化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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森の中、少し茂っているくらいの場所に薬屋の看板がある。
そして手前に立っている私でも分かる事がある、というか私だからこそ分かる匂いと魔力は………エロエロしていて、とても柔らかな雰囲気の魔力が家から漂ってきている。
これのどこが手籠め?
よく分からないなぁ?と思いながら扉を叩く。
うん、出て来ないのは知ってた。

ドンドンドン…!

出て来るまで叩き続けていようかな?と扉を叩く力をどんどん強くしていったら…

「ありゃ」

壊れちゃった…
ごめんなさいしてから元通りにして、また叩き出そうとしたら、エロエロな雰囲気が少し収まっているのに気付く。
ちなみに寝室に戻るのを頑なに拒絶されたから吹っ飛ばしてきた。
アルフにはもう力で対抗するしかない!
「そこまで弱く見せてたのかよ!」
なんて喚いてたけど、なんだか物凄く面白いオモチャを見つけたみたいな表情してたな。
何故だ……
いいじゃん、夜まで部屋に居たでしょ。

「なんだ?」

扉から出て来たのは竜人だった。

ふん?

うーん…

「淫魔ならお断りだ」
「あ、天使です」
「は?」

中にいる魔人の魔力量は…この子より上。
まぁ、そうなる事も多々ある。
竜人は魔人より魔力量が多い、というか種族の中では1番強く、寿命も長い。

「アルフの事について聞きに来ました」
「………入りなさい」

竜人には竜体にならなくとも体の一部に鱗があるのが特徴だ。
そして、飛び出ている鱗を相手に飲ます事で運命や、1人の相手として生涯愛する事を決めた者へ飲ます。
獣人なら毒のある牙を出して、生涯の相手へと注ぐと、運命が現れても分からなくなり、その者以外を愛する事はない。

「呼んでくるから待っていなさい」
「はい」

居間だろう場所に座った私はおもてなしの準備をしてきたから食事とお酒を取り出しておく。
そうそう。そして、鱗を飲まされた相手の寿命が伸び、魔力量が体内の保有量を満たされていない場合増える事がある。
魔人という種族は元から魔力量が高い者が多い、そして飲まされた鱗によって増えた魔力量は…

「こんばんは」
「あ、ああ」
「天使です。一応アルフの運命です」

出会った時には敵わなかった相手でも、敵う事が出来る。
そして、連れられてきた魔人は竜人を嫌悪していない。
私を見て素直に息子の運命として接し、喜び、竜人と幸せを分かち合っている。

「良ければ食べて飲んで下さい」
「ありがとな」
「1人かい?」

アルフは乙女だ。
きちんと聞いた訳ではないから憶測になるけれど、多分、喘ぎ声や、雄叫びを上げるような快楽があるのを知らない。

「内緒で来ました、出来れば内緒にしておいて欲しいです」
「なんっ、だ、大丈夫か?」
「怪我はしてないかい?」

特殊性癖と呼ばれている持ち主たちなのかもしれないなぁ。

「アルフがあなた達を誤解しています。魔人が無理矢理手籠めにされ、今でも囚われていると…だから家に近付きたくないと、運命を毛嫌いしていましたが…心当たりは?」
「なっ…!?っっ、お前がなにか吹き込んだんじゃねぇのか!?」
「そんな事はしない!可愛い我が子だ!」

面白いなこの二人。
魔人が手籠め…と思われているんだからどう見たって受けだ。私もそういう印象を受けているけれど、力関係は魔人が上。
これのなにをどう見たら嫌がっているように見えるんだ?自分から囲われにきていると思うんだけど…

「なんでそんな勘違いを…」
「多分…ですけど、恐らくアルフは性的な事に疎く、露出や苦しい快楽があるのを知りません」
「っっ~!お前が!お前が変な事ばっかりするからだろ!?」
「ぐっ…!」

魔人が顔を赤らめながら言うけど…君も大概じゃないかな?思い出しただけで興奮しちゃったの?可愛いね。

「日常でも嫌がっていると聞きました。心当たりは?」
「こいつは鬱陶しい!どこに行くにもうろちょろと引っ付いてきやがるんだ!」

ああ…ね。
アルフっていちゃいちゃする事だけが愛の形だと思ってるのかな?
ツンデレの良さを理解していないとは…!

なんてもったいないんだ!

「アルフは心に深い傷を負っています」
「「…」」
「あの子の感性も関係してきますが…誤解だと伝える気はありませんか?」
「今すぐ行くぞ」
「あ、ああ…もちろんだ」

どうやら近いらしい…
実家から離れた…というか、実家にいたいけど不仲を見たくない…でも側にいたい…みたいな感じ?

………

ちょっと可愛いな…とか思っちゃったじゃねぇか!

「あの…」
「うん?」
「どうした」
「アルフはいつまでもぎゅぅをしてちゅーをするのが仲良しだと思ってるので、出来れば、その、説明もしっかりとして頂けると…より良く理解してもらえるかと…」
「なんっ!?」
「任せてくれ!」

竜人はツンデレの良さを最大限に理解しているのか、嬉々として私の言葉を受け取ったから、まぁ、大丈夫か。と思いながら、ご飯を仕舞ってお酒だけは残して部屋に戻った。

美味しい物でも狩ってこよー。



*********************************



チリチリチリチリ………チリチリチリチリ……

鬱陶しい…
リンジーに渡した石は私を起こす為でもある。
あちらから魔力を流せばピアスから電流が走る仕組みになっているのだ。
これで私に用がある時は呼んで?と伝えてあるから、呼び出しだと分かるけど…

チリチリチリチリ……

アルフに渡しただろ!そうだよね!運命探しに行くんだもんね!?いってらっしゃい!?気をつけてね!?
さっきの今なら両親の事しかないだろ!
バラしたな!ちくしょう!
一応不可視化をしてから部屋に戻ると、アルフだけだったので、解いた。

「なに?」
「おまっ!?どこまで弱く見せてんだ!?つぅか、寝室にいねぇな!?」
「用がないなら失礼しまー」
「待て!」

私を抱き上げて…ミシミシ……うん、その力じゃ折れるからリヴァイアサンの力を出しておくね?硬化の力があるからね。

「ありがとな」

ソファに倒すな。事後かよ。

「………良かった」

そりゃそうだろう、両親が仲良しでいて欲しいなら話を聞いたアルフには良き出来事なんだろうよ。
だが、それとこれとは別だ。
何故、抱きしめる…

そして…

「すー…すー…」

寝るなよ!?ここで寝るな!
くそ!くそ!
私の馬鹿!!!

「すー…すー…」

はぁ…まぁ、憂いはない方がいい。
運命がいい子なら幸せになって欲しいとも思ってはいるんだよ。
今、私を抱きしめて安心しながら寝ているアルフを突き放す事も出来ない。
こういうフラフラしてる奴が1番嫌いなのに、そういう奴になってるなぁ。と思う。
気のない相手にこんな事、許しちゃいけないんだよ。

「はぁー…」
「すー…すー…」
「ぐえっ…!」
「すー…すー…」

君…力が強すぎるよ…私が人間だったら折れてるよ!?

本当に…

困ったなぁ…
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