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〜第4章〜
114.『拉致』
しおりを挟む作戦失敗から翌朝。
みつれとリンはハナの救助作業をしていた。
昨夜のレスキュー隊と消防隊も現れ、救助活動が行なわれた。
数時間にかけて瓦礫の撤去作業が行なわれたがハナの姿は無かった。
リン「ハナちゃん……どこにいるの……」
みつれとリンが捜索しているとみつれのスマホが鳴った。
みつ「しおんからだ……。もしもし。」
しお「みつれさん。ハナさんは見つかった!?」
みつ「いや、まだだ。瓦礫は全て撤去したがどこにも居ない。」
みつれは今の状況を説明した。
しお「僕のせいだ……。僕があの時、ハナさんと一緒に逃げれば……」
しおんは自分を責めていた。
みつ「お前のせいでは無い。……お前のほうはどうだ?」
しお「僕は大丈夫だよ。けどまたしばらく動けそうに無い…」
みつ「昨日あれだけ動けたのが奇跡なくらいだ。今はゆっくり休んでおけ。」
しお「ありがとう……。ちょっと今思ったんだけど…いいかな。」
しおんはあることが頭をよぎった。
みつ「どうした?言ってみろ。」
しお「いや……。もしかしたらハナさんはシロサキに拉致されたんじゃないかな……」
みつ「・・・残念だがありえるな。これだけ捜しても居ないんだ。…リンにも伝えてみるよ。」
しお「わかった。また進展あったら連絡して。」
しおんは電話を切った。
みつ「((シロサキがハナを拉致………。リンも一度シロサキに拉致されたんだ。可能性は十分ある。))」
みつれは拉致の線をリンに話した。
リン「・・・確かにこれだけ捜してもいないってことは……」
リンは青ざめていた。
みつ「どうする?一度切りあげて戻るか?」
リン「・・・そうしよう。ここはレスキュー隊に任せよう。もしそれが本当だったらハナちゃんの命が危ない。」
2人は現場を後にし、署に戻った。
その道中、ラジオで2人は恐れていたニュースを耳にした。
『防衛省 防衛大臣が辞任を発表しました。昨晩ネットに流れたテロリストによる脅迫動画が原因とみています。』
みつ「なんだと!?」
リン「くそ……」
リンはスピードをあげ、署に急いだ。
署に戻ると捜査本部は騒然としていた。
リン「みっちゃん、ごめんだけどここからは……」
みつ「わかってる。行ってくれ。私はしおんのところに行く。」
リン「わかった。じゃあまたね。」
リンは捜査本部の会議室に入っていった。
みつれはしおんの居る病院へ向かった。
病院へむかう道中、カエデと出くわす。
みつ「カエデさん…」
カエデでみつれに会釈をする。
カエデの目元は泣いた後なのか真っ赤になっていた。
2人は病院へ歩いた。
カエ「・・・ニュースみました。…これからどうなるんですか?ケイ君は助かるんですか?」
みつ「・・・どうなるか分からない。…すまない。」
みつれはカエデに謝る。
カエ「みつれさんのせいじゃないです…。私は待つことしか……」
カエデの足が止まった。
みつ「カエデさん?」
カエデは涙を流していた。
カエ「うっ…うっ……ケイ君…殺されちゃうの?嫌だよ……嫌だ……」
カエデは泣き崩れる。
みつれはそっとカエデに寄り添う。
だが、かける言葉が見つからなかった。
みつれはカエデを近くの公園のベンチに座らせ、カエデが落ち着くまで寄り添った。
カエ「うっ…うっ……ごめんなさい……泣いてもどうしようもないですよね………」
みつ「そんなことは無い。泣きたい時は泣けばいいんだ。」
みつれはカエデを優しく抱き締める。
カエデはみつれの胸の中で泣いた。
みつれはカエデの頭を撫でてなだめた。
しばらく経ち
カエデは少し落ち着いた。
カエ「すみません…。もう大丈夫です。…ありがとうございました。」
カエデはみつれの胸から離れ、立ち上がった。
みつ「・・・大丈夫?」
カエ「はい。…お時間いただいてありがとうございました。しおんさんのところに行きましょう。」
まだ吹っ切れず我慢しているようだったが、みつれはカエデの意思を尊重した。
みつ「わかった。行こう。」
2人は再び病院へ歩き始めた。
病院に到着した2人はしおんの病室をたずねた。
みつ「しおん、入るぞ。」
みつれとカエデは病室に入る。
しお「みつれさん……それにカエデちゃんまで。」
しおんはベッドに横になっていた。
起き上がろうとするがみつれがとめた。
みつ「そのままでいい。…ニュース観たか?」
しお「うん…。」
しおんは頭を悩ませていた。
みつ「正直、辞任を発表してしまった以上、もう止められない。」
しお「わかってる…。けどカエデちゃんの恋人とその家族は助けたい…。」
みつ「それは同感だ。だがどうしたらいいか分からない。……お前の考えを聞きたい。」
カエ「私も!出来ることがあれば何でもします!」
しお「・・・もし、話した通りハナさんはシロサキに拉致されていたとしたら…その痕跡を辿ってシロサキに聞き出すしか無いね…。」
みつ「車のナンバーは分かっている。リンがNシステムで探すそうだ。」
しお「なるほど…。それならある程度の行動範囲は読める。後はその行動範囲内の防犯カメラとかでしらみ潰しに探すしか無いね。」
しおんは冷静に分析し、次の手を考えていた。
みつ「お前のPCは今使えないから警察で探すしか無いってことか。」
しお「事務所のPCは使えない。けどその他でやればいい。…事務所にタブレットがある。それを使おう。」
みつ「それで出来るのか?」
しお「効率は悪いし出来ないこともあるけどまぁ大丈夫だと思う。そこはハッカーの腕の見せ所だね。」
しおんは微笑んだ。
みつ「わかった。とりあえずタブレットを持ってくる。他に必要な物は?」
しお「僕の部屋に外付けハードディスクとワイヤレスキーボードとマウスがある。それが要るね。」
しおんは必要な物をみつれに伝えた。
みつ「わかった。取ってくる。…カエデさんはどうする?」
カエ「私も一緒に行きます!」
みつ「よし。じゃあ行こう。」
次なる作戦の為、2人は事務所へと向かった。。。
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