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第4章
災害警報発令中 1
しおりを挟む日曜日のお祭りも終わり、月曜日になった。
──a.m.4:30
夜半から、ポツポツ降り出した雨は次第に勢いを増し、地面を叩きつけていた。
ごんちゃんは、居間でテレビからながれる災害ニュースに釘付けになっている。
そんな気配を察したすみれおばあちゃんも起きてきた。暗かった居間の電気を点けると螺鈿の黒いテーブルの前で座る。
「雨が酷くなってきましたね」
すみれはそういうと、電気ポットのスイッチを入れて、テーブルの隅のお茶セットを取り出す。
「うん、かなり酷い。集中豪雨がくるかもしれん、予報が出ている」
「お祭りはよく持ちましたね、二日ともいいお天気でした」
「不思議と毎年お祭りの日は天気がいいなぁ…」
そして、立ち上がって雨戸のそばまで行くと、雨戸を少し開けてみる。
もう日の出の時刻は過ぎている。
しかし、空は真っ暗なまま、外に漏れた室内灯に雨が光る。
時折遠くの空が光る。
遅れて聞こえる轟音。
──ゴロゴロ!ドッカーン!
次から次へと叩きつける雨は、轟音とともに滝のようだ。
──コポコポ
すみれは、急須にお湯を注ぐと蓋をして湯呑みにお茶を煎れる。
「畑の方は心配ありません、雨も土砂も避けてます」
ごんちゃんは暗闇の中を遠く見つめる。
「結界が効いてるか…」
「ええ」
「町を全部覆い尽くせるといいんだが…」
「…広すぎます」
「そうだな…」
ごんちゃんは雨戸を閉めると螺鈿のテーブルにもどり、座った。
「どうぞ」すみれがお茶をだす。
「うん、ありがとう」
ごくり、お茶を飲む。
「こんなに酷いのはいつ以来でしょうね」
すみれがごんちゃんを見る。
「わしが、ももくらいの時と茂が成人した頃に一度づつあったなあ」
ごんちゃんが続ける。
「二度目はここら辺の畑がめちゃくちゃになった」
「ええ、町中大変でした、覚えています。何人も亡くなりましたから」
「──怖かった」
「だからパティオをお造りになったんでしょう」
「まあ、そうだが…」
「…」
ごくり、ごんちゃんはお茶を飲む。
「鬼王様は何か伝えてきたか? 」
「特には…なさそうです」
「そうか、災いは人がもたらす、この町だけじゃどうしようもならん、大きな流れが根底にある、だが、それを乗り越えるのもまた人…」
「はい、鬼王様も天上界には口出しできません」
と、ごんちゃんはすっくと立ち上がった。
「着替えてくる」
「はい」
ごんちゃんは別室で防災用の作業着に着替えて戻ってくると、玄関へ向かい安全靴を履き、ヘルメットを持った。
「じゃあ行ってくる」
「はい」
──カチッ!カチッ!
すみれが火打ち石を叩き火花が散った。火打ち石は魔除けのおまじないである。
「ありがとう」ごんちゃんは微笑んだ。
「行ってらっしゃい」
すみれがそういうと、ごんちゃんの姿は消えた。
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