『ブラックボックス』

うどん

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〜最終章〜

187.『終点』

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リカ「さよならだ、みつれ。」


ひとつの銃声がその場に響き渡った。



しかし、その銃声はみつれを撃ち抜いたものではなかった。




リカ「ッ!?……なっ……に………」



リカはよろめく。


リカの右胸から血が流れていた。


リカが後ろに振り向くと男が銃を構えて立っていた。


黒のレインコートを着用し、フードを深々と被っていて顔がよく見えない。


リカ「だ、誰だッ!?」


リカは男に銃を向けるが先に発砲されて銃を弾き落とされてしまう。


そして男は容赦無くリカの身体に弾丸を撃ち込む。



リカ「ぐッ!!」


このままでは分が悪いと感じ、リカは体勢を立直すためにその場から離れようとする。


リカの後を追いかける謎の男。



みつ「はぁ…はぁ……ま、待て……ッ!」


みつれはなんとか立ち上がり、必死に2人の後を追う。



みつ「((いったい…なにが起きてる!?……あれは誰だ!?))」


全く予期せぬ展開。
謎の男は敵なのか味方なのか…。

状況が把握できないまま、みつれはリカと謎の男を追う。




リカ「グッ……ヤツは何者だ……ッ!」


コンテナで身を隠しながら距離をとろうと移動するリカ。


撃たれた箇所からは血が流れ、地面にぽたぽたと付いている。


リカ「((・・・・・・・))」


地面についた自分の血を見て少し思い詰めたあと、リカは何処かに電話を掛けはじめた。




リカ「・・・イバラか………す、すまないが……緊急だ…………意味はわかるな?……あぁ。アザミをすぐにそっちに向かわす………ふっ……心配するな………必ず帰る………あぁ………。」



リカは電話を切る。
滲み出る汗を拭いながら今度は違う番号に掛けはじめた。


リカ「・・・緊急だ。すぐにイバラの所へ行ってイバラの安全を確保しろ。………そうだ。頼むぞ。」


そう言ってリカは電話を切る。


リカ「・・・」


リカはコンテナヤードを抜け出し、視界には辺り一面の海が映る。


リカ「・・・終点……てところか。」

先程のコンテナヤードでの血と硝煙の香りから少し冷たい潮の香りに変わった。

リカは海の向こう遠くを見つめる。

リカ「・・・」



海を背にリカは振り返る。

するとそこには謎の男が銃を構えて立っていた。


リカ「ふっ……待たせたな。」



少し遅れてみつれが2人に追いついた。
しかし、追いついた先でみつれは目を見開いた。


銃声が響き渡り、カモメ達が飛び去る。


謎の男がリカに弾丸を撃ち込み、リカはそのまま海に落ちていった。



みつ「ッ!?」

みつれは開いた口が塞がらなかった。


自分の家族を奪った敵が、
自分の愛する人を奪った敵が、
自分の人生を狂わせた敵が、、、


全く知らない謎の男の手によって葬られた。




「・・・」



謎の男は振り返り、みつれを見つめる。



みつ「お……お前はぁッ!……お前は誰だッ!?」


声を荒らげるみつれは男に問う。
だが返事は返ってこない。



「・・・時間だ。」



腕時計で時間を確認した男はその場を去ろうとした。



みつ「ま……待て………く………」

みつれは追いかけようとしたがその場で倒れ込んだ。



みつ「((だ……だめだ………いし…きが……ちから……が………ス……イ………))」



去っていく男の背を見つめながら、みつれは意識が遠のいていき、目を閉じた。


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