化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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「大丈夫?」
「大丈夫ですか?お顔が真っ赤です」

あうあうと言いながら、寝てはすぐに目が覚めて、またぐるぐると考え事しながら眠っては悪夢を見ては起きてしまう日々が10日、続いております。

「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃねぇんだよ」

熱が出てるだけだ。
死にもしなければ痛みもない。
体に多少の不調はあるけれど、死を研究し続けていた時の方がよっぽど肉体にも精神にもダメージがあった。
何千年も呪いを受けてたり、魂を傷付けたり、色々と………
なんか自傷行為みたいだな、今思うと。
うん、まぁ、そんな訳で私は元気寄りなのに乙女が毎日煩い。
大木に寄りかかれないし、遊びに出かけるな。なんて言うし、ベッドに横になっておけとか言うし、頭空っぽにしたいのに終いには本を読んでたら奪い取られるし!
こんな煩い毎日を送るより、さっさと熱を下げたいのに………
ぐるぐるぐるぐる………
“何故伴侶にならないのか”
こんな言葉が頭の中でいっぱいなのだ。

「わっ!あ、熱いですよ!」
「うん、可愛いねぇ」
「はえっ!?そ、そんな事はないです!」
「気楽に話してねー?リンジーもこんなんだしー」
「こんなんってなにかな?ヒナノ?」
「わー、リンジーのお世話大好きー」
「もう、しょうがないなぁ」

パタパタと支度をしてくれる2人は、念入りに髪を結い化粧を施してくれている。
どうやら話を聞きたいらしい。
各国の王が。
私に。
ほらね?あのー、アルフが傷付いた時って各国の王が居たでしょ?運命を傷付けたのは誰?なんて、思わず雷落としながら言っちゃったでしょ?そしたら当然、私が弱いなんて思わないよねー?それでこの間、リヴァが出現し、世界を覆う魔法陣があった、というか、そうしたでしょ?魔法陣にすら近付けず私達の姿も見れなくしていたからね?リヴァはキラキラーって消えたように見えたみたいでね?まぁ、その、なんでなの?って聞かれるみたい♡お前がやったんじゃね?って聞かれるみたいです。

「王様が話してくれるから」
「うん、黙っておくね」
「そうしておいて」
「はあい」

大人しくしておきます。
強さで目立ちたくないのだ。
あくまでバーナビーが主役だと、今代において大切な事柄はバーナビーだけだと思っておいて欲しい。

「わっ!凄いです……かっこいいですね!」
「あん?」
「「…」」

アルフが私の服を一瞬で着替えさせたらそんな事を言うリンジーの運命、ベイル。
可愛いと愛おしいと嫉妬がごちゃごちゃしてるリンジーは気苦労が多そうだ。

「子ども望んでるんだよね?」
「うん………」
「子どもっていいよね」
「………」

もうベイルは囲ってしまったらいいんじゃないかな!?と、リンジーになんとなくお節介を焼いてみました。

「その…ヒナノにはどう見える?」
「危険」
「………やっぱり?」
「危険すぎる、あんなに無防備じゃ……危ないな!?」
「俺の運命でなに想像してるの!?」
「ごめんね!?でも、あ、危ないぞ!?」
「分かってるよ!」
「「?」」

ほわわーんとしてて、でも色気があって、ついつい振り返ってしまうような儚げ美人。
それだけでも充分なのに……

「どうしました?」
「「…」」

ぽかん?としてるベイルは生粋の天然…!
城で勤めれば少しは養殖も混じるかと思ってたけど……

「リンジー?」
「「危険だ!!!」」
「「?」」

言い方は悪いけど…!人様のご家庭に首を突っ込むもんじゃないけど!リンジーもベイルも早く子どもが欲しいとは言っているし、子だくさんがいいね♡なんて話も聞いてるから……

もう孕ましちゃおう!

家でぬくぬくと囲われていて欲しい!
その為に出来る事があればなんでもするから!ね?

「行くぞ」
「はあい」

あとで出来る事がないか聞こう。うん。



*********************************



「知らんな」
「別に罪を説いている訳ではない、手がかりがあるのなら教えを請いたいだけだ」

バーナビーは相変わらずかっこいいね!
堂々とした佇まい、そしてバーナビーを支えるルーシャンの鋭い視線………お似合いだ!

「天使様はご存知ではないのですか?」
「そもそも天使様をこのような場に呼び立てる事が間違いだ」

そうだそうだー!

「あまりに出来すぎている」
「私にも分からない事をこのように問われれば、まるで罰されている気分になる」

のらりくらりと躱していくのはバーナビー!
さあ!どうなる!?

「おい」
「なによ」
「冷やしとけ」
「ええ?」
「冷やせ」
「うい」

アルフはいつも通り斜めだ。
氷をポロポロと出した後、ハンカチに包んで私のおでこに当てる。
うん、いいんだけどね。もう少し簡単で溶けない魔法陣があるのアルフも知ってるよね?というか、そうしてたよね?あれかな?目立つようにわざとしてるのかな?もう片方の手で首を触らなくても大丈夫だよ?どうせ熱があるのは変わってないからね?早く帰らせたいの?体調が悪い天使様を見て欲しいのかな?でも……そうだねぇ……。

アルフの大きな手は安心するから、こんな所でも力が抜けちゃうなぁ………

「天使……さ………」

へ?

声を詰まらせたどこかの王が気になったらしく、一斉にこちらを向いた後、ぶわっとあちこちから興奮が………

「…アルフ」
「出るぞ」

どうやら淫魔的に興奮させてしまった?多分、少しだけだから大丈夫だとは思うけど、アルフが嫉妬で部屋中を魔力で覆いながら私を抱き上げて天使様の部屋に転移した。

「なにしちゃった?」
「………なにもしてねぇよ」

ベッドに落とされて顔を見られ………うん、アルフも興奮してるね。遮断するね?もう心がいっぱいいっぱいだ。

「でも」
「エロエロだな」
「は?」
「顔がエロエロすぎてる、抑えろ」
「………子どもだよ?」
「お前の顔やべぇ」
「…」

その言い方はどうなんだろうと思うけど、淫魔的に誘惑していなくて良かったよ………
また、淫魔疑惑が再来しちゃうところだったね。
顔がエロエロしてたから興奮しちゃってたの?そう…かも?興奮は感じ取れたけど、本当に少しずつだったから………

「ええ?」
「寝れねぇのか?」
「すぐ起きちゃう」
「お前に効く睡眠の香か薬はねぇのかよ」
「効くと思えば効く……のかなぁ?」
「はぁ………いい」
「ん?」
「伴侶になるのは保留にしろ」
「充分保留にしてる」
「いい、気にすんな」
「うーん………」
「今はいい、先に熱を下げろ。そっちのが気に食わねぇんだよ」
「はあい」

どうやら私の顔がエロエロしてるらしく、相当にむかむかしてるアルフ。
今までは熱があってもどこか嬉しそうだったのに、まぁ…その、アルフの伴侶になる為にぐるぐるしてるんだから嬉しいんだろうけど、そんな嬉しさよりもエロエロ顔を晒したくない方が上回っているらしく、なにも考えるんじゃねぇよ。と言うように、アルフの大きな手が私のおでこと瞼を覆うように落ちてきて………ストンと意識も落ちた。

















「バーナビー!」
「は、はい!」
「困っていた!」
「は、はい?」
「手を貸したのだ!」
「は、はい…」
「助かったか!」
「は………はい!それはもう…!」
「これで遊べるな!まだ駄目か!………いいのか!」
「………」

どんどんと熱が下がっていく私はクロノスに頼んでいた事をバーナビーに伝えるのを忘れていたのを思い出した。
アレスが現れて、アレスがリヴァを撃退した事にする為に一芝居売っておいてー。なんてお願いしてたのをすっかり忘れていた私はすぴすぴと、心ゆくまで眠ってしまってました。んふ♡
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