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しおりを挟む音のとご飯を食べてから城内を歩く私の横には手を繋いでる音の。
「「「…」」」
一応外では大人しく出来る?アルフからの視線が背中にビシバシと当たっている。
「「「…」」」
リンジーは私の横にいるけど、少しだけ下がってアルフを睨みつけてくれている。でも………
「「「…」」」
あまり効果は発揮しておりません。
「ヒナノ」
「ん?」
「ちゅ」
「あ゙あ゙!?」
「アルフ、今は駄目」
「っっ~!」
完全におちょくられてるアルフ。
ほっぺにちゅーを部屋にいる時にしたらそれはそれはもう、アルフが世界を制するんじゃないかってくらいに怒り狂ったのを見た音のはニヤついて……
それから城内を歩き回ってる間も、ちょこちょこちゅーしたりするから、益々乙女に油を注いで楽しそうにしている音の。
ていうか…もう少し態度どうにかならない?
アルフの態度で気付いちゃうよ…
お願いだから面倒にならないように抑えてくれ………
「氷が海に沈んだよ」
「ふふ」
「頑張るみたい」
どうやら氷のは私が創造した図書館を発見したらしい。
そこでお勉強に勤しんでるのか。
「音は眠いってー」
「ふふ」
音のはお勉強が嫌いみたい。
それでもいいよ。
毎日を楽しむ方法はそれぞれだ。
「あ、今なら遊べる」
「うん?」
私の横にいた音のが消えた。
どこかに遊びに行ったんだなー。なんて思ってた所に、廊下の角から出て来た公爵と目が合った瞬間なるほどな。と、音のが向かった先を理解した。
「こんにちは」
「ああ」
公爵がいると加護をあげた公爵の伴侶と居られないんだろうね。
邪魔者扱いされそうだもん。
「……精霊と一緒では?」
「遊びに行きました」
「…」
「…」
うん、君の考えてる通りだと思うなぁ?
どの精霊までかは知らないだろうけど、合ってるよー。音のだよー。多分、今は伴侶と遊んでるよー。
「失礼」
「はい」
どうやら仕事を早めに終わらせるか帰るらしい公爵を見送ってから、リンジーと手を繋いで城内歩きの再開です。
今日、歩いている場所ではあまり人と会わない。
今までならたくさんの人と会ったりしてたけど、バーナビーの近くに来れる人もまた一握りなんだろう。
ここらへんは王城でも入って来られる人は僅かなのか。
「そうだった、コーニーの花は?」
「仕舞ってあるよ」
「部屋に戻ったら飾りたい」
「分かった」
コーニーは怒られただろうなぁ。
綺麗に咲いた花々はじーさんが大切に育ててるって言ってた。
その花をブチブチと千切ったんだろう根本は悲惨だったなぁ。
ふふ、可愛い。
「ここが王様の執務室」
「はあい」
そうだった。乙女襲来で忘れてたけど、バーナビー達と会えるんだ。
恭しく中に入るリンジーに連れられて部屋に足を踏み入れると……淫魔避けの魔法陣があるな。うん、これくらいなら入って来れる淫魔もいるよー。
「バーナビー!ルーシャン!会いたかった!」
「私もだ、外せ」
「「「「「はっ!」」」」
どうやら護衛を出してまで話があるらしいバーナビーはリンジーとアルフは外さないらしい……
「ルーシャン、遊んでくれる?」
「もう少しで時間が出来る」
「うん」
「予想以上に早く暇になる」
「はあい」
公爵が動いてるからねぇ。
良きかな。良きかな。
ソファに座るとバーナビーとルーシャンも寛いで、リンジーの出した紅茶に口をつける。
「伴侶は必要ないと聞いたが本当か?」
「本当」
「そうか…」
どうしてバーナビーが悲しむのかな?
嫌な予感しかしないな?
「運命がいてもか?」
「私の国ではおとぎ話のような出来事だったけど、ここでは違うの?」
「珍しくはあるが…バーナビーは私の運命だからな。出会う事もある」
そうだろうな!
ルーシャンに話があるよ!
何をアルフに言ったのか、一から説明してくれないかな!?
「伴侶要らない」
「「「「…」」」」
「運命だとしても私には分からない」
「運命だと言われたら?」
「今の私は気持ちに答えられない」
「「「「…」」」」
はん!
惚れただの、運命だの言われてもお断りだね!
伴侶が死ぬなんて事実、今の私に耐えられる訳がない!
無理!!!
「どうしてか言えるか?」
「なにが?」
「そこまで拒絶する事柄もヒナノはないだろ?」
確かに……
この国に来てから街歩き中の籠に乗る以外、嫌だって言った事ってあったっけ?
うーん。なんて理由がいいかなぁ?
「伴侶とか運命って面倒臭そう」
「「面倒?」」
「遊んだり出来なくなりそうだから?」
「ん?」
「あの人と夜過ごしたいなーって…」
「あ゙あ゙!?」
「「「「…」」」」
「思っててもこんな風に言われるような相手を作りたくないからかな?」
「「「「…」」」」
「性には奔放な国だったからとっかえひっかえも当たり前で」
「あ゙!?」
「うん、こういう反応がやだ」
「「「「…」」」」
ていう事にしました!今!
「軽く付き合うが出来そうにない国だから、特定の相手を作る=遊べなくなる。という常識が私には理解出来ないかな?」
「「「「…」」」」
「みんな相手がいても体の関係は別に…」
「駄目に決まってんだろ!?」
「うん。という訳で伴侶も運命もいりません」
「「「「…」」」」
運命には寛大だ。
ルーシャンは特に分かるんだろう。
アルフの気持ちが。
どうにかしてあげたいと思う気持ちもあるのは見てて分かる。
私だって幸せになって欲しい。
だけどそれは私を省いて幸せになって欲しいのだ。
「ぜっってぇに許さねぇ!」
「だから許すもなにも始まってすらないじゃん!」
「だから惚れろって言ってんだろ!?」
「馬鹿じゃないの!?惚れろと言われて惚れる馬鹿がどこに居るのよ!?」
「デートするか?」
「する訳ねぇだろ阿呆!」
「諦めろ!」
「お前が諦めろ!」
「無理だ!」
「私も無理!」
「落ち着け……」
バーナビーが言うとアルフは落ち着くのか!
「バーナビー!アルフが馬鹿だ!」
「みたいだな…」
言ってやってよ!もう少し落ち着くか諦めろって!
ていうかそんなアプローチなしだろ!?
私の運命は馬鹿だ!
「……ふむ」
「!」
何を考えた!?ルーシャン今なに考えたの!?
ふむ…ってなに!?
「似合いだ」
「そうでしょう」
「はあああああっっ!?そんな訳ないでしょ!?ルーシャン!この馬鹿を好きになる奴は炎のくらいよ!」
「あん?」
「ふっ、いいんじゃないか?」
「なにが!?一体なにがいいの!?」
ルーシャンは運命馬鹿なの!?
運命の事になると途端に頭がぽやぽやーってするの!?
「馬鹿なフリをしてた方がヒナノは気が楽なんだと、その方がいいんだと思ってたが……アルフには素直になれるならその方がいい」
「………は?」
い、一体いつ、どこで、私の馬鹿なフリがバレて……
強いなって室内庭園で言われた時から!?
やっぱり参考にどんなところがおかしかったか教えて!
「馬鹿なフリ?」
「お前の座なんて簡単に奪える」
「そうか?こんなに可愛い子がか?」
「はぁ…バーナビーはヒナノの事になると盲目だな」
なにその、“そんなところも可愛いね”みたいな甘々な空気出してるの?
「瞬時に物事を把握し的確に人を動かす、それも相手は動かされてるとも思っていない。盤上の遊びに強く、駒を動かす度に内面を暴かれているような気持ちになる」
「…」
「ヒナノは賢い子か!」
うん、バーナビーの天然が今ここで発揮しなくてもいいよ。
「ヒナノは所作も綺麗ですよ」
「そうだな」
「本を読んでる時は無意識に口調が変わるんです、気付いてないみたいですが」
気付いてなかった!
所作!そうだった!行動1つ1つも粗がないといけないんだったよ!
「神様相手にも、精霊相手にも、立場など関係ないと、横に座り、遊ぶ姿勢は真似出来る事でもありません、ね?ヒナノ」
「…」
なんだろう?
ヒナノちゃんを暴こうの会かなにかかな?
「ふむ……それならヒナノが好む姿で居ればいい」
「バーナビー…!」
「天使様ではなく、ヒナノ自身が幸せになって欲しいからな」
「バーナビー大好き!」
「ははっ!」
「ついでにお願い事してもいーい?」
「なんでも言いなさい」
「落ち着いたらアルフを外して、二度と視界に入れないようにしてくれる♡?」
「「「「…」」」」
「アルフは嫌いでも好きでもないけど、鬱陶しくて仕方がないの♡」
「「「「…」」」」
「んふ♡」
「「「「…」」」」
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