ヒナの国造り

第１３章・Ｗの野望

高城家秘伝奥義『ゴメス流』④

信雄行方不明の二日後の高城と竜太の闘いは本格的となっていた。

「今から、特殊能力(リミットアビリティ)とは別に貴様達に高城家秘伝の技を披露しよう。」

高城は手を構えると連続でパンチをして連続キックも披露した。竜太は見ていると彼の拳と蹴りから力強いオーラを感じたのである。

「なかなかの技……！！」

「高城家は代々ブレード村近くのホックス山で籠り、山の怪獣と一ヶ月戦うのだ。それが出来てこそ戦士だからな……だからそれを成し遂げた俺は強いぞ！！」

そして高城が部屋の壁を蹴るとなんと壁は大破したのである。強力な威力の持ち主である。

「さすが自分と誉めたいくらいだ。栄光だらけの過去にとらわれず日々成長を目指して……」

「えーと、２００５年８月２日に『西名阪』という道の『藤井寺』と『柏原』というインターチェンジかしら……？そこでスピード違反したのは誰かしら？」

「ファルル！？」

なんとファルルは突然高城の過去の揚げ足を取りはじめたのである。

「その罰金はどこから出たかしら？」

「調査資金から……だ……」

「このことはＷ様は知らないみたいだけどこれがばれたらただじゃすまないのではないかしら？」

「な……なんで急にその過去を！！」

「だってあなたが『栄光だらけの過去に』とか言うから……」

「ふざけるな！！俺に恨みがあるのか貴様！？」

「一応あなたより私は上よ……それに私はあなたのことが昔から嫌いなの。最近の駐車違反の罰金も調査資金よね？パチンコにスピード違反に駐車違反……あなたは欠陥だらけだわ。」

「や……やめろ！！頼む！！黙っててくれ！！」

「ダメ……人に頼むなら『言わないでください、お願いします。』」

「くっ……い……言わないで……ください。お願いします……」

「分かればよろしいわ……！」

「(この女め……！！)」

「不満があるようで？」

「ございません……！！」

二人の仲間割れ？を見ていた竜太とヒナは呆れていた。

「(なんで仲間割れしてるんやあいつら……)」

「(本当ね……今しなくても終わってからでいいのでは？)」

「(お父さん……西名阪って何？)」

「(俺らの知らない世界や。)」

「(ふーん……)」

幹夫も交えて三人は完全に呆れ、竜太も闘う意欲を喪失しかけていたのである。

「私は３回程この辺を訪れたことがあるから地名の読み方もわかるし、古墳も見に行ったわ……さて高城君、今がチャンスよ！！」

「本当だ……行くぞ！！」

高城は突然、竜太にパンチを仕掛けてきたのである。竜太はパンチを避けたが風圧からか竜太の左ほほが切れて血が出てきたのである。

「強い……！！」

竜太は高城の力のすごさと修行の鍛練を改めて思い知らされたのである。