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【第一章】猫耳娘・菜苺の冒険開幕

制裁

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 元副長官と言われて戸惑うシュリケにヘンプー。そして菜苺は触れられたくない黒歴史に触れられたがごとく怖い表情をしていたのだ。


 「やめて!!そんな情報流さないで!!」


 「でも事実でしょ?確か組織名は・・・」


 「やめて下さいっ!!」


 「菜苺!?」


 「菜苺ちゃん!?」


 菜苺の過去らしき情報を謎の声が漏らそうとすると菜苺は怒りに満ちた表情で大声を上げる。するとシュリケとヘンプーは驚き、謎の声は一旦何も喋らずにいた。


 「もう私は武佐古菜苺じゃない!!私は繁田菜苺よっ!!」


 「・・・菜苺?」


 「シュリケ君、ごめんなさい。私の嫌な過去を思い出したからちょっとイライラしてしまって・・・」


 「何があったか知らないけど僕たちはそれには触れないからね。」


 「ありがとう・・・シュリケ君!!」


 シュリケに大声を出したことを謝り、冷静さを取り戻した菜苺。するとまた謎の声が喋り始めたのだ。


 「武佐古菜苺改め繁田菜苺よ・・・君は今私に逆らったね。私に逆らうものは制裁だべ・・・!!」


 「何よ、制裁って!?あなたは・・・」


 その瞬間、何と菜苺の姿が消えたのである。シュリケもヘンプーも驚きを隠せない。


 「菜苺!!」


 「菜苺ちゃん、どこに行ったんだ!?」


 「どこへ消えやがったあいつ・・・まだ切り刻んでねぇ!!」


 まだ近くにいるかと思い呼ぶシュリケであった。しかし菜苺は完全にどこにも居なくなっていたのだ。



 ーある空間ー

 何も無さそうな無の空間にあるガラス柱の中と見られる場所にいつの間にか菜苺は居た。菜苺の猫耳もブーツも手袋もなく普通の服装(服にスカートに靴も履いておらずストッキングを履いた状態)であしもとには何十枚か布団が置いていた。


 「(ここはどこかしら・・・ヘンプー様もシュリケ君もいない。ガラスが中身のない柱のように建てられていて出られないわ。・・・!?)」


 次の瞬間、空から巨大なマットのような布団が落ちてきたのである。菜苺はあしもとの布団とマットのような布団に挟まれてしまいそこからさらに大量の布団が落ちてきた。布団と布団の間でもがくように動くその地点に菜苺がいるのだがそれを見ていた男性のくちもとがにやりと笑っていた。


 「(こいつがあの・・副長官か。)」


 どうも彼は菜苺を知っているようである。
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