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第15章・古座川町編
竜太の災難
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尚徳が古座駅に着いた頃と同じ9月11日……なぜか電車に乗ったはずの竜太は自宅にいた。彼がなぜ自宅にいたのか?
駅で電車に乗るとアナウンスが流れてきたのである。
『これから“ヒューゴ”方面へと向かう予定でしたが、その周辺で大規模な地盤の崩壊があり少なくとも明日の早朝までは鉄道を利用できません。』
なんと鉄道を使えなくなったのだ。楽しみにしていた竜太は不快な気分に陥り、車両を出たのである。交通手段がこれ以上なく(というよりこの世界自体が交通手段が少ないのだ)イズムに行けなくなるとある電話がかかってきたのである。
「はい、もしもし……うっ……あなたですか……」
疲れていた表情がみるみる険しくなってきたのである。
「いえ……疎ましいとかではありません。何かありましたっけみたいな気分で……」
どうも苦手意識のある相手のようだ。竜太は先程までの楽しい気分がなくなり、嫌な気分となったのである。
「え……イズムで落ち合う?いや……せっかくの……いやぁ、別に嫌ではございません。12日朝に出発しますんでよろしくお願いします……」
もはや完全に相手に振り回される竜太であった。
「では、また明日よろしくお願いします……」
“プッ!”
「(この野郎……事情で妻達に行き先を言っていなかったのにバラしやがったなあ!!)」
非常に苛立つ竜太だが妻からも電話があった。
「もしもし竜太です。」
『もしもし邦子です。行き先を隠す必要なかったのに何かあったの?』
「事情が事情なだけに言えなかった……すまんなあ。」
『これからは安心して言ってよね!!』
「うん、ありがとう……!!じゃあ今から帰るわな。」
『OK!!』
“プッ!!”
「(あいつの名前言わなかったけど……ホンマにチクっとるやないかいっ!!)」
そして次は仕方なく会う予定の人に遅れることを連絡し、こちらは無事に済んだのであった。
「すみません……では明日またよろしくお願いします。」
“プッ!!”
「ふう……終わった。」
二日前は父方の血筋を侮辱され、そしてこの日はイズムに行けなくなるばかりか厄介な人物と会うことが決まり、災難だらけの竜太であった。しかもせっかくの情報集めの旅がややこしくなりそうなのである。
そして12日朝、妻と子供の見送りを受けて竜太はラビリンシングタウンの駅へと向かう。駅へと向かう竜太にある占い師のお婆さんが声をかけてきたのである。魔女みたいな姿に水晶玉を台の上に乗せてまんまの占い師であった。
「お兄さんや……」
「はい?」
「あることを教えてやろう。この町で近い未来戦争が起きるぞ……」
「ハハハ……何を言い出すかと思えば。この街は平和な場所だ。戦争などあり得ないで。」
「私には未来が見えるのじゃ……」
「それなら一応頭に入れておくわ。お疲れ様……!!」
そう言って再び竜太はラビリンシングタウンの駅へと向かったのである。ホームに到着した昨日と同じ電車に乗り、一旦『キノザック』で乗り換えをした後でそのまま『イズム』行きの特急列車に乗って昼過ぎには到着したのであった。改札口を出てすぐの場所にいると彼のもとに向かう人影があった。
「あ、あいつや……」
竜太が改札口前で見たある人物とは……?
時間は昨日に戻り、11日。妙造のいる旅館内は混乱をきわめていた。
駅で電車に乗るとアナウンスが流れてきたのである。
『これから“ヒューゴ”方面へと向かう予定でしたが、その周辺で大規模な地盤の崩壊があり少なくとも明日の早朝までは鉄道を利用できません。』
なんと鉄道を使えなくなったのだ。楽しみにしていた竜太は不快な気分に陥り、車両を出たのである。交通手段がこれ以上なく(というよりこの世界自体が交通手段が少ないのだ)イズムに行けなくなるとある電話がかかってきたのである。
「はい、もしもし……うっ……あなたですか……」
疲れていた表情がみるみる険しくなってきたのである。
「いえ……疎ましいとかではありません。何かありましたっけみたいな気分で……」
どうも苦手意識のある相手のようだ。竜太は先程までの楽しい気分がなくなり、嫌な気分となったのである。
「え……イズムで落ち合う?いや……せっかくの……いやぁ、別に嫌ではございません。12日朝に出発しますんでよろしくお願いします……」
もはや完全に相手に振り回される竜太であった。
「では、また明日よろしくお願いします……」
“プッ!”
「(この野郎……事情で妻達に行き先を言っていなかったのにバラしやがったなあ!!)」
非常に苛立つ竜太だが妻からも電話があった。
「もしもし竜太です。」
『もしもし邦子です。行き先を隠す必要なかったのに何かあったの?』
「事情が事情なだけに言えなかった……すまんなあ。」
『これからは安心して言ってよね!!』
「うん、ありがとう……!!じゃあ今から帰るわな。」
『OK!!』
“プッ!!”
「(あいつの名前言わなかったけど……ホンマにチクっとるやないかいっ!!)」
そして次は仕方なく会う予定の人に遅れることを連絡し、こちらは無事に済んだのであった。
「すみません……では明日またよろしくお願いします。」
“プッ!!”
「ふう……終わった。」
二日前は父方の血筋を侮辱され、そしてこの日はイズムに行けなくなるばかりか厄介な人物と会うことが決まり、災難だらけの竜太であった。しかもせっかくの情報集めの旅がややこしくなりそうなのである。
そして12日朝、妻と子供の見送りを受けて竜太はラビリンシングタウンの駅へと向かう。駅へと向かう竜太にある占い師のお婆さんが声をかけてきたのである。魔女みたいな姿に水晶玉を台の上に乗せてまんまの占い師であった。
「お兄さんや……」
「はい?」
「あることを教えてやろう。この町で近い未来戦争が起きるぞ……」
「ハハハ……何を言い出すかと思えば。この街は平和な場所だ。戦争などあり得ないで。」
「私には未来が見えるのじゃ……」
「それなら一応頭に入れておくわ。お疲れ様……!!」
そう言って再び竜太はラビリンシングタウンの駅へと向かったのである。ホームに到着した昨日と同じ電車に乗り、一旦『キノザック』で乗り換えをした後でそのまま『イズム』行きの特急列車に乗って昼過ぎには到着したのであった。改札口を出てすぐの場所にいると彼のもとに向かう人影があった。
「あ、あいつや……」
竜太が改札口前で見たある人物とは……?
時間は昨日に戻り、11日。妙造のいる旅館内は混乱をきわめていた。
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