95 / 197
〜第4章〜
91.『後輩の気持ち』
しおりを挟むみつれのおかえり会は無事(?)終了し、
4人はふたつに別れて解散した。
ハナに引っ張られながら歩いて行くしおん。
しお「ちょっと!ハナさん!どこ行くんですか!?」
しばらく歩くとハナは立ち止まった。
ハナ「・・・しおん君。ちょっとつきおうてや。」
ハナはしおんに背を向けたまましおんに言った。
しお「それは構わないですけど…どうしたんです?」
しおんはハナの様子が少し変なのに気づく。
ハナ「・・・少しお腹空かへん?しおん君あんま食べてへんかったやろ?」
ハナは笑顔で振り向いた。
しお「え、えぇ、まぁ。」
ハナ「じゃあ行こうや!」
ハナはしおんを連れてこじんまりとした焼き肉屋に入って行った。
ハナ「遠慮はいらへんよ!好きなだけ食べや!」
ハナは肉を焼いていく。
しお「あ、ありがとうございます。」
ハナ「さっきはなんやえらい気ぃ使ってたなぁしおん君。あぁいうのは苦手なん?」
しお「苦手…ていうか…」
ハナ「まぁ酒飲まれへんからおもろないよなぁ。オマケに酔っ払いには絡まれるし!」
ハナは明るく笑った。
ハナ「けどリン先輩もよかったなぁ…両想いやんかぁ。」
しお「・・・」
しおんは少し神妙な顔をした。
ハナ「どないしたん?」
しお「多分リンさんはまだしこりが残ってると思います。みつれさんも。」
ハナ「しこり?」
しお「テロリストだったスイのことです。」
みつれが最終的には愛してしまった女 スイ。
しおんはそれが気掛かりだった。
ハナ「・・・話には聞ぃてんで。リン先輩を銃で撃ち抜いたヤツやろ?」
しお「そうです。ただみつれさんは本当にスイのことを乗り越えれているのか……」
ハナ「・・・別にええんちゃうん?」
しお「え?」
しおんは思ってもいなかった返答に驚いた。
ハナ「・・・ウチ的にはそのほうが……」
しお「どういう意味ですか?」
しおんはハナに質問した。
ハナ「ウチな…リン先輩のこと好きやねん。」
しお「・・・そういうことだったんですね。」
しおんはハナの心情を察した。
スイの存在が2人を結びつかせないままでいることが、ハナにとってはそのほうがいいとしおんは感じた。
ハナ「もちろん、リン先輩はみつれさんが大好きやから叶わへん恋やのはわかってる。ほんまつらいわァ…」
ハナはため息をつきながら焼けていく肉をじっと見つめていた。
しおんは返す言葉がみつからなかった。
少し困ったしおんに気付いてハナは明るく振る舞う。
ハナ「ごめんごめん!辛気臭くなってしもたな!ほれ、焼けたで!食べてやァ!」
ハナは焼けた肉をしおんの皿に移した。
しお「ありがとうございます。いただきます。」
しおんは焼き肉を口にいれた。
しお「んッ!美味しい!」
ハナ「そうやろ!?ここの焼き肉屋めっちゃ美味しいねん!…ちょっと高いけどな。」
ハナは最後だけコソッと言った。
ハナ「どうせ向こうも二次会でよろしくやってるやろし、こっちも二次会で楽しもうや!ちょっとお酒飲んでもいい?」
しお「いいですよ。僕に構わず飲んでください。いつもお世話になってるし。」
ハナ「ほんまええ子やなぁしおん君!よし!おっちゃん!!生ビールちょーだい!!!」
ハナは元気よく注文した。
その後、2人は楽しく飲み食いした。
ハナ「せやからなぁ…リン先輩はぁ…ダメやねん…ウチが守ったらんとぉ……」
ハナは酔っ払っていた。
しお「ハナさん強いですもんね。」
しおんは相づちをうつ。
しかし何故か嫌な気分では無かった。
ハナ「ウチなんか強ないよォ…弱い人間や。」
普段は明るくてポジティブなハナだが、酔っぱらうと少しネガティブになるようだ。
しお「ハナさんには稽古つけてもらって本当に助かってます。ありがとうございます。」
ハナ「なんや改まってぇ~ウチなんかがチカラになれてこっちこそありがとうやわァ。」
ハナはケラケラと笑う。
ハナ「けどしおん君、結構逞しくなったなァ。1ヶ月前とはえらい違いや。」
しお「そ、そうですか?ありがとうございます///」
ハナ「けどリン先輩から頼まれた時は驚いたでぇ。身体を鍛えたいから稽古つけてぇゆうてひょろひょろの男の子連れてぇ。」
ハナはニカッとしおんに笑顔をむけた。
ハナ「それがこう逞しくなってくれたのは素直に嬉しいわァ。」
しお「色々ありましたからね…このままじゃダメだと思ったんです。」
ハナ「けど、危ないことはアカンで?危ないことはお姉さんたちに任せなさい!ゲホゲホ!」
ハナは胸を叩きむせかえる。
しお「・・・ありがとうございます。」
その後も2人は満足いくまで飲み食いした。
ハナ「ふぇえ…の、飲み過ぎた……」
勘定を済ませ、ふらふらと店を出るハナ。
しお「ご馳走様でしたハナさん。すみません奢ってもらって…」
ハナ「大丈夫やでェ~また行こなぁ!おっとっと…」
よろけるハナをしおんは支えた。
しお「大丈夫ですか!?ハナさん飲み過ぎですよ。」
ハナ「あかんな……大の大人が…まっすぐ家帰られへんわ……」
しお「しっかりしてください。家まで送りますよ。」
ハナ「ほんまええ子やなァ……あッ……終電間に合わんやん……」
ハナはスマホで時間を確認した。
ハナ「やっぱウチあかんわぁ……しおん君困らせてもうてるし……どうしよ……」
しお「僕は構わないですよ。どうせみつれさんは今日帰って来ないだろうし。タクシー呼びますか?」
ハナ「いや…ウチタクシー嫌いやねん…なんか運転荒いやん?酔ってまうねん……まぁもう酒には酔ってるけどな!アハハッ」
ハナはケラケラ笑った。
しお「じゃあどこかで休みましょう。」
ハナ「お、誘ってんのかいな…やるなぁ…」
ハナはニヤニヤとしおんを見つめる。
しお「そ、そういう意味じゃないですよ!何言ってんですか!」
ハナ「・・・じゃあお互いなにもシないって条件で……行く?」
ハナはピンクのネオンが光る建物を指さした。
しお「・・・仕方ないですね…。行きましょう。」
2人は建物へと入って行った。。。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる