ヒナの国造り

第１４章・日常へ戻る時

護の謎①

護は間一髪で助かった。そしてジェルの身体を支えたのである。

「触るな！！斬るぞ！！」

「副作用が起きてる。無理をすると寿命を縮める…………」

「うるさい！！貴様は……貴様は……う……っ……！！」

敵であるにも関わらずジェルを助けてあげようとする護……彼の考えとは何か……それは誰にも分からない。


一方で飛鳥は紫丁香花にある質問をしたのである。

「あの……先程、７人のことを話していましたがあと一人とは誰ですか。」

実は先程、７人の名前を挙げた際に６人(『ジェル』『若い子』『常陸』『ホイケル』『オーサ』『紫丁香花』)しか名前を出していなかったのだ。

「７人出したわよ……」

「出てませんよ。あと一人は誰ですか。」

沈黙を貫こうとした紫丁香花だったが飛鳥に問い詰められてついに薄情したのである。

「最後の一人は……『リヴァイアサン』よ……」

「り……リヴァイアサン！？彼はＷと対立しているのでは！？」

最後の一人の名前に当然竜太は驚いた。春日も驚いていた。なぜならばリヴァイアサンとＷは険悪な関係で完全に対立していることで有名であるからだ。

「なぜリヴァイアサンが…………」

「実はリヴァイアサンとＷの仲が裂けたのはそんなに昔じゃなくてこの時の任務が終わるまでは蜜月な関係だったのよ。」

「蜜月……だったのか！？そういや以前までは仲が悪いと聞いた記憶がないや…………」

最近入ったばかりの飛鳥やリヴァイアサンとＷの蜜月関係を知らない春日はまさかの事実に驚きを隠せなかった。

「信じられないわ……リヴァイアサンとＷが仲がよかったなんて……」


一方、アディーマホテルのロビー。怪我をした男性をロジが手当てをしていたのである。

「いたっ！！」

「動くなスコッチ。だから最初に『放っておきな』と言ったのに……」

「しかしうるさい上に因縁のＷの部下が相手ですから……」

「はあ……あ、そういやお前は知らないかも知れないがリヴァイアサンとＷは元々仲間だったらしいよ。」

するとスコッチは目を大きくして驚いた。

「はぁ！？あの二人が！！？」

「バカ野郎！！動くな、怪我がしみるぞ！！」

「痛……すみません……それでその話は本当っすか？」

「嘘じゃないよ。お前は直接聞いたことはないだろうけど俺はリヴァイアサンから直接教えてもらったよ。」

どうやらリヴァイアサンとＷに何か関係があったようだが詳細は誰の口からも語られなかった。また護に何があったのか……それはジェルの能力の副作用を押さえようとしている護が知っている。