陽あたりのいいパティオ 〜ももとさくらは人類最強です〜

あかぎ さわと

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第3章

鬼王神社の夏祭り 18(祭り当日)

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「ではよろしいか? 」
 マックが担ぎ手に声をかける。
『おーっす』担ぎ手が一斉に応えた。
 この御神輿を担ぐのに、なぜ屈強な筋肉が必要なのか、それはこれから始まる一瞬のためだ。
 ももが長い時間をかけて練習してきたのも、これから始まる一瞬のためだ。
「では、はじめます」
 そう言ったマックが担ぎ棒の最先端で担ぐと、ももは乗り台の上で胸に下げたおばあちゃんの御守りを握り締めた。

 落ち着け、落ち着け、絶対できる──心に祈った。

 乗り台から乗り手が降りる前に、神さまに末裔の元気な姿をお見せする──これが御神輿のクライマックスだ。

 ドーン!
 昼花火が打ち上がり、1発の号砲が静まり返った会場になり響く。観衆の目が全て御神輿とももに注がれる。
『そいや、そい』
 掛け声と共にしゃがみ込む担ぎ手。大きな御神輿が沈み込む。
 ももはゆっくり手を前にだす。
 続いて3発の段雷がなる筈だ。2発目で手を後ろに引いてしゃがみ込み、3発目で手を前に振り上げてジャンプするだけだ。
 再び昼花火が打ち上がり、
 ドン!1発目が鳴った。
 ドン!2発目がなった、手を後ろにそしてしゃがみ込む。
 ドーン!3発目がなった。
『そいや!』
 担ぎ手が一斉に立ち上がると、大きな御神輿を勢いよく、高々と持ち上げた。
 その勢いを利用して、ももは手を前に振り上げると、ジャンプした。
 いける、練習の時よりずっと勢いがついている──ももは咄嗟に思った。
「なに? 」
 茂はさくらを肩車したまま、ももを凝視した。

 通常はジャンプして、空中で軽くポーズを取って、乗り台に着地するだけだ、それを二回行う。その姿が元気がいいほどその年は豊作になると伝えられているが…

 ももはそのまま宙に浮かび上がると、足をピンと伸ばし、青空の中で頭を下にすると、バック宙をはじめた。
「にゃはは! 」ごんちゃんが驚く。
「まあ」
 すみれおばあちゃんとかえでは、空いた口が塞がらない。

 えへへ

 ぐるん!

 伸ばした足が頂点を超える。
 回りきるとあとはそのまま後ろの乗り台に、前向きに着地するだけだ。
 足から落ちていくもも。

 ──すー!

 タン!

 見事に着地した。
 それとともにドーン!
 再び号砲が鳴った。
 ももはくるりと後ろを向くと、再び御神輿が下がった。
 しゃがみ込む担ぎ手。
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