ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第14章・日常へ戻る時

浦一族

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その頃、あの松浦はブレード村の『グレイスワイドヒシ』会館で多数の人々(推定五百人)と共に手を合わせて正座でお祈りしていたのである。

「(王になりたい!!王になりたい!!王になりたい!!)」

明らかな下心丸出しの願いをしていた松浦の顔は少し欲のオーラを出しているような笑みを浮かべていた。

「(これで17日目……!!)」

もはや修行である。


一方、サッキーノでは3人がぼろぼろになっていた。マーティンと姫野と和也である。マーティンの仲間二人は宿毛達との戦いに参加できずにいたようだ。

「マーティンさん!!」

仲間の一人、今鍋の叫びにもマーティンは応じなかった。尚、三人を倒したのは……

「はははは……俺らの力を思い知ったか!!3人がかりで『指宿』一人にやられるとはな……これじゃあ女性最高幹部の『那覇(なは)』に我々のグループのトップである『隼(はやぶさ)』……隼の直属上司の『北斗(ほくと)』と『舞鶴(まいづる)』の2強に敵うはずがない。」

「2強……」

和也は宿毛の一言に反応した。だが和也もすでに虫の息であった。

「ああ……しかしさらに“上の幹部”もいる。3人でこれならだめだなこりゃ。」

「くそ……俺はお前といい『薄明(はくめい)』といいお前やお前の仲間には勝ててない……」

「お前、薄明さんと戦ったのか?あの人はW様と変わらない力を持ってらっしゃる。なに自惚れてんの?」

「お前ら二人が“あの事件”に関わったことは知っている……!!」

「ああ……“あの事件”か……」

「あの事件…………は……俺……と……雅也……の……人……生…………を…………狂……わせ……た……ハァハァ…………」

「もう二人は意識を無くしている。日輪さんや指宿さん達ももう去ったし貴様もとっとと諦めろよ。」

「ふざ……け……る……あ…………」

ついに和也も意識を失ったのである。3人が倒れているのを見て宿毛は笑っていたのであった。


和也はある音色を耳にして目を覚ましたのである。

「(これは雅楽……?)」

ヒナの世界に一時期住んだこともあるという和也はすぐに何の楽器か分かったようである。横には二人がすやすや寝ており、自身も怪我は完治していた。そして起きたら大きな布団の上で部屋も屋敷のような大きさであった。すると部屋に平安貴族のような着物姿の男性が現れたのである。

「おはようございます。私は浦(うら)一族の者でございます。」

「おはようございます……どちら様で?」

誰かは分からない。だが彼の笑顔を見て和也は敵ではないと判断したのである。
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