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14 独り占め

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 ――食べながらエッチなコトをするなんて思わなかったよ……。そりゃあ裸エプロンなんて冒険しちゃったけどさ。

 姉の遥奈が林間学校から帰って来るのは、明日の土曜日の夕方である。明日は学校も那津男の会社も休みなので、それまでの間、亜紀は義父を独り占めにできる。
 これまで、那津男と夜を共にしていたのは姉の遥奈だけであった。最初は、この家に住まわせてもらう為に遥奈が義父に身体を差し出していたのだが、それがいつの間にか、姉と義父の間で男女の睦み合いとなっていた。亜紀から見て、それは夫婦の営みと同じものに感じられた。遥奈の方は気の無い風にしているが、夜毎に聞こえてくる姉の嬌声を耳にすれば、望んで義父と身体を重ねている事は分かる。
 昨日までは、遥奈が那津男と愛し合っているのを知らない振りでいたのだが、姉が家を空けるタイミングで亜紀は那津男に秘密の暴露と身体の関係を迫った。
 それは、姉が林間学校に出かける日の朝、ハッキリと言われたわけではないものの、亜紀が義父と関係する事を遥奈が勧めてきたからである。そして、結果的にであるが、那津男も秘密にしている事には罪悪感を抱いていたらしい。
 姉と妹と義父、それぞれの家族の想いが齟齬なく重なり合った結果、亜紀は『大好きなパパ』に自分の処女を捧げる事が出来たのだ。
 それが、昨夜の出来事である。
 そして今、亜紀は夕食の終わったリビングで、片付けもそこそこに義父の肉棒を口に含んでいた。

「んん……んふ……」

 義父の肉棒を咥えながら、亜紀はさっきまでの事を思い返していた。



 那津男の帰宅を裸エプロンで出迎えた亜紀は、いざ食事をするときになって義父にエプロンを剥ぎ取られた。もちろん、義理の父親に裸体を晒す事に否やはない。むしろ、これから姉が帰宅するまで、ずっと肌を合わせているくらいのつもりであった。
 だが、一糸まとわぬ姿で食事をするようなつもりはなかった。さすがにそれは、非日常的で淫らに過ぎる。友達に借りて読んだ少し過激な少女マンガにも、そんなシチュエーションはない。
 娘のそんな戸惑いに気付いているのかいないのか、自分もさっさと全裸になった那津男は、当たり前と言った風に箸を手に取って食事を始めた。
 食事時にエッチなコトなどした事は無いと、那津男は言った。これは初めての事だと。それを示すかのように、点きっぱなしのテレビに視線を向けて夕食を黙々と食べている那津男の股間には、男のモノが隆々と天井を向いていた。
 裸のまま那津男の隣にぺたりと座り込んだ亜紀は、生唾を飲み込んだ。それは、空腹で夕食を前にしてのものなのか、それとも義父の股間で激しく自己主張している肉棒に対してのものなのか。
 那津男の股間にチラチラと視線を投げながら、亜紀も黙々と箸を動かした。さっきは食事を始めたときに那津男の愛撫を受けていたが、さすがに食事どころではなくなってしまったので、食べながらの性行為という事にはならなかった。
 代わりに二人とも、全裸で何事もなかったかのように夕食を食べ続けた。だが正直なところ、亜紀の身体の奥では熱がくすぶっているような状態だったのである。
 そして、大好きなはずの遥奈の唐揚げを勢いよく食べた亜紀は、食器を片付ける間も惜しんで那津男の肉棒に手を添えた。

「……そんなにしたかったのか?」
「だって……。お姉ちゃんが返ってくる前に、お姉ちゃんばっかりがしてた分を取り返そうと思ったら、いくら時間があっても足りないんだもん」

 お味噌汁のお椀を手にしたまま、那津男が少し呆れの混じった視線で亜紀を見下ろしている。
 亜紀の手の中で、股間の肉棒は硬さを保っていた。那津男の心境を示すものなのか、時々ピクピクといった手応えが少女の小さな手に感じられる。

「しゃーないな。ほら」

 そう言って、残ったお味噌汁を一息に飲み干した那津男は、お椀と箸をおいた。そしてローテーブルの前から腰を上げると、背後のソファにどっかりと腰を下ろす。そのまま脚を大きく広げ、義理の娘に股間の凶器を見せつけるような態勢になった。

「うふ、いただきまーす」
「これを咥えるのに『いただきます』とか、やっぱり芙由美の娘なんだな。……あだだだだっ! お、おいっ!」

 その瞬間、那津男の言葉にイラっと来た亜紀は、咥えた肉棒に歯を立てた。

「お姉ちゃんほどじゃないけど、あたしもそういうコトを言われるの、好きじゃない。自分で言うのはいいけど、パパにはやっぱり、アイツのコトは言われたくないよ」
「す……、すまん……」
「別にパパのことをキライになったりはしないけど、ゴメンね。それじゃ、気を取り直して……、あ……はむっ……」

 那津男の亀頭に舌を這わせながら、亜紀は自分で自分の心境に驚いていた。
 母親の芙由美がセックスにだらしのない女であることは承知している。それが原因で、姉も自分も大変な目に遭った事も理解している。
 それでも、亜紀は母親を軽蔑しているだけで、怒りの感情など湧かないと思っていた。姉の遥奈の方が実際に手や足を出されていたので、それらから守ってもらえていた自分が怒りを露わにするのは違うと思っていたのだ。
 だが、どうやらそれこそが違っていたらしい。
 亜紀が自分で母親の事を話題にするのは、心理学でいう防衛機制である。あらかじめ心の準備をして口に出せば、母親の話題で不快感を覚えても、怒りを覚える事はない。
 ……はずであった。
 今なら亜紀は、遥奈の叫びも理解できると思う。亜紀は那津男の口から、これ以上、母親の事を聞きたくはないのだ。自分が那津男とセックスをするのは、あくまで自分の為。同じ立場の姉を除いて、そこに他人の入る余地は無い。入って欲しくはないのである。
 そんな自分の不機嫌を那津男に悟られないように、亜紀は義父の肉棒を大きく飲み込んだ。亀頭が喉奥にまで届き、肉体的な反射として嘔吐感がせりあがる。

「う……うぶ……お……え……」
「お、おい、無茶するな。遥奈でもそこまでやらないぞ」

 さすがに那津男も理解したのか、出した名前は姉のものであった。
 しかし、それならばなおのこと、姉のやっていないことはやってみたい。それは、年の近い姉妹に対する、子供らしい対抗心と言えた。自分の方が……。自分だけは……。何より、姉に対する『ズルい』という感情は、昨夜、那津男に抱いてもらってからも、未だに少女の心の中に燻っている。
 傍から見れば微笑ましい理由で、亜紀は那津男の肉棒を口の中いっぱいに飲み込んだ。喉奥を広げ、竿に舌を這わせ、肉棒の根元を甘噛みする。腹の底から溢れる吐き気を抑えて、亜紀は義父の肉棒を舐め回した。頭を前後に動かし、頬をすぼめて那津男のモノを刺激する。

「ふ……お……、マジか……」

 喉奥まで含めて口全体を使った少女の拙いフェラチオは、どうやら那津男に初めての刺激となっているようである。母親も姉も同じ事をしているはずであるが、まったく同じではない事は、那津男の反応からも窺える。

 ――オチンチンって全部の部分が気持ち良いのかな……。先っぽが敏感そうだから、舌でつついて……。

 義父を気持ち良くさせようと、亜紀はただ咥えるのではなく、舌先や歯、唇や頬肉も使って全体的に肉棒を刺激した。空いた手は男根の根元を掴み、もう片方の手で袋を柔々と揉む。
 昨夜、初めてのセックスを経験したばかりの少女には、男の性器がどのように感じるものなのかは分からない。そもそも、このような硬くて柔らかいモノは、昨日まで触れた事も口にした事も無いのだ。だが、無いなりに相手の様子を見ながら、亜紀は一生懸命に口舌の奉仕を続けた。
 那津男のモノを咥えながら、上目に義父の顔を見る。
 義理の娘と視線を合わせた那津男は、その瞬間に身体をぶるりと震わせた。そして甘い笑みを亜紀に向けながら、少女の頭に手を載せると、優しく撫でまわす。
 どうやら、気持ち良くなってくれているようだ。
 義父の様子に気を良くした亜紀は、さらに強く、音を立てて肉棒を吸い上げた。
 やがて、那津男の腰が上がってきた。袋はキュッとすぼまり、口内の肉棒が一回り太くなったような気がする。

「おおお……っ! おはあっ! だ、出すぞっ! 亜紀っ! あ、おおふっ!」
「んぶ……んん……ん……く……」

 肉棒を咥えたまま、口の中を大きく広げて亜紀は那津男の精を迎え入れた。ビクビクと震える肉棒の先端から、ネバついた液体が何度も噴き出してくる。まるで、水鉄砲を舌と喉奥に撃ち込まれたような感覚だ。勢いよく噴き出すとは知識として知ってはいたし、昨夜は自分の身体の奥でそれを感じ取った。だが、それを口の中で受け止めるのは、また違った感覚がして亜紀は驚いた。

「ふ、はあ……。ティッシュティッシュ……」

 娘の口内に吐き出した精液を受け止める為か、那津男はローテーブルの上にあるティッシュボックスに手を伸ばした。
 だが、亜紀はそれに先んじて、男の生臭い液体を飲み込んだ。ゼリーよりは液状であるが喉奥に引っかかるイガイガを堪えて、無理やりに嚥下する。

「んんんーっ! にっがーいっ!」
「うおいっ! お前、まさか飲み込んだのか?!」
「え? だって女の子が精子を飲むと、男の人って喜ぶんでしょ? マンガに描いてあったよ」
「いやいや、お前が読んだのって、やっぱりエロマンガだろ! そこまでしなくてもいい!」
「普通の少女マンガだよっ! ……多分?」
「絶対に違うだろ……。」
「でも、男の人って、一回出したらフニャフニャになるんじゃないの? パパのこれ、まだ全然硬いんだけど?」
「……」

 自分の唾液と那津男の精液に塗れた肉棒の根元に手を添えたまま、亜紀は義父を見上げた。義父は何かを言いたそうにしているが、呆れたような表情で何も言わない。
 その代わり、亜紀を弾き飛ばすような勢いで立ち上がると、娘の身体を抱き上げた。背中と膝の裏を捧げ持つ、お姫様抱っこの態勢である。抱く方も抱かれる方も、一糸まとわぬ全裸という、淫ら極まりないお姫様抱っこであるが。

「きゃうっ! パ、パパ?」
「ベッドに行くぞ」
「え、ちょっと、お風呂は?」
「我慢できるか」
「うええっ?」
「お前が可愛くてしょうがないんだ。先にやるぞ」

 あまりにも直球な那津男の言葉を聞いた瞬間、亜紀の心はきゅうっと鷲掴みにされたような感覚を覚えた。同時に、自分の顔が燃え上がるように熱くなる。いや、熱くなっているのは全身であった。身体が震え、心が震え、自分を抱き上げる男が愛おしくて狂いそうになる。我知らず声を上げて走り出したくなる衝動に駆られるが、同時に目の前の男を離ししたくなくて、那津男の首に手を回して抱き締める。

「ああっ好き! パパ、好き好き! 大好き!」
「ああ、俺も亜紀が大好きだよ」

 亜紀を抱えた那津男は、乱暴な勢いで寝室の扉を開けると、閉める手間も惜しんで亜紀をベッドに寝かせた。
 羽毛のようにフワリと浮き上がって降ろされる感覚に、亜紀の心臓が高鳴る。
 ベッドのスプリングをきしませて、那津男が亜紀に覆いかぶさってきた。
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