ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第3章・若さを保つ食材

村への帰還と食材の正体③

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食堂での一悶着も終えて時間を見るとすでに夜の10時となっていた。ヒナは自分の部屋に戻り布団を敷いていると部屋に直露が訪れたのだ。

「ヒナちゃん、怪我は大丈夫か?」

「うん、大丈夫よ。そんなに強く当たらなかったから特に何もないわ。」 

「そうか、良かった。」

ヒナは直露の顔が心配してくれているような感じであったので気にかけてくれたのかと思っていたのであった。すると直露は立て続けに真剣な顔をして語ったのである。

「ヒナちゃんが持ってきてくれた種を研究してくれる人がいるんだ!明日一緒に会ってくれないか?」

ヒナは『本件はそっちかい!』と突っ込みたいような表情で答えた。

「良いわよ。私も本物か気にしていたからね。」

すると直露はヒナの表情を伺い『あ、怒らせたかな?』と心配したような顔つきに変わって話を続けたのである。

「明日会う人はとても食材の研究で有名な方でもしこの種を見てもらうならこの地域ではかつてない大研究になりそうだよ!!」

どうやらこの食材については詳しくは分かっていないためか種の研究ですら重大事件と同じニュースなのだ。するとヒナは表情を180度変えてやたら笑顔を見せてにやにやしながら直露を見つめていた。

「(感情豊かな子だな……)ああ。これでもし若さを保つ成分などが分かればこれは表彰ものだよ!!ヒナちゃんは凄いことしたんだよ!!」

もはやヒナは怒るという感情を忘れたかのごとく笑顔が輝いていた。確かに大発見的なことをしたのだから評価されて当然ではあるが……だがヒナは少し冷静になり考えた。

「でも私の功績でいいの?はじめて見つけた人やはじめて栽培した人にかなり申し訳ないんだけど……」

「勿論、関係者は全員表彰されるよ!だからそこは気にしなくていいから大丈夫!!」

「それなら良かったわ!!」

ヒナはある考慮をしていたようだがその必要もなかった。あとは研究してもらうだけだが勿論時間はかかる。

「結果が出るのに短くて一週間はかかるな。だからそれまでは自由にここに居てなよ!手伝いも都合に合わせていいからね。」

「それならそうするわ。でも一週間あるなら少し隣町に行ってきていいかな?夜までには必ず帰ってくるからね。」

「それでも良いよ。ただ明日だけはその先生にお会いしてほしいんだ。じゃあ、よろしくね!おやすみ!!痛みが再発したら隣の部屋で寝てるから声をかけてね!!」

「おやすみ!!」

直露は自室へ戻る。しかしヒナはなんやかんやで最後に心配してくれた直露の優しさに少し感動していたのか表情が嬉しそうであった。夜の11時半になるとそろそろヒナはベッドの上で眠りにつこうとしていた。

しかしこれからがヒナにとってとても大変なことになるとは現時点ではヒナも直露も誰も知る由はなかった。それを知らないヒナは日付が変わった午前0時2分に眠りについたのであった。
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