ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

竜太ＶＳレンジ①

　戦いを前にレンジは呟いた。


　「是非とも子孫と一戦を交えたかったがよりによってあんたみたいな縁なしと戦うことになるとはな・・・来いっ！！」


　「縁なしで悪かったな・・・それにお前・・・王の品格がないな。」


　「けっ・・・！！」


　レンジが挑発をすれば竜太も挑発をする。とにかく二人の闘志は強くなっていた。


　“シャキーン！！”


　すると二人は剣を交え合う。戦いは始まったがレンジはやや余裕そうな表示を浮かべていたのである。


　「そんなもんか？」


　「ハハハハ・・・んな訳ねえ！！」


　すると竜太も豪快に笑いながらレンジを振り払う。しかしレンジは竜太の強さを分かっても不気味な笑顔を絶やさない。


　「ふう・・・なかなかだな。」


　「(ん・・・このレンジという野郎、俺を“なかなか”呼ばわりだと？)」


　レンジの余裕ぶった表情に苛立つ竜太はがむしゃらに斬りつけるも攻撃はすべて剣で防がれてしまったのである。少しずつバテてきた竜太だがここで諦めないのが彼の真骨頂である。


　「おもしれえ！いくぞぉ！！」


　すると竜太は剣を持ちながらアクロバットを披露したのである。そして着地をするとレンジの胸近くから出血したのである。


　「・・・！？」


　「俺はな・・・アクロバット剣技を使えるんや。なかなかの特殊業わざだ。」


　「く・・・意外とやるじゃねえか！！」


　するとレンジは剣を構えながらダッシュして竜太を横切ると彼の腹部の部分が出血したのである。


　「くっ・・・素早いじゃねえか。」


　「ふんっ！！俺の剣術は普通の修行で身に付くもんじゃねえ！！」


　「言うねえ・・・」


　菊三朗とキララはただ竜太の姿を見守るのみであった。


　「竜太さん・・・」


　「竜太君・・・負けるな。」


　竜太は手強い相手と感じたのか真剣な表情で戦っていたのである。集中力を高めた以上、誰の声も応援も聞こえないのだ。


　「(・・・本当にこいつは王家の・・・？)」


　「おい、貴様。俺が王だというのを疑っているな？」


　「疑っていたら・・・どうする？」


　「それなら貴様にいい話をしてやろう。歴史に関わる重大な・・・な？」


　「？」


　突然レンジの口から出てきた“歴史”の話。竜太は衝撃の事実を知ることになる！！