ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第4章・ドーリンの洞窟と若さの効用のルーツ

洞窟の中の禁断の成分④

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その夜、いつもより早く眠りについたヒナは気持ち良さそうな顔で夢の中に入っていったのである。

するとヒナの目の前に何やら変わった洞穴があり、ワクワクを抑えきれないヒナはその入口へと行って入ろうとしたのである。すると警備員に服の後ろの襟を引っ張られて止められたのであった。

「君は常に危険を顧みないで進もうとするね。それがダメなんだよね。もしこの穴を通りたければ日紙家の次男と一緒に来なさい。そうでなければここへは来ないこと……」

「なんで?」

「危険だからだ。このまま進めば必ず君は命を落とす……だから日紙家の次男を連れてこれば必ず通してあげる……」

「おじさんは誰ですか?」

「私の正体は直に分かる。それは今後次第で教えてあげるから……」

“ドバッ!!”

「おじさん!!?」

ベッドから飛び起きたヒナだったが現在は夜中の3時頃であった。薄暗い状態の部屋でヒナは一人ポツンとしていたのであった。

「(すごいリアルな夢だった……これは何かの伝言なのかな……?)」

あまりにもリアルな夢だったのかヒナは普通の夢じゃないと感じたのであった。そしてある決断をすることにしたのだ。

「明日は早く起きてすぐに報告!」

ヒナは再び睡眠についた。そして朝の七時になると朝御飯の準備のために起きて、準備を手伝って皆との食事の時間を迎えたのである。

朝はご飯と卵焼きとシャケにご飯に合うひじきが出た。皆と食べている最中にヒナは直摩の方を向いて昨日の話の続きをし始めたのである。

「直摩さん!」

「どうしましたか?ヒナさん。」

「今日、もしよければあのドーリン洞窟に一緒に来てほしいです……!!」

「その言葉、お待ちしていました。僕の力があれば危険を必ず和らげることは出来ます。ではこのあとお互いに準備をして向かいましょう!!」

「ヒナちゃん、突然どうしたんだ?昨日はあれだけ回答に渋っていたのに……」

夢の結果とさすがに言えなかったヒナはとりあえず理由を決めて直露達に話したのである。ヒナの口調には自信が溢れていた。

「一人で冒険も楽しいけれどいつも安全で一人で行けるとは限らない。だから直摩さんの力を信じて行きたいなと思うの。」

「なるほどな。直摩は男だから確かに心強くなくはないけど二人だけで大丈夫か本当に?ならば俺も行くよ!」

「来なくていいですよ。兄貴は僕の近況を知らなさすぎですね。もう昔の泣き虫の自分じゃないですよ。必ず彼女をお守りします。二人で十分大丈夫なので……」

「分かった。お前がそこまで言うなら……必ず二人とも無事に帰ってこい!!一人でも帰ってこれなかったら承知しないからな!!」

直露は厳しい顔つきで二人に激を送ると直摩は自信に満ちた笑顔を兄に見せたのである。そして二人の洞窟詮索が決まったのだ。

3時間後、直露が運転で二人をドーリン洞窟に連れてきたのである。歩いても行ける距離だが昨日の雨で足元を考えた上であった。そして二人を入口に残して直露は帰宅したのであった。

「ヒナさん、では行きましょう。」

「直摩さん、よろしくお願いします。」

昨日はじめて面識ができたばかりの二人がまさかの洞窟冒険へと向かうのであった。
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