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要と蓮(2)
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今は・・・
今朝、俺に連絡があった。
蓮のお父さん。
もう、幾日も持たないみたいだ。
それを、蓮に伝えるべき。なんだろうが、
俺は、なかなか言い出せない。
昼に言おう。そう思っても、言い出せなかった。
今の蓮の笑顔が消えてしまうかもしれない
そう思うと、胸が苦しくて・・・
でも、今夜話をして、明日、お父さんに会いに行こう。
仕事も終わり、今日は2人で一緒に帰る。
食事も終わり、蓮と向き合う。
「蓮。大事な話がある。」
「ん?何?」
「あのな。蓮のお父さん。もう、駄目みたいだ。明日、一緒に会いに行こう。」
「えっ?お父さん・・・そう。」
「大丈夫か?」
「・・・うん。大丈夫。要さん。お父さん死んじゃうの?」
「・・・あぁ。」
「そっか。明日会いに行く。」
「ん。わかった。」
「要さん。ありがとうね。今日、様子がおかしかったから、何かなぁって思ってたんだ。」
「そ、そうか?変だった?」
「ううん。少しだけ寂しそうに見えたからかな?」
「んーそれは、あれだ!俺があの場所があんな風になってるなんて、知らなかったからだな。」
「ふふっ、ビックリだよねー!皆、代わる代わる来るんだもの。でも、素敵な場所だよね!社員さんが、ゆっくり出来る場所が出来て良かった。」
「そうだな。蓮が楽しいのが、1番嬉しいよ。」
「要さん。大好き!」
蓮が俺に抱きつく。
俺は、強く蓮を抱きしめる。
大好きだ。愛してる。
可愛い可愛い俺の蓮。
明日は、悲しい思いをするだろう。
今だけは、忘れて俺の腕の中で、幸せに眠りについてね。
翌日。
俺と蓮は、お父さんの居る病院に来た。
ベッドで寝てるお父さんに、蓮は
「お父さん。来たよ。」
そっと、手を握る。
すっかり痩せて、あの時の面影はもうない
うっすらと目を開け蓮を見ると、笑った。
そのまま、静かに息を引き取った。
蓮を見ると、涙を流しながら微笑んでいた
「お父さん。天国でお母さんと仲良くね」
そう言って、部屋から出た。
それからは、慌ただしい日々だった。
やっと、全てが終わり、ゆっくりした日々が戻って来た。
蓮は、少し疲れが溜まっていたんだろう。
熱が出てしまった。
俺や、両親が甲斐甲斐しく看病をするのを蓮は、
「嬉しいな。熱が出て辛いけど、いつも誰かがいてくれる。」
そうだな。
俺と会うまでは、1人だったもんな。
叔父さんも、ずっとついてはなかっただろうしな。
大丈夫だ。
絶対に1人にはしないよ。
俺がいる。
家族がいるんだ。
今の蓮には。
大事で大切で、何より愛しい蓮。
俺の最愛。
みんなで幸せになろう。
~~~~~~~~~~~~~~
番外編楽しんで頂けると嬉しいです。
今回、要と蓮。でした。
次回は、要のお兄さんのお話しです。
ここまで読んで頂きありがとうございました♪
応援ありがとうございます!
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