527 / 762
第16章・ステラガーデン編
闇の世界と“モルガナ女王妃の真実”③~特別な思い~
しおりを挟む
ベアトリクスと小伊霊が対峙している頃、スーザックのある“周参見野”家の墓に少し高齢の男性が訪れていた。
「おい……“母”よ!!俺はあんたとの約束を守れなかったよ……!!それどころかあんたの眠る墓にあいつまで眠らせてしまった!!」
男性は涙を大量に流しながら墓に眠る母親と思われる人物に語りかけていたのであった。
「あんたの大切な孫を死なせて、さらに大切な曾孫の一人を敵に渡してしまった……こんな悔しいことはない!!全て権力に俺達はめちゃくちゃにされてしまった!!権力が無ければあいつも殺されなかったしこのようなことすら無かった!!」
男性は墓にしがみつき悔しさを大声でぶちまけていた。
「墓でこんなことをいうのも非常識過ぎるが“あいつらを潰したい”!!権力のせいで俺らはめちゃくちゃになりあいつの友人だったあの子も故郷を追われた!!平等すらなく矛盾しかないんだよ……この世は……!!」
するとスーザックには雨が降ったのである。だが男性は墓から去ろうとはしなかったのである。
「あいつを……守りきれなかった。あいつは……俺の失態で死なせたと一緒だ!!誰にも内緒でスーザックに来てくれていたあの子もどれだけ悲しんでいたか……!!!」
…………回想に入る…………
まだ若かった当時のその男性はスーザックの郊外で一人暮らしをしていたのである。すると彼の母親が訪問したのである。その母親は赤ん坊を抱いていたのである。
「あんた……暇ならこの子を育ててみないか?」
「はっ!?急にやって来てからに何を抜かす!?母!!知らないガキンチョなど育てとうも……」
「バカたれ!!あんたの妹の子だよ!?」
男性の母親は抵抗する彼に怒りを露にしたのであった。そして男性に事情を説明したのであった。
「この子はな……父親がある島の王家の子なんだがやつには妃がいてな……この子を育てることができないんだよ。だからあんたが興味あるなら育ててやってほしいんだ……」
「は?俺は自分の子供なら育てるが他人のガキンチョなぞ育てる気にも…………」
「…………あんたにある言葉を伝える。私がいた古座山家に代々伝わる言葉だよ。そこに生まれた私はこの言葉を背負い、実子のあんたたちだけじゃなくて養子や孤児の世話もしてきたんだ……その言葉はね……」
…………回想から場面はゴーザの孤児院に変わる。
「……『繋がる子供も繋がらない子供もいとおしい存在に変わりはない。寂しい子供に愛を捧げよ』……私の実家ではこの言葉が代々伝わるの……」
言葉の主はゴーザの孤児院の先生である直子だった。彼女はあの由良畑との結婚が決まり、新しい人生を切り開こうとしていた。だがもちろん変わらない部分もある。
「先生はユーランの一族に嫁ぎ、これからは新しい未来と家庭を作っていきます。でも私はずっとこれからもこの孤児院の子供達の親代わりになり、皆とふれあっていきたいです。事情で休むときもあるかも知れませんがそれでもまた帰ってきます。だから……だから……私はいつまでも皆のお母さんでありたい。」
孤児院で子供達全員を集めて思いを明かす直子に将志やリンをはじめとする子供達や職員達は拍手を惜しまなかった。それは彼女の本当の思いだと皆が知っていたからだ。
「みんな……寂しい思いをしていたら今まで通り私に伝えてね……私はあなた達のお母さんだから……!!」
直子は古座山家の言葉を胸に孤児院の子供への思いを出したのであった。伴侶となる由良畑もまた子供への思いは変わらないのだという。空を仰ぎ、直子は涙を少し浮かべていた。
「(子供達の幸せのためにこれからも……頑張る。そしてヒナちゃんも頑張ってね。)」
…………一方、男性の回想に戻る。
子供を引き取ってから10年が経ち、男性は貧乏ではあったが子育ては心より楽しんでいたのであった。すると母親が彼の元を訪れたのである。
「お……母か。久しぶりやな。親父はあいにくアレか?」
「ああ……今日も飲みに行ってるわ。情けない亭主だこと。それに比べてあんたは子供を引き取ってから賭け事も酒も完全に断ったわね。」
「当たり前だろ。子供にそんな姿は見せたくもないわ。」
「さすが私の息子だな……でもこの子はただの子供じゃないよ……」
「?」
「この子は“神の子”よ……この世界が歪むときにこの子は助けてくれるかもしれない……そう期待してるわ。」
「なぜそう思ったんだ?」
「私の父の顔にその子の顔が似ていたから……父はずっと誰かのために頑張って生きてきた……だからこの子もそうなってくれるはずだから……」
「母……ああ、こいつを立派な人間に俺が育てたる!!」
「ありがとうね……」
男性は笑顔の母親が涙を浮かべていることに気付いていた。
「(必ずこいつを立派に……)」
…………回想を終わる。
墓に抱きつきながら涙を流していた男性の元に若い男性が傘を差してやって来たのであった。若い男性は持っていたもう一本の傘を男性に渡したのである。
「おじいちゃん……ここにいたのか……風邪引くよ……」
「だけど……俺は……」
「大丈夫。ダグは帰ってくるさ。だから今は帰ろうよ。一緒にご飯食べよう。」
すると男性は傘を受け取って差すと若い男性と二人で家へと帰っていったのであった。
一方のベアトリクスと小伊霊の対峙は今も続いていた。そして小伊霊は衝撃の事実を発するのであった。
「おい……“母”よ!!俺はあんたとの約束を守れなかったよ……!!それどころかあんたの眠る墓にあいつまで眠らせてしまった!!」
男性は涙を大量に流しながら墓に眠る母親と思われる人物に語りかけていたのであった。
「あんたの大切な孫を死なせて、さらに大切な曾孫の一人を敵に渡してしまった……こんな悔しいことはない!!全て権力に俺達はめちゃくちゃにされてしまった!!権力が無ければあいつも殺されなかったしこのようなことすら無かった!!」
男性は墓にしがみつき悔しさを大声でぶちまけていた。
「墓でこんなことをいうのも非常識過ぎるが“あいつらを潰したい”!!権力のせいで俺らはめちゃくちゃになりあいつの友人だったあの子も故郷を追われた!!平等すらなく矛盾しかないんだよ……この世は……!!」
するとスーザックには雨が降ったのである。だが男性は墓から去ろうとはしなかったのである。
「あいつを……守りきれなかった。あいつは……俺の失態で死なせたと一緒だ!!誰にも内緒でスーザックに来てくれていたあの子もどれだけ悲しんでいたか……!!!」
…………回想に入る…………
まだ若かった当時のその男性はスーザックの郊外で一人暮らしをしていたのである。すると彼の母親が訪問したのである。その母親は赤ん坊を抱いていたのである。
「あんた……暇ならこの子を育ててみないか?」
「はっ!?急にやって来てからに何を抜かす!?母!!知らないガキンチョなど育てとうも……」
「バカたれ!!あんたの妹の子だよ!?」
男性の母親は抵抗する彼に怒りを露にしたのであった。そして男性に事情を説明したのであった。
「この子はな……父親がある島の王家の子なんだがやつには妃がいてな……この子を育てることができないんだよ。だからあんたが興味あるなら育ててやってほしいんだ……」
「は?俺は自分の子供なら育てるが他人のガキンチョなぞ育てる気にも…………」
「…………あんたにある言葉を伝える。私がいた古座山家に代々伝わる言葉だよ。そこに生まれた私はこの言葉を背負い、実子のあんたたちだけじゃなくて養子や孤児の世話もしてきたんだ……その言葉はね……」
…………回想から場面はゴーザの孤児院に変わる。
「……『繋がる子供も繋がらない子供もいとおしい存在に変わりはない。寂しい子供に愛を捧げよ』……私の実家ではこの言葉が代々伝わるの……」
言葉の主はゴーザの孤児院の先生である直子だった。彼女はあの由良畑との結婚が決まり、新しい人生を切り開こうとしていた。だがもちろん変わらない部分もある。
「先生はユーランの一族に嫁ぎ、これからは新しい未来と家庭を作っていきます。でも私はずっとこれからもこの孤児院の子供達の親代わりになり、皆とふれあっていきたいです。事情で休むときもあるかも知れませんがそれでもまた帰ってきます。だから……だから……私はいつまでも皆のお母さんでありたい。」
孤児院で子供達全員を集めて思いを明かす直子に将志やリンをはじめとする子供達や職員達は拍手を惜しまなかった。それは彼女の本当の思いだと皆が知っていたからだ。
「みんな……寂しい思いをしていたら今まで通り私に伝えてね……私はあなた達のお母さんだから……!!」
直子は古座山家の言葉を胸に孤児院の子供への思いを出したのであった。伴侶となる由良畑もまた子供への思いは変わらないのだという。空を仰ぎ、直子は涙を少し浮かべていた。
「(子供達の幸せのためにこれからも……頑張る。そしてヒナちゃんも頑張ってね。)」
…………一方、男性の回想に戻る。
子供を引き取ってから10年が経ち、男性は貧乏ではあったが子育ては心より楽しんでいたのであった。すると母親が彼の元を訪れたのである。
「お……母か。久しぶりやな。親父はあいにくアレか?」
「ああ……今日も飲みに行ってるわ。情けない亭主だこと。それに比べてあんたは子供を引き取ってから賭け事も酒も完全に断ったわね。」
「当たり前だろ。子供にそんな姿は見せたくもないわ。」
「さすが私の息子だな……でもこの子はただの子供じゃないよ……」
「?」
「この子は“神の子”よ……この世界が歪むときにこの子は助けてくれるかもしれない……そう期待してるわ。」
「なぜそう思ったんだ?」
「私の父の顔にその子の顔が似ていたから……父はずっと誰かのために頑張って生きてきた……だからこの子もそうなってくれるはずだから……」
「母……ああ、こいつを立派な人間に俺が育てたる!!」
「ありがとうね……」
男性は笑顔の母親が涙を浮かべていることに気付いていた。
「(必ずこいつを立派に……)」
…………回想を終わる。
墓に抱きつきながら涙を流していた男性の元に若い男性が傘を差してやって来たのであった。若い男性は持っていたもう一本の傘を男性に渡したのである。
「おじいちゃん……ここにいたのか……風邪引くよ……」
「だけど……俺は……」
「大丈夫。ダグは帰ってくるさ。だから今は帰ろうよ。一緒にご飯食べよう。」
すると男性は傘を受け取って差すと若い男性と二人で家へと帰っていったのであった。
一方のベアトリクスと小伊霊の対峙は今も続いていた。そして小伊霊は衝撃の事実を発するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜
来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。
自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。
「お前は俺の番だ」
番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。
一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。
執着と守護。すれ違いと絆。
――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。
甘さ控えめ、でも確かに溺愛。
異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
妻が通う邸の中に
月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる