ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

１０月１０日⑨

　顔が恐怖で引きつる中井の横に二人の男性が現れたのである。


　「ハリーです。」


　「アビーです。僕達は兄弟で僕が弟です。」


　二人は福岡ふくおか家出身の兄弟で周参見野すさみの俊策しゅんさくと弟・俊一しゅんいちの母方曾祖父(母の父の父)とハリー達の父方曾祖父(父の父の父)が兄弟だというのだ。しかしこの二人はグリーンウッドフィールドの部下であり、中井の部下である。


　「中井、彼らは？」


　平田が質問をすると中井はあっさり答えたのである。


　「ああ、俺の部下であり再従兄でもある。俺の父方祖母と彼らの父方祖母が姉妹なんだよ。俺の祖母が妹だとさ……」


　平田は親戚の広い中井のを話を聞いて感心したのである。とはいってもこの５人はグリーンウッドフィールドの遠縁とも言われているが。すると誰かの声がしたのである。


　「身内の集まりというのが気に食わんなあ。」


　「まあそんなこと言わないでくださいよ清亘きよわたりさん……」


　苦言を出したのはメータ村出身で身寄りなしでここまで生きてきたという『清亘きよわたり達たつ』という人物である。彼はグリーンウッドフィールドの長年の部下でもある。


　「…………ハリー、身内だけじゃ強くなれないんだぜ？」


　「おお……納得ですタツさん。」



　●福岡ふくおかハリー(兄・通称『高飛びのハリー』。)

　●福岡ふくおかアビー(弟・通称『八面六臂のアビー』。)



　●清亘きよわたり達たつ(通称・『内部破壊のタツ』。)


　しかしグリーンウッドフィールドには人材が豊富なのかたくさんの人物が現れる。


　「たくさんいるねえ……タツ……」


　「ばかやろ。グリーンウッドフィールド様だぞ！？一人や二人どころかたくさんの人々に慕われるあの御方なら十分に軍隊など作れるのだ。」


　「そうだな……確かに……」


　大谷にグリーンウッドフィールドの凄さを簡単に説明したタツはニヤリと笑ったのである。そしてある部下の一人は呟いた。


　「(すげえ……福岡兄弟に清亘達はんと大物の戦士ばかりじゃないか……これは頼もしいぞ！！)」


　それが聞こえたのか大祐は笑顔を見せ、ヒロは顔をしかめた。そしてステラガーデンに全員で向かい、スナック達と共に処刑台の準備に協力したのである。


　「間違いなく……成功するだろうな。何も無ければ…………」


　スナックは仲間の面々を確認すると自信が沸いてきたのかイベントの成功を確信したのである。だが彼らの自信満々の笑みは……