ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第15章・古座川町編

古座川の状況

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 旅館で激しい戦いが行われていた頃、古座川町の喫茶店で尚徳は息長園長と会話していたのである。


 「息長さん……ヒナちゃんが心配でならないです。」


 「大丈夫だと信じたいですね。」


 「はい……多分大丈夫だと思いたいですが連絡が全く無いのが心配でしてね……」


 「そうですね。あ、これこれ。由良さんの部下の『ミシェル』さんからこのような物を頂きました。」


 息長はズボンの右ポケットから携帯電話らしきものを取り出したのである。尚徳はその携帯らしいものを触ると見たこともないマップが表示されていたのである。


 「なんでしょうこの地図は?」


 「なんでしょうか?」


 地図はどこの場所かは全く分からないがある部分が光っていたのである。


 「なんでしょう?この光は?」


 「なんでしょう?もしかしてここにヒナちゃんが……?」


 「そもそもこれ自体、この世界の物では無いのでは?」


 「言われてみればこんな道具は見たこと無いですね……この世界の道具じゃないとしたら詳しく『ミシェル』さんから聞いておけばよかったですね。」


 二人は道具をよく理解できず、困ったようである。とりあえず二人は喫茶店を出て古座駅の前に移動したのである。


 「なぜ駅前に?」


 「駅前に来たらマップに変化があるだろうかと思いましてね。では見てみましょうか?」


 そして尚徳は携帯らしいマップを見ると深い変化はなく、先程と同じような感じであった。すると二人の横をある男性が通ったのである。


 「あれ、誰でしょうか?」


 「あの子……ヒナちゃんと同じ学校の子ですね息長さん。」


 男性はある人物に電話をかけたのである。


 「は凝らしめてやったぜ!!」


 「息長さん……母校をなんと……?」


 「何か“泥を塗った”と……?」


 「泥?どういう意味か分かりません。大体泥を塗ったとしても彼は関係ないでしょうに。しかも誰だろうその子は?」


 「若い子の心理なのか?ただ単に何らかの背景があるのか……?いずれにせよ分かりませんわ。」


 「それより息長さん……古座川を中心にヒナちゃんを探しましょう!!身に何かが起きているか心配です!!」


 「猫屋敷さん!!まずは大阪にも電話しましょう。そうしないと向こうでの情報が手に入りませんよ。」


 「そうでしたね。大阪府警にも連絡します。」


 すぐに大阪府警に電話を入れる尚徳。するとある男性担当が対応してくれたのである。


 「もしもし、お忙しいなかすみません。私は猫屋敷と申します。」


 「猫屋敷様ですね。私は大阪府警の『周参見野すさみの成功せいこう』と言います。何かありましたでしょうか?」


 この電話がヒナを救うきっかけになることになるとはこの時二人は知らずにいたのである。ただ最高のタイミングの電話であったことには変わりは無い。
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