42 / 93
第3章
鬼王神社の夏祭り 18(祭り当日)
しおりを挟む
「ではよろしいか? 」
マックが担ぎ手に声をかける。
『おーっす』担ぎ手が一斉に応えた。
この御神輿を担ぐのに、なぜ屈強な筋肉が必要なのか、それはこれから始まる一瞬のためだ。
ももが長い時間をかけて練習してきたのも、これから始まる一瞬のためだ。
「では、はじめます」
そう言ったマックが担ぎ棒の最先端で担ぐと、ももは乗り台の上で胸に下げたおばあちゃんの御守りを握り締めた。
落ち着け、落ち着け、絶対できる──心に祈った。
乗り台から乗り手が降りる前に、神さまに末裔の元気な姿をお見せする──これが御神輿のクライマックスだ。
ドーン!
昼花火が打ち上がり、1発の号砲が静まり返った会場になり響く。観衆の目が全て御神輿とももに注がれる。
『そいや、そい』
掛け声と共にしゃがみ込む担ぎ手。大きな御神輿が沈み込む。
ももはゆっくり手を前にだす。
続いて3発の段雷がなる筈だ。2発目で手を後ろに引いてしゃがみ込み、3発目で手を前に振り上げてジャンプするだけだ。
再び昼花火が打ち上がり、
ドン!1発目が鳴った。
ドン!2発目がなった、手を後ろにそしてしゃがみ込む。
ドーン!3発目がなった。
『そいや!』
担ぎ手が一斉に立ち上がると、大きな御神輿を勢いよく、高々と持ち上げた。
その勢いを利用して、ももは手を前に振り上げると、ジャンプした。
いける、練習の時よりずっと勢いがついている──ももは咄嗟に思った。
「なに? 」
茂はさくらを肩車したまま、ももを凝視した。
通常はジャンプして、空中で軽くポーズを取って、乗り台に着地するだけだ、それを二回行う。その姿が元気がいいほどその年は豊作になると伝えられているが…
ももはそのまま宙に浮かび上がると、足をピンと伸ばし、青空の中で頭を下にすると、バック宙をはじめた。
「にゃはは! 」ごんちゃんが驚く。
「まあ」
すみれおばあちゃんとかえでは、空いた口が塞がらない。
えへへ
ぐるん!
伸ばした足が頂点を超える。
回りきるとあとはそのまま後ろの乗り台に、前向きに着地するだけだ。
足から落ちていくもも。
──すー!
タン!
見事に着地した。
それとともにドーン!
再び号砲が鳴った。
ももはくるりと後ろを向くと、再び御神輿が下がった。
しゃがみ込む担ぎ手。
マックが担ぎ手に声をかける。
『おーっす』担ぎ手が一斉に応えた。
この御神輿を担ぐのに、なぜ屈強な筋肉が必要なのか、それはこれから始まる一瞬のためだ。
ももが長い時間をかけて練習してきたのも、これから始まる一瞬のためだ。
「では、はじめます」
そう言ったマックが担ぎ棒の最先端で担ぐと、ももは乗り台の上で胸に下げたおばあちゃんの御守りを握り締めた。
落ち着け、落ち着け、絶対できる──心に祈った。
乗り台から乗り手が降りる前に、神さまに末裔の元気な姿をお見せする──これが御神輿のクライマックスだ。
ドーン!
昼花火が打ち上がり、1発の号砲が静まり返った会場になり響く。観衆の目が全て御神輿とももに注がれる。
『そいや、そい』
掛け声と共にしゃがみ込む担ぎ手。大きな御神輿が沈み込む。
ももはゆっくり手を前にだす。
続いて3発の段雷がなる筈だ。2発目で手を後ろに引いてしゃがみ込み、3発目で手を前に振り上げてジャンプするだけだ。
再び昼花火が打ち上がり、
ドン!1発目が鳴った。
ドン!2発目がなった、手を後ろにそしてしゃがみ込む。
ドーン!3発目がなった。
『そいや!』
担ぎ手が一斉に立ち上がると、大きな御神輿を勢いよく、高々と持ち上げた。
その勢いを利用して、ももは手を前に振り上げると、ジャンプした。
いける、練習の時よりずっと勢いがついている──ももは咄嗟に思った。
「なに? 」
茂はさくらを肩車したまま、ももを凝視した。
通常はジャンプして、空中で軽くポーズを取って、乗り台に着地するだけだ、それを二回行う。その姿が元気がいいほどその年は豊作になると伝えられているが…
ももはそのまま宙に浮かび上がると、足をピンと伸ばし、青空の中で頭を下にすると、バック宙をはじめた。
「にゃはは! 」ごんちゃんが驚く。
「まあ」
すみれおばあちゃんとかえでは、空いた口が塞がらない。
えへへ
ぐるん!
伸ばした足が頂点を超える。
回りきるとあとはそのまま後ろの乗り台に、前向きに着地するだけだ。
足から落ちていくもも。
──すー!
タン!
見事に着地した。
それとともにドーン!
再び号砲が鳴った。
ももはくるりと後ろを向くと、再び御神輿が下がった。
しゃがみ込む担ぎ手。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる