お手てつないで。

お萩。

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僕の町並、君の風景。

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ーキラキラしてる。



 「ほんと水辺に光が反射して、綺麗ですわね。」



妻と散歩に出た。「秋の紅葉が綺麗になって来ましたし、お祭りもありますから、少し歩きませんか?」と、珍しく妻の方から誘ってきた…気がしたが、いつもの出不精で、僕から誘う事もほぼ無く。小説家となった僕の仕事の〆切も終り。暇もしてたし、なんだか懐かしい気分になって、外に出る事を難なく承諾した。


川辺を二人でゆっくり歩くのなんて、いか程振りだろうか?
昔と違い僕の所為で苦労をかけた妻は、ほんの少し老けた気がして居たが、今隣に居る彼女は、付き合い始めたアノ頃と、 幾らも変わらない様な気さえしてくる。

神社に着く頃には平日の昼間でも人は賑わい、夜が本番の秋祭りの準備はもう始まっている。
祭りの前は活気に溢れていて、みんな忙しいそうなのに笑顔が絶えない。
露天も並び。僕はその一件の前で足を止めた。
小振りな林檎が飴に包まれて、店の周りには甘い匂いが立ち込めている。

彼女は、僕に気付く事無く。
祭り囃子の練習や風景を楽しんで居た。

僕はズボンのポケットに手を入れ、小銭が無いのか確かめた。


うん。一個なら買えるかな?


僕は、金銭の変わりにりんご飴を一つ買った。




妻の名前を呼び掛けて近寄ると、彼女はゆっくり此方を振り向いた。

りんご飴を差し出すと驚いた顔をしたけど、すぐににこやかに笑ってお礼を言う。
刹那的に…アノ頃の二人だけの想い出と、秋の少しだけ寒くなった木枯しが吹く。



言葉に出さ無くても二人はきっと同じ感覚の中で、今この瞬間を感じて居る筈だと、ハッキリと解る。

お互いの手を繋ぐ歳では無くなったが、互いの気持ちの繋がりは、きっと何があっても離れては行かないし、きっと、今後もずっと。
こんな刹那を何度も繰り返すだろう…。





穏やかで何気ない日常は、君が在るから紡いで行けるんだ。




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