81 / 113
第三章 ボラン島と月夜姫
南の島で十五夜を1
しおりを挟む
そして何日かが過ぎた。
まだ、イガジウムは掘り当てていない。
三人で食事をしていると、時折ボラン人の女性がフルーツを差し入れしてくれるようになった。
そういうときはみんなで楽しくお話しした。もちろん翻訳機を通してだけど、でも挨拶だけは覚えた——『ライライ』朝昼晩、出会いにお別れ、全て同じ挨拶だった。
こういう時の翁じいは凄かった、人種も超えた笑いを引き出すんだから、みんな大笑いした。
すると今度はボラン人の男性も長老でさえ来るようになって、みんなで宴会をするようになった。私と鉄ちゃんは未成年だから女性の持って来てくれるフルーツジュースを飲んだ。
そこにルナママが手塩にかけた料理が出てきてみんなで楽しい時間を過ごした。
そしてボラン人も、
『オイシー! 』を覚えて連発する。その度にルナママがピコピコ喜んだ。
島に温泉があるという事なので三人で連れて行って貰った。
男湯と女湯はもちろん分かれていたけど、貸し切りにしてくれた露店風呂で月を見ながら一人で入った。
今夜は満月だ。
綺麗な月を見た。
月人を思い浮かべた、
ジーヤンを思い浮かべた、
かぐやママの水草を思い浮かべた、
鉄ちゃんの顔を思い浮かべた、
ボラン人の男性の笑い顔を思い浮かべた、
ボラン人の女性の笑い顔を思い浮かべた、
ルナママの木の根のような回路を思い浮かべた、
そしてボラン人と楽しそうに笑う翁じい。
——みんな同じ人間だ。
そう思った。
そしてリムジンに戻ると、横には白木のテーブルにお皿が二つ置いてあって、団子みたいな丸い物が山積みになっていた。液体の入ったジョッキが3つ置かれ、花瓶に南国の切り花も飾ってある。
「わールナママ、これなに? 」
私は思わず叫んだ。
「ありあわせですが、お月見いたしましょう」
満月ペンダントから声が聞こえた。
「お月見ー! 」
「はい」
「ルナママありがとう」
「どういたしまして、じゃあ飲み物が冷たいうちに召し上がれ」
「うん、鉄ちゃん、翁じい乾杯しよう」
「いいね! 」
「「「かんぱーい」」」
月に向かって、故郷に向かって、三人で乾杯した。
そして、ジョッキの中の液体を飲んだ。
冷たいココア味だ。
「ウヒョールナママ、これはココア味のプロテインだね! 」
鉄ちゃんが大声で叫んだ。
「ご名答」
ルナママが優しく言った。
「こりゃ、美味しいですぞ」
翁じいが笑顔でそう言った。
「もしかしてー」
鉄ちゃんはお皿に近づくと丸い食べ物をぽいぽい口に入れて食べ出した。
「鉄ちゃんそれなあに? 」
「茹で卵! 山積み! ちょー嬉しい」
そういうと塩もつけずに次から次へと食べまくる。
「わしも食べますぞ」
そう言うと翁じいも競って食べ出した。
「塩、いらないの? 」
「大丈夫! 筋肉強化! 上質なタンパク質、ねえ翁じい」
「ウヒョー、そうです。若返ります! 」
二人の食べっぷりを見て、私は嬉しくなった。
「そうそう月夜姫、隣のお皿はお団子です。ゆっくりお食べなさい」
ルナママがそう言った。
「うん、ありがとうルナママ」
まだ、イガジウムは掘り当てていない。
三人で食事をしていると、時折ボラン人の女性がフルーツを差し入れしてくれるようになった。
そういうときはみんなで楽しくお話しした。もちろん翻訳機を通してだけど、でも挨拶だけは覚えた——『ライライ』朝昼晩、出会いにお別れ、全て同じ挨拶だった。
こういう時の翁じいは凄かった、人種も超えた笑いを引き出すんだから、みんな大笑いした。
すると今度はボラン人の男性も長老でさえ来るようになって、みんなで宴会をするようになった。私と鉄ちゃんは未成年だから女性の持って来てくれるフルーツジュースを飲んだ。
そこにルナママが手塩にかけた料理が出てきてみんなで楽しい時間を過ごした。
そしてボラン人も、
『オイシー! 』を覚えて連発する。その度にルナママがピコピコ喜んだ。
島に温泉があるという事なので三人で連れて行って貰った。
男湯と女湯はもちろん分かれていたけど、貸し切りにしてくれた露店風呂で月を見ながら一人で入った。
今夜は満月だ。
綺麗な月を見た。
月人を思い浮かべた、
ジーヤンを思い浮かべた、
かぐやママの水草を思い浮かべた、
鉄ちゃんの顔を思い浮かべた、
ボラン人の男性の笑い顔を思い浮かべた、
ボラン人の女性の笑い顔を思い浮かべた、
ルナママの木の根のような回路を思い浮かべた、
そしてボラン人と楽しそうに笑う翁じい。
——みんな同じ人間だ。
そう思った。
そしてリムジンに戻ると、横には白木のテーブルにお皿が二つ置いてあって、団子みたいな丸い物が山積みになっていた。液体の入ったジョッキが3つ置かれ、花瓶に南国の切り花も飾ってある。
「わールナママ、これなに? 」
私は思わず叫んだ。
「ありあわせですが、お月見いたしましょう」
満月ペンダントから声が聞こえた。
「お月見ー! 」
「はい」
「ルナママありがとう」
「どういたしまして、じゃあ飲み物が冷たいうちに召し上がれ」
「うん、鉄ちゃん、翁じい乾杯しよう」
「いいね! 」
「「「かんぱーい」」」
月に向かって、故郷に向かって、三人で乾杯した。
そして、ジョッキの中の液体を飲んだ。
冷たいココア味だ。
「ウヒョールナママ、これはココア味のプロテインだね! 」
鉄ちゃんが大声で叫んだ。
「ご名答」
ルナママが優しく言った。
「こりゃ、美味しいですぞ」
翁じいが笑顔でそう言った。
「もしかしてー」
鉄ちゃんはお皿に近づくと丸い食べ物をぽいぽい口に入れて食べ出した。
「鉄ちゃんそれなあに? 」
「茹で卵! 山積み! ちょー嬉しい」
そういうと塩もつけずに次から次へと食べまくる。
「わしも食べますぞ」
そう言うと翁じいも競って食べ出した。
「塩、いらないの? 」
「大丈夫! 筋肉強化! 上質なタンパク質、ねえ翁じい」
「ウヒョー、そうです。若返ります! 」
二人の食べっぷりを見て、私は嬉しくなった。
「そうそう月夜姫、隣のお皿はお団子です。ゆっくりお食べなさい」
ルナママがそう言った。
「うん、ありがとうルナママ」
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる