457 / 762
第15章・古座川町編
「冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと」
しおりを挟む
電話を済ませて安心した尚徳に息長が優しく語りかけた。
「猫屋敷さん……あの子が養女であるのは承知の上で質問します。あの子の為に猫屋敷さんは物凄く動かれていますがその原動力とは何でしょうか?あの子の冒険への協力や前の特別措置といい私にはそこまで出来ません……」
「息長さんもやはりそう思われていましたか。はい……それはあの子が楽しく生きれるための僕なりの考えです。これまで辛い思いをして生きてきた彼女は冒険をすることが小さいときから好きだったから……その冒険で何かに巻き込まれないように少しでも力を貸してあげたいのです。」
「ほお……」
「あの子は色々な場所へと訪れるのが好きな子でそれが夢に見た冒険の旅です。そんなあの子の冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと……それが“父の使命”です。」
「猫屋敷さん…………」
「これくらいしてあげないと親失格です。」
「……!!」
尚徳の言葉に息長は心を打たれたのであった。その後二人は一旦古座川町内の廃校へと訪れ、校庭にあったベンチで会話をしたのであった。
「あの子の行方の情報は?」
「まだ入りませんね……」
尚徳は携帯型のマップのアイテムと携帯電話を持ちながら連絡を待つことにしたのである。その時、二人は気付かないが校舎の陰に先程の男性が居たのであった。
「もしもし……俺だ……黒岡だ……」
古座川ではフードを被っており、正体は分からなかったがどうやらあの黒岡であった。何を企んでいるかは分からないがある人物を嵌めたのは確定であった。
「1人は完全にケリをつけた。ついでにもう1人ケリをつける予定だ。また連絡する。」
黒岡は電話を切るとそのまま二人に気付かれないようにスッと去っていったのである。
「ん?誰か校舎の近くに……?」
「誰もいませんよ?」
「変ですね。おかしいなあ……」
二人は黒岡がいたことに気付かなかったのである。だが黒岡が狙うのは尚徳と息長では無いことは大体明白である。
「多分私たちを狙うスパイじゃないでしょうね。」
「狙うなら近くに隠れていますよ。拳銃を所持して……」
その頃、松原市の警察官である瀬戸はヒナの捜査を必死に続けていたのである。すると内線から連絡があったようだ。
「もしもし、瀬戸です。」
『セト君、今はどうだ?何らかの進展はあったか?』
「ありましたよ。それは……」
瀬戸は何らかの情報を仕入れていたようである。勿論ヒナに繋がるものかどうかはまだ分からないのだ。
一方の尚徳達は古座駅に再び戻ってきたのである。もしかすれば電車でここに戻るのではと考えていたからだ。だが一時間、二時間と待てどもヒナどころか同じ年齢の子すら見かけなかったのである。
「猫屋敷さん……あの子が養女であるのは承知の上で質問します。あの子の為に猫屋敷さんは物凄く動かれていますがその原動力とは何でしょうか?あの子の冒険への協力や前の特別措置といい私にはそこまで出来ません……」
「息長さんもやはりそう思われていましたか。はい……それはあの子が楽しく生きれるための僕なりの考えです。これまで辛い思いをして生きてきた彼女は冒険をすることが小さいときから好きだったから……その冒険で何かに巻き込まれないように少しでも力を貸してあげたいのです。」
「ほお……」
「あの子は色々な場所へと訪れるのが好きな子でそれが夢に見た冒険の旅です。そんなあの子の冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと……それが“父の使命”です。」
「猫屋敷さん…………」
「これくらいしてあげないと親失格です。」
「……!!」
尚徳の言葉に息長は心を打たれたのであった。その後二人は一旦古座川町内の廃校へと訪れ、校庭にあったベンチで会話をしたのであった。
「あの子の行方の情報は?」
「まだ入りませんね……」
尚徳は携帯型のマップのアイテムと携帯電話を持ちながら連絡を待つことにしたのである。その時、二人は気付かないが校舎の陰に先程の男性が居たのであった。
「もしもし……俺だ……黒岡だ……」
古座川ではフードを被っており、正体は分からなかったがどうやらあの黒岡であった。何を企んでいるかは分からないがある人物を嵌めたのは確定であった。
「1人は完全にケリをつけた。ついでにもう1人ケリをつける予定だ。また連絡する。」
黒岡は電話を切るとそのまま二人に気付かれないようにスッと去っていったのである。
「ん?誰か校舎の近くに……?」
「誰もいませんよ?」
「変ですね。おかしいなあ……」
二人は黒岡がいたことに気付かなかったのである。だが黒岡が狙うのは尚徳と息長では無いことは大体明白である。
「多分私たちを狙うスパイじゃないでしょうね。」
「狙うなら近くに隠れていますよ。拳銃を所持して……」
その頃、松原市の警察官である瀬戸はヒナの捜査を必死に続けていたのである。すると内線から連絡があったようだ。
「もしもし、瀬戸です。」
『セト君、今はどうだ?何らかの進展はあったか?』
「ありましたよ。それは……」
瀬戸は何らかの情報を仕入れていたようである。勿論ヒナに繋がるものかどうかはまだ分からないのだ。
一方の尚徳達は古座駅に再び戻ってきたのである。もしかすれば電車でここに戻るのではと考えていたからだ。だが一時間、二時間と待てどもヒナどころか同じ年齢の子すら見かけなかったのである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる