俺の番は噛み跡を消す

ユミグ

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心に触れる

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70日後…………



「ユイ」



「ユイ、起きろ襲うぞ」

「・・・・・ん、ありぇは」

「ああ、起きたか」

「あい、ありぇは」

「毎回思うが、もう少し寝てていいんだぞいつも抱き潰すせいで寝れてないだろ」

「にぇた、おきう」

「無理するなよ」

「ありぇは」

「分かった分かった、飯食うぞ」

「あい」



おれの喋る事は大体理解してきて話せるようにもなってきたが、相変わらず笑わないし表情が変わらない

俺の言う事や、やる事をただ淡々と受け入れてるように見えて、俺のやる事に心を砕いている訳でもなく、俺に関心がある訳でもなくただこの世界に適応する為だけに生きている

そんな態度



抱いてる時と、獣化してる時は表情が少し変わるからついやりすぎる

抱いても抱いても、心が手に入らない気がしてむしろ離れていくような気さえして、もっともっとと渇望する



「ユイ、こっち向け」

「ありぇ、んっ」



ずっと抱いていたい



朝食を食えば俺は書類仕事だ

ユイを連れて来たいが勉強が1番楽しそうにされるとそれも出来ない・・・はぁーーー

最近は諜報に行った奴等の情報が芳かんばしくない・・・

こちらに入り込んでる者が何人か居るみたいだ

ユイのやってる事は正しい、こんな戦時中誰彼構わず心を曝け出していい事なんかない



常に冷静に見極めて行動する、そうそう出来る事じゃない

でも、俺だけにはもういいだろうと思う

というか、俺だけには心を見せて欲しいと思う



出逢った時は驚かれたり恐怖されたりしてたが

なんでもいいから俺に心を砕いて欲しい

怯えでもなんでもいいから知りたい・・・

そんな風に悶々としているから、また抱き潰すんだ





昼食の時間になると、部屋で勉強してるユイを迎えに行く

あいつは母上と同じで庭が好きだと気付いてから昼食はなるべく庭で摂るようにしてる



「ありぇは・・・」

「どうした!?」



部屋の扉を開けると顔を真っ青にして俺の名前を呼ぶユイ

抱きしめるが、少し体を引いて嫌がる素振りをする

なにがあった?



「爺、どうした?」

「それが、分からないのです・・・番について教えておりましたがやはり習性は知っているようで復習のような気持ちで聞いていたんですが、いきなり顔を真っ青にされて」



なんだ?

こんなにも素直に感情を表に出されるのは出逢った時以来で不謹慎だが嬉しくなる

だが、何故拒絶すんだ?



「感情が出た時の会話を教えてくれ」

「・・・はっ!・・・確かアレハンド王子も運命の番に会えて本当に喜ばしいと・・・」

「俺の番だって事に動揺してるのか?」

「・・・・・めんしゃい、ありぇは」

「なんで謝る」

「めんしゃい、ひっ、ひっく、うぇ、ふぅぅぅっっ、めんしゃっ、めんしゃいっ、」

「爺」

「はい、失礼致します」



「ユイ、なんで謝る?どうした?」

「ひっ、ひっ、ひっ、ふぅぅーー・・・うええええええええええん!!!!!」

「お、おいっ」

そのまま大きな声を上げながら泣きだした

抱きしめても、掴もうとせず抱きしめた間で膝を抱えて丸くなって泣き続ける

番の悲痛に心が痛む



「ユイ、泣くな・・・・・頼むから」



そのままあやし続けてたが、疲れて眠りに落ちるまでごめんなさいと繰り返しながら泣き叫んでいた・・・



コンコンコン



「入っていいか?」

「・・・・・・・・・・・・・ぁあ」



寝室に父上と母上が入ってきた



「泣いたと聞いた」

「・・・ああ、俺の番だと聞いて動揺したらしい・・・泣き叫びながらごめんなさいとしか言わない・・・」

「とりあえず、冷やすものを持ってきたの目を冷やしてあげて」

「ああ」

「まだ、なにも分からないのか」

「ああ」

母上が目元を冷やす

ぴくっ

「あら、起こしちゃったかしら」

「・・・・・ん゙」



喉が枯れてる



「ユイ、飲めるか?」



ぼーっとしてるユイにそのまま冷えた水を飲ます



「ユイ、大丈「お前が番として最悪な行動をしたから嫌がっているんじゃないか?」」

「あ゙?」

「誘われたからとはいえ、衰弱するまで抱き潰すなど・・・番の知識はあると爺から聞いた、番がそんな風に「ちあうっっっ!!」」



悲痛な顔で父上の言葉を遮りユイが叫ぶ



「りゅい!ゆいりゅいの!めんしゃいつ!ありぇはりゅうない!!ゆいしゃあく!にゃんっっ、ふぅっっっ・・・ぅぅぅ、あああああああーーー!!!!!!!」



“悪い、ゆいが悪いごめんなさいごめんなさい、アレハンドは悪くないユイ最悪、なんで・・・・”



「!!す、すまないユイ「出てけ!!!!」」



思いっきり父上を威嚇する、殺すぞ、俺の番を泣かせやがって!!!!!

そのまま殺気を最大にして誰も部屋に入らせない



「めんしゃいっ!!めんっしゃっ!ひっくひっく!ふわああああああん!!!」



また泣き叫ぶ、なんでそんな泣く、なんでユイが悪いんだ 



「大丈夫だから、大丈夫、俺が悪いのが駄目ならもう誰も悪くない、誰にも何も言わせない、大丈夫だ」



その後は今までの冷静さが嘘のように泣き叫び謝る事を3日間も続けた・・・・・

俺の顔を見ると罪悪感で泣き続けるユイを見て離れなければずっとこのままだと思うけど離すことが出来ない





✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼✼









「ひっひっ、んくっ、ふぇぇ」

「ユイ、頼むから飯を食ってくれ・・・・・

ユイが死んだら俺はどうしたらいい・・・」



びくっ!

つい泣き言を言ってしまった俺の言葉にまたぽろぽろと涙を流す



「ひっく、ひっく、えりゅ、ふぅぅっ、あーん」



口を開けて食べる意思を見せる



「!!っっ良かった、ちゃんと食え、泣くな頼むから」

「ひぅっっ!うっ、あむっ、」



ゆっくりゆっくり咀嚼して嚥下えんげしていく様に安心した



「ふっ、うっ、うっ、ありぇは、あーん」

「俺もか?俺はあとでで「あーん」」

「あーん」

「ありぇは、めんしゃ・・・」

「謝るな、食え」

こくっこくっ





久しぶりの食事をして、初めてユイの心に触れた・・・・・・

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