキル悪食を発動させておこう。
何食って当たるかわかんねーし。
というか、食料これだけじゃ足りねーよな?
ゴブリンどもの前には、見るからに雑草やどんぐりのような木の実。
ニコやフィーナの前には、木の実や果実、肉に芋虫。
そして子供たちの視線が、ニコ達の前におかれた料理に注がれている。
ふふふ……食べづらそうだな。
フィーナに軽めの威圧を飛ばす。
「【プチスリープネオ】」
「グー」
それを合図に、フィーナがニコに催眠スキルを発動。
効果時間は30分。
「ちょっと、トイレ」
そう言って俺はニコの身体で、森に飛び込んでいく。
全方位気配探知を使って、鹿を発見。
俯瞰の視点で視認。
上空に飛び上がり、空中から風の刃を。
首を切り落としたあとで、木に吊り上げて首の断面に水球を。
同時に腹を裂いて、内臓を……
いや、そのまま集落に。
この間、約3分。
10分で鹿を2匹と、猪を1匹。
集落の広場の中央に吊るす。
解体は、老ゴブリンにお任せで。
「ありえん」
「ジャイアントディアー2匹と、ホーンボアを狩ってきたのですか?」
「この短時間で?」
「トイレとはいったい……」
老ゴブリンたちが、顎が外れるんじゃないかってくらい驚いていたけど。
っと、フィーナにニコを起こしてもらって。
横を見たら、ゴートも顎がはずれそうな表情だ。
馬鹿っぽい。
「アリアの昇進試験の時は、そんな風に見えなかったのに」
ふふ、悩め悩め!
その後、宴会は大盛り上がり。
「食べ物……食べ物はないか?」
変な来客が来るまで。
ヨタヨタとガリガリのゴブリンが、宴会に乱入してきた。
お腹がポッコリ出てて、栄養失調気味なのがよく分かる。
「ゴブート」
「おまえ、どうやってここに!」
「すいません、ニコ様。うちの集落の若いのです」
「食べ物を恵んでやっても?」
老ゴブリンが驚いたあと、心配そうにそのゴブリンを見て、不安そうにこっちを見つめてくる。
「ゴブートお兄さん!」
「どこいってたの?」
「帰ってきたの?」
子供達がそのまま倒れそうになったゴブリンに、まとわりついていく。
振り払う力もないのか、苦々しい笑みを浮かべて膝をついた。
「いいよ、何か柔らかいものから」
ニコがすぐに許可を出すけど、フィーナが表情を険しいものに。
「いまさっき取れたお肉だよ。まだ柔らかいから食べられるだろ」
いきなり、お肉ってヘビーじゃないかな?
とはいえ、本当にお腹が減ってるのだろう。
目の前におかれた生の肉を、両手でもって一生懸命に口に運んでいる。
他のゴブリンもニコもほっとした様子。
「なあ、あのゴブリン大丈夫か?」
「下手くそね。全然敵意が隠れてない」
「外にも何人か潜ませてるところをみると、偵察かしら?」
ゴートとフィーナは、はなっから信用してないみたいだが。
勿論、俺もだ。
俯瞰の視点で、怪しい人影が近付いているのが見えていたし。
「へえ、肉がいっぱいあるのか……貰っていってもいいよな?」
ようやく人心地付けたのか、少し顔色のよくなったゴブリンが立ち上がって周囲を見合わす。
そして、顔を歪ませてギャッギャッと醜い声をあげている。
「ああ、もっとお食べ! たんと食べるんだよ」
「いや、婆ちゃん! そうじゃなくて」
何やらニコニコと笑みを浮かべた老ゴブリンに、そう声を掛けられて焦っていたが。
「これを手土産に、ルトング様のところに戻ったら……きっと、俺出世できると思ってさ! だから、肉全部だせよ!」
「ゴブート! この馬鹿!」
「馬鹿ってなんだ、これでも逆らうのか?」
老婆がゴブートを怒鳴りつけると、ゴブートが一瞬ひるんだがすぐに槍を抜く。
その槍の先には動物の角が使われているのか、さきほど集落の連中が持ってきた尖った木よりは、よっぽど凶悪に見える。
「そうじゃない! あそこにおられる方が分からないのかい?」
「ああん? うっせーな! 誰がいようが、キングには勝てねーよ! 今更、外に出てったゴブリンが戻ったところでな! いいから、食いもん出せよばばあ! おい、ガキども鬱陶しいから近づいてくんな!」
おおう……
なんというか、どチンピラだな。
っと……
周囲の気配が、一気に近づこうとして……凄い勢いで離れていった。
……
「このおバカ! 謝りな! 地面に額をこすりつけて、謝るんだよ!」
「ばあちゃん、やめてくれよ! 痛いよ! すいませんでしたー!」
争うまでもなく、フィーナが思いっきり不機嫌になっただけで……
目の前で地面に頭を埋めて、後頭部をおばあちゃんにグリグリと踏まれているゴブート。
フィーナの威圧で、腰砕けになり。
他のゴブリンは、年寄りから雌ゴブリン子供にいたるまで、必死の形相でゴブートに襲い掛かり。
周囲を取り囲んでいた他のゴブリンとコボルトは、蜘蛛の子を散らすように離れていった。
……ロードって、やっぱり強いんだな。
もう、フィーナがここのゴブリンの女王でよくないかな?
「お祭り?」
ゴブリンの集落では、老ゴブリンたちがあわただしく動いている。
集落の奥に、簡易の食事スペースが。
地面に車座に座るのが普通なのか、ゴザの代わりに大きな葉っぱが地面に敷き詰められていく。
その際に、何かを焚いて虫を追い払っている。
おお、意外と知恵が。
というか、火?
火を使っている。
テトの森のゴブリンは……ああ、一応火魔法は使えるゴブリンいたっけ?
でも、肉は生だったし。
ニコとフィーナの座る場所……
なんか、箱に毛皮を乗せた感じの椅子。
この中にあると、立派なものに見える。
どうやら、歓迎会を開いてくれる予定のようだ。
とはいえ、色々と不安も。
まず、食料が全然ないらしい。
ニコたちが差し入れた肉だけじゃ、とてもじゃないが足りない。
この集落にはいま、12匹の老ゴブリン。
20匹のメスゴブリン。
そして、15匹の子ゴブリンがいると。
若いオスもいたころなら、総勢80匹の大所帯。
いまは、その働き盛りの雄たちをコボルトに連れていかれたと。
うーん……
一応、メスゴブリンが集めてきた木の実や、野草はあると。
山菜のようなものも。
ただ、動物性たんぱく質……は、子ゴブリンが拾ってきた芋虫ね。
うーん……
ゴートが凄く嫌そうな表情。
「うっ!」
フィーナが脇腹に肘鉄を。
もう少し取り繕えということだろうが。
油断してたところに、細身のフィーナの肘。
刺さったんだろうな。
横にくの字に身体を折り曲げたあと、うめき声をあげながら地面に潰れるように崩れ落ちた。
まあ、静かになって丁度いいか。
「大したおもてなしはできませんが」
「王に精いっぱいの気持ちを」
「ニコ王万歳!」
「あっ、違うから。王はそのニコ様の剣の鈴木様だから」
「えっ?」
せっかくニコを担ぎ上げて、ゴブリン達が士気高めに盛り上がっていたというのに。
フィーナがぶち壊す。
いや、事実ではあるけど。
「ニコ様は、主の依り代というか……一心同体というか……難しいけど、ニコ様あっての主様?」
「うーん、どっちかっていうと鈴木さんのお陰で、僕がある感じかな?」
ニコも、フィーナの言葉を素直に受け入れているけど。
うんうん……
ややこしいから、もうニコがここの集落の王ってことでよくない?
「はっ? 集落の王? 何をおっしゃっているのですか主様は。主は全てのゴブリンの王ですよ?」
思ったことをニコからフィーナに伝えてもらったら、詰め寄られた。
剣に詰め寄る美少女。
不思議な絵面だ。
ちょっと、面白いかも。
いや、そうじゃなくて。
初耳なんだけど?
「ゴブリンロードを多数抱える我が群れを差し置いて、ゴブリンを代表する群れなんてあるわけないでしょう。我が同胞から各地域に1人2人派遣すれば、すぐにその地方のゴブリンを掌握できますよ?」
あっ、そうなの?
ゴブリンロードってそんなに凄いの?
「色んな人に聞いたけど、ゴブリンキングの率いた群れでも人の街は混乱するかも。キング種とかロード種って、災害級だった」
そうなんだ。
へぇ……
じゃあ、ヒューマンキングとかヒューマンロードとかって。
ああ、亜人と魔物は違うと。
人に属する生物は進化しないけど、魔物は進化するから。
そうなの?
まれに、人でも進化することがある?
あるんじゃん。
本当にまれなケースらしい。
魔物と違って進化の要因が、解明されてないことも合わせて。
ちなみに、俺は結構進化してるけどね。
現在は、『ややあちこち錆びた不思議な鉄かもしれない剣』に進化してる。
なんか進んだり戻ったりしてる感じ。
錆びは完全に取れないのね。
「はぁ……なんか、川の向こうでじいちゃんが手振ってた」
「チッ」
そんな問答をしていたら、ゴートが正気に返ったようだ。
この世界も、彼岸とか此岸とかあるのかな?
「それ、渡っちゃダメな川らしいよ」
「そうなのか? じいちゃん全力でこっちに来いって、おおはしゃぎだったぞ?」
なんだろう。
良いんだから、悪いんだか。
どっちかというと、まだ早いつって追い返される方が美談というか。
「好物めっちゃ用意してくれてたし」
引きずり込もうとしてたのかな?
それとも、ただの孫馬鹿か?
おっさんになっても、孫は可愛いのかな?
まあ、ゴートのことはどうでもいい。
いまは、ゴブリンの支配者問題だ。
俺は……ゴブスチャンたちの主になったつもりはあっても、ゴブリン全部の主になったつもりはないけど?
「そんな……」
フィーナが、凄く驚いた表情をしていた。
「まあ、実質私たちが他のゴブリンを支配すれば、事実上は主が全ゴブリンの王だから問題ない」
その後、自分に言い聞かすようにそんなことを言ってたけど。
っと、とりあえずスキル悪食を発動させておこう。
何食って当たるかわかんねーし。
というか、食料これだけじゃ足りねーよな?
ゴブリンどもの前には、見るからに雑草やどんぐりのような木の実。
ニコやフィーナの前には、木の実や果実、肉に芋虫。
そして子供たちの視線が、ニコ達の前におかれた料理に注がれている。
ふふふ……食べづらそうだな。
フィーナに軽めの威圧を飛ばす。
「【プチスリープネオ】」
「グー」
それを合図に、フィーナがニコに催眠スキルを発動。
効果時間は30分。
「ちょっと、トイレ」
そう言って俺はニコの身体で、森に飛び込んでいく。
全方位気配探知を使って、鹿を発見。
俯瞰の視点で視認。
上空に飛び上がり、空中から風の刃を。
首を切り落としたあとで、木に吊り上げて首の断面に水球を。
同時に腹を裂いて、内臓を……
いや、そのまま集落に。
この間、約3分。
10分で鹿を2匹と、猪を1匹。
集落の広場の中央に吊るす。
解体は、老ゴブリンにお任せで。
「ありえん」
「ジャイアントディアー2匹と、ホーンボアを狩ってきたのですか?」
「この短時間で?」
「トイレとはいったい……」
老ゴブリンたちが、顎が外れるんじゃないかってくらい驚いていたけど。
っと、フィーナにニコを起こしてもらって。
横を見たら、ゴートも顎がはずれそうな表情だ。
馬鹿っぽい。
「アリアの昇進試験の時は、そんな風に見えなかったのに」
ふふ、悩め悩め!
その後、宴会は大盛り上がり。
「食べ物……食べ物はないか?」
変な来客が来るまで。
ヨタヨタとガリガリのゴブリンが、宴会に乱入してきた。
お腹がポッコリ出てて、栄養失調気味なのがよく分かる。
「ゴブート」
「おまえ、どうやってここに!」
「すいません、ニコ様。うちの集落の若いのです」
「食べ物を恵んでやっても?」
老ゴブリンが驚いたあと、心配そうにそのゴブリンを見て、不安そうにこっちを見つめてくる。
「ゴブートお兄さん!」
「どこいってたの?」
「帰ってきたの?」
子供達がそのまま倒れそうになったゴブリンに、まとわりついていく。
振り払う力もないのか、苦々しい笑みを浮かべて膝をついた。
「いいよ、何か柔らかいものから」
ニコがすぐに許可を出すけど、フィーナが表情を険しいものに。
「いまさっき取れたお肉だよ。まだ柔らかいから食べられるだろ」
いきなり、お肉ってヘビーじゃないかな?
とはいえ、本当にお腹が減ってるのだろう。
目の前におかれた生の肉を、両手でもって一生懸命に口に運んでいる。
他のゴブリンもニコもほっとした様子。
「なあ、あのゴブリン大丈夫か?」
「下手くそね。全然敵意が隠れてない」
「外にも何人か潜ませてるところをみると、偵察かしら?」
ゴートとフィーナは、はなっから信用してないみたいだが。
勿論、俺もだ。
俯瞰の視点で、怪しい人影が近付いているのが見えていたし。
「へえ、肉がいっぱいあるのか……貰っていってもいいよな?」
ようやく人心地付けたのか、少し顔色のよくなったゴブリンが立ち上がって周囲を見合わす。
そして、顔を歪ませてギャッギャッと醜い声をあげている。
「ああ、もっとお食べ! たんと食べるんだよ」
「いや、婆ちゃん! そうじゃなくて」
何やらニコニコと笑みを浮かべた老ゴブリンに、そう声を掛けられて焦っていたが。
「これを手土産に、ルトング様のところに戻ったら……きっと、俺出世できると思ってさ! だから、肉全部だせよ!」
「ゴブート! この馬鹿!」
「馬鹿ってなんだ、これでも逆らうのか?」
老婆がゴブートを怒鳴りつけると、ゴブートが一瞬ひるんだがすぐに槍を抜く。
その槍の先には動物の角が使われているのか、さきほど集落の連中が持ってきた尖った木よりは、よっぽど凶悪に見える。
「そうじゃない! あそこにおられる方が分からないのかい?」
「ああん? うっせーな! 誰がいようが、キングには勝てねーよ! 今更、外に出てったゴブリンが戻ったところでな! いいから、食いもん出せよばばあ! おい、ガキども鬱陶しいから近づいてくんな!」
おおう……
なんというか、どチンピラだな。
っと……
周囲の気配が、一気に近づこうとして……凄い勢いで離れていった。
……
「このおバカ! 謝りな! 地面に額をこすりつけて、謝るんだよ!」
「ばあちゃん、やめてくれよ! 痛いよ! すいませんでしたー!」
争うまでもなく、フィーナが思いっきり不機嫌になっただけで……
目の前で地面に頭を埋めて、後頭部をおばあちゃんにグリグリと踏まれているゴブート。
フィーナの威圧で、腰砕けになり。
他のゴブリンは、年寄りから雌ゴブリン子供にいたるまで、必死の形相でゴブートに襲い掛かり。
周囲を取り囲んでいた他のゴブリンとコボルトは、蜘蛛の子を散らすように離れていった。
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