兄と異世界と私

ひさまま

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第一章

商売!商売!

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 色々考えて、食べ物を売ることにした。

 それが一番無難な気がする。目をつけられても、それならすぐにやめられるし。地域への顔繋ぎも良い。

 兄と一緒に考えて、串肉を売ることにした。肉が売りやすいんだよ。この世界のお肉と串が使えるので、ネットスーパーは調味料だけで良いし、串のまま渡せる。

 シチューとか売って見たかったけど、器やスプーンがいるしね。

 串に肉を刺し、生活魔法で熱湯を作りボイルする。生焼けや食中毒を予防のためにしかたない。

 それを、コンロで焼く。味付けは、バーベキューソース。シンプルに塩胡椒が好きだけど、出どこらを聞かれたら困る。貴族や商人に胡椒寄越せとか絡まれるのも嫌だ。

 バーベキューソースなら、秘密で通せるし大丈夫。何入ってるか見た目でわからないし、味を調べようとしてもフルーツぐらいはわかるかもしれない。フルーツなら、市場に溢れているし。

 市場で、肉串が銅貨6枚ほどで売られているのが多かったので、強気の8枚で売ってみた。同じ値段で売ると、既存の商品が売れなくなるからね。

 初日は売れなくて、認知されつつ売り上げを伸ばす予定だった。

 兄が友達?になった冒険者に銅貨8枚って看板に書いてもらったので、初めは遠巻きにされるまでもなく何の興味も持ってなかった。

 肉を温めて、バーベキューソースをつけて焼き始めたら風下の方にいる人が一斉に振り向いてびっくりした。

 疲れた。マジ疲れた。焼いても終わらない永久機関のようだった。並ばれると、焼かないとって焦るし。最後の方は、売り切れですって言っても列が解散しなかった。

 仕込んでいた500本あっという間に売り切った。大きめのコンロ用意してたけど全然足りない。もう2つほど欲しいけど、1人では焼くのが無理。

 うだうだ考えていると兄が帰ってきた。オークを仕留めたそう。明日になれば肉が受け取れるから、屋台で売るように言われた。

 うん。ありがたいよ。でも、疲れた。明日の仕込みもしなきゃだし。明日の分の肉は買っているけど、串に刺さなくちゃ。ボイルしなくちゃ。スヤァ~。


 朝、起きる。昨日仕込みをせずに寝てしまったので、手を洗いクリーンをかけて仕込んでいく。仕込んだ串肉は、ボイルしたらそのままマジックバックへ。

 もう、マジックバックじゃなくて、肉バックだなこれ。
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