社畜は続くよどこまでも

ひさまま

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社畜はどこまで行っても社畜

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 田舎の福祉業界に入った。

 給料は安く、常に人手不足。あ、最近国からなんたら手当が付き出した。数千円あがった。

 でも、圧倒的な人手不足。6勤の後に1日休んで夜勤6勤なんてざら。深夜手当なんて微々たる物。しかも、休みが行事に重なると、ボランティアという名のお仕事が待っている。

 社畜なんて言葉は、都会の会社だけのイメージだったけど、こんな田舎にもあるなんて。

 そんな、日々魂をゴリゴリ削られている私だけど、趣味があった。

 ハンドメイド。昔から手芸が好きで、色々なものに手を出した。マスコット作りに始まり、ビーズ細工。フェルト羊毛。つまみ細工。気になるものに手を出すので学生の頃はカツカツだった。道具とか特殊な物もあるし、素材もいい物は高い。

 今は社会人で買えるけど、時間がない。寝る前に大手手芸店のページを見て衝動買いしては、休日に一気に作り上げるスタイル。

 アクセサリー系は基本、自分で使ったり手芸仲間にネットで売ってもらう。カバンや財布などは、親戚のおばちゃんにあげたりする。たまに、お小遣いをくれるので材料費になってたりする。

 そんな私がやってきました異世界。

 いつものように、寝て起きたら異世界でした。

 神様?説明?

 全くなし。手荷物もなし。言葉も通じない。

 いきなり攫われて、どうも奴隷にされたらしい。やばたにえん。エロフラグが?と思ったら、普通の商人?の家で奥様らしき人の手伝いをしている。

 食事は、口に合わないし、竈門使えないので掃除要員。家や店の掃除をしたり、売り物を磨いたり。

 ある時、入荷した刺繍糸をうっとり見ていたら、なんの気まぐれか主人が布と針と燻んだ茶色の糸をくれた。売り物なのに。普段はあり得ない。

 でも、一色なので模様を刺す。ダイヤ柄を並べ、継ぎ目は花の形にする。色がもっとあれば、ダイヤの中に花や動植物を入れるのにと思っていると、出来上がったそれを奥様が見て、主人に何かいっている。

 うん、想像つくかと思うけど、それから色んな刺繍糸と布が運ばれて毎日刺繍している。

 ハンカチに、図案や文字?を描いた物。毎日14時間ぐらい刺している。最近は、中学生ぐらいの女の子もちくちくしている。手元がおぼつかないので、たまに教えてあげている。

 うん、異世界に来ても社畜は社畜だった。

 ここには、休日なんてないし、なんなら給料もない。奴隷っぽいし。14時間労働だし。

 でも、好きな手芸ができている。中学生ぐらいの女の子は、私の刺繍をみてキラキラした笑顔を見せてくれるし、ご主人もなんかやさしい。多分、お金になるからだろうけど。

 奴隷の首輪とかないけど、なんとなくここに住んでいても良いかなと思っている。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
主人公実は奴隷ではありません。
移民と思われて、街に連れられて来て、ボランティアで商人が小間使いとして雇ってくれています。小間使いは本当は、ご飯を食べさせるだけで良いのですが、刺繍ができるので、今は職人扱い。給料も出ています。主人公が言葉がわからないので騙されてはかわいそうとためてくれています。みんなが優しい世界。
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