[完結][番外編更新中]氷の騎士は、異世界から来た運命の番を溺愛する。

りさあゆ

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      ジークバルト


 はぁぁ、もう可愛いが過ぎる。
 なんて、愛しい存在なのだろうか。

 流石に昨日は、疲れたみたいでベッドに入るなり、すやすやと眠りに入ってしまったみたいだ。
 ハルを抱きしめて、一緒に寝る。
それだけで、気持ちが落ち着き胸が暖かくなる。
 まさに、半身。2人で1つ。
 そんな存在だ。
 
 まだ、すやすやと寝ているハルを見つめる。可愛い。ずっと見ていられる。
 が、そろそろ起きないとな。
 セシルが扉の向こうでウロウロしているのがわかって、苦笑する。

 「ハル、、、ハル起きようか。」

 優しく声を掛けると、「ん。」返事をしながら、漆黒の目が見えた。

 「まだ眠い?起きれる?」
ボーとしているハルは、
 「ん、起きる。あっジーク、おはようございます。」

 寝起きはいいんだな、なんて思っていたら、朝からの笑顔に、やられてしまった。

 「うぅ・・・・おはよう。ハル。朝から可愛いな。疲れてない?まだ眠かったら、寝てていいけど?大丈夫?」

 「ジーク・・・大丈夫、起きる。ジークこそ、朝からカッコいいね。」

 俺は、ハルの頭を撫で、ハルは俺の頬をスリスリ撫でる。

 あぁ、幸せだ。
 そんな、幸せ時間を破るノックの音が響く。
 ハルは、ハッとして起き上がり、返事をする。
 セシルが挨拶をしながら入って来た。

 「ハル、着替えて朝食にしようか。」

 名残り惜しいが、気持ちを切り替えて準備をする。


 一緒に食事をして、まったりお茶を飲んでいたら、セバスが
 「ジークバルト様、そろそろ」
 あーそんな時間か、ハルに仕事に行って来ると告げると、「いってらっしゃい。お仕事頑張ってね。」いい笑顔で言われて「寂しくないか?」
「寂しいよ。でもお仕事は大事。僕は大丈夫。ちゃんと待ってるよ。」
「分かった。行ってくるな。セバス、何かあれば報告を。」
ハルの額にキスをして、その場を後にした。




 王宮の執務室に入ると、宰相のマルクスが、ガタガタと焦った様に後ろの扉を開き、侍従に「早急に陛下へ連絡」と、聞こえたので、「何かあったのか?」マルクスに問うと
 「お前だ!陛下が、お前が来たらすぐ連絡しろと、昨日から!はぁぁもうお前が連絡しないから、仕事にならないんだよ!陛下が!」
 「なんで?」
 「何でって、お前、、、番が見つかったんだろう?どれだけ陛下が心配してたか。何も分からないから、公爵家に何度も使いを出したのに、明日本人からお聴き下さいって追い返されたんだぞ!それをお前、何で?って!」
 「あぁ、悪かったな。陛下が来たら報告するよ。とりあえず、この書類を片付ける。」
 「いや、待て待て。それは後でいい。先に陛下に、」
 マルクスが話してる途中て、執務室の扉が勢いよく開いた。

 「ジーク!遅い!すぐに報告するって言ってたよな!どう言う事だ!」
憮然とした表情で陛下が執務室に入って来た。

 陛下が椅子に座るのを見届けて、陛下の前に立つ。

 「おはよう御座います。陛下。報告が遅くなり、申し訳ありません。」
 挨拶をして、頭を下げる。
 「それで?全て話せ。」
 「はい。私の番が見つかりました。名前は、サクラバ・ハル。異世界からやって来たようです。黒髪、黒眼で大変可愛らしい人です。」
 俺は、知らず笑顔になっていたのだろう
 「待て、待て待て、ジーク、だよな?
別人かと思った。ふぅ、何やら少し混乱して、、、うーむ、それは何か?送り人でいいんだよな?」
 「はい。本人も違う世界から来た事は承知している様ですので。」
 「そうか、、、送り人、、か、、、宰相、詳しく知る者を探しておいてくれ。」
 「御意」

 「さて、ジーク、会わせてくれるんだよな?駄目と言っても会うけどな。」
 「はい。嫌ですけど、一応謁見する用意は出来ております。」
 「お前、嫌って。ヴィーも会いたがっていたからな。今にでも、屋敷に行こうとしてたから、止めたけどな。で、いつ謁見する?宰相、最短でいつだ?」
 「そうですね。2日後の午後からなら大丈夫ですかね?」
 「駄目だ。」
 俺は、即座に却下した。
 「何故?その日が駄目ならもっと先になりますよ?」
 「ジーク、何故駄目なんだ?理由は?」
 「その日は、ハルの誕生日なんだ。領地から両親も帰ってくるし、なにより屋敷の皆がハルを祝おうと張り切ってる。」
 「ほぉーもうそんなに仲良くなったのか?誕生日を祝うくらいに。」
 「あぁ、ハルはいい子だ。皆に優しい。可愛いし、屋敷中が暖かくなる。それに、ピアノの才能が凄い。」
 「分かった、分かった。そうか、それなら、私がそちらに出向こう。」
 「陛下!それは・・・」
 マルクスが慌てて、陛下を制すが
 「いや、何、公式でなければいい。ジークの親友として出席する。」
 「あぁ、まぁそう言う事なら。予定を開けておきましょう。」
 「な?それでいいよな、ジーク。」
 「はぁ、分かりました。両親にもそう伝えておきます。」
 「良し!となれば、早速ヴィーに伝えないとな。ジークの番が見つかったって、言った時のヴィーが、泣きながら喜んでいたからな。本当に心配してたからな。兄様には、番がいないのかな?兄様には誰より幸せになって欲しいのにってな。」
 「あぁ、ヴィーにも心配かけたからな、
安心して、婚儀を迎える事が出来るな。」

 レオにも、妹であるヴィヴィアンにも、心配されて、申し訳ない気持ちだが、同時に嬉しくもあった。
 ハル、ありがとう。
 こんな気持ちになるのは、ハルのおかげだろう。
 「愛してるよ。ハル」
 そう、そっと呟いた。
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