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第3章
鬼王神社の夏祭り 21(祭り当日)
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ザラザラザラザラ…
ザラメが次から次へと、ペットボトルから綿菓子器へと飲み込まれる。
「しゃ、社長! 」
もう何も聞こえない、白鳥先生しか見えてない。
そんな伸ににっこり微笑む白鳥先生。
──更にズッキューン!
真っ赤な顔で心ここにあらず。無意識にザラメを入れながら、器具のスイッチを入れて割り箸を突っ込む。
「あわあわわわ」
慌てるホストたち、伸からザラメの入ったペットボトルを奪い取るが遅かった。
ぐるぐる…綿菓子はどんどんどんどん大きくなり、ついにはビーチボールよりも大きくなった。
伸は全く見えてない。
白鳥先生しか見えてない。
「しゃシャチョー」
見兼ねたホストたちはなんとか伸を押さえつけ、綿菓子器のスイッチを切った。
「はい、できました」
伸は一生懸命にこやかに微笑み、白鳥先生に巨大な綿菓子を渡す。
到底袋に入るサイズではない。
イケメンホストは、呆然として受け取る白鳥先生の横から、綿菓子に帽子のようにブーブーの袋を載せた。
『ご来店誠にありがとうございました』
ホストたちは声を揃えて白鳥先生を送り出した。
白鳥先生は、校長先生がキャバ嬢に囲まれ、たこ焼きをツマミに生ビールを飲んでいるテーブルにきた。
「うわぁ! 」
校長先生もキャバ嬢も綿菓子の巨大さに驚いた。
一方、われに返った伸は、仁に見つからないように、這いつくばり、たこ焼きを焼いている保の前まで行くと、鉄板の端から顔を出し、保と視線を合わせた。
「た、た、た、た、た、たもっちゃん、テーブルにいるの、だ、だ、だ、だ、だれ? 」
たもっちゃんは相変わらず自分のペースで淡々と千枚通しを扱いながら答えた。
「校長先生と僕のクラスの白鳥小百合先生だよ、教えたからたこ焼き50こ買ってねー」
「う、うん」
「それとね」
たもっちゃんは伸を見てニヤリと笑った。
「な、何」
「来週の土曜日は学校公開で誰でも教室に入れるよ」
直立不動になる伸、深々とたもっちゃんに頭を下げる。
「た、た、た、保様たこ焼き100個買わせて頂きます」
「毎度ありー」
伸と白鳥先生の衝撃の出会いだった。
ザラメが次から次へと、ペットボトルから綿菓子器へと飲み込まれる。
「しゃ、社長! 」
もう何も聞こえない、白鳥先生しか見えてない。
そんな伸ににっこり微笑む白鳥先生。
──更にズッキューン!
真っ赤な顔で心ここにあらず。無意識にザラメを入れながら、器具のスイッチを入れて割り箸を突っ込む。
「あわあわわわ」
慌てるホストたち、伸からザラメの入ったペットボトルを奪い取るが遅かった。
ぐるぐる…綿菓子はどんどんどんどん大きくなり、ついにはビーチボールよりも大きくなった。
伸は全く見えてない。
白鳥先生しか見えてない。
「しゃシャチョー」
見兼ねたホストたちはなんとか伸を押さえつけ、綿菓子器のスイッチを切った。
「はい、できました」
伸は一生懸命にこやかに微笑み、白鳥先生に巨大な綿菓子を渡す。
到底袋に入るサイズではない。
イケメンホストは、呆然として受け取る白鳥先生の横から、綿菓子に帽子のようにブーブーの袋を載せた。
『ご来店誠にありがとうございました』
ホストたちは声を揃えて白鳥先生を送り出した。
白鳥先生は、校長先生がキャバ嬢に囲まれ、たこ焼きをツマミに生ビールを飲んでいるテーブルにきた。
「うわぁ! 」
校長先生もキャバ嬢も綿菓子の巨大さに驚いた。
一方、われに返った伸は、仁に見つからないように、這いつくばり、たこ焼きを焼いている保の前まで行くと、鉄板の端から顔を出し、保と視線を合わせた。
「た、た、た、た、た、たもっちゃん、テーブルにいるの、だ、だ、だ、だ、だれ? 」
たもっちゃんは相変わらず自分のペースで淡々と千枚通しを扱いながら答えた。
「校長先生と僕のクラスの白鳥小百合先生だよ、教えたからたこ焼き50こ買ってねー」
「う、うん」
「それとね」
たもっちゃんは伸を見てニヤリと笑った。
「な、何」
「来週の土曜日は学校公開で誰でも教室に入れるよ」
直立不動になる伸、深々とたもっちゃんに頭を下げる。
「た、た、た、保様たこ焼き100個買わせて頂きます」
「毎度ありー」
伸と白鳥先生の衝撃の出会いだった。
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