622 / 762
第17章・ステラガーデン死刑台編
ライコウの怒りと『矛盾』①
しおりを挟む
一方、死刑執行の中心人物となる【鳥海寺ライコウ】は部下を集めて死刑台のあるガーデンの入口付近にいたのである。この時、彼は部下から質問を受けた。
「ところでライコウさんは目的はあるんですか?」
「ある・・・必ず果たしたい目的が・・・」
そう語るライコウの記憶にはある悲惨な光景が残っていた。
もはや消すことも出来ない強力な炎に包まれたとある豪邸。その現場には周りの大人に身体を押さえつけられた少年期のライコウが涙ぐんで叫んでいた。
「離してくれっ!!家族が中にまだ居るんだっ!!親父っ!!お袋っ!!おじいちゃんっ!!エンディ!!オレン!!」
「やめろ!!死にに行くつもりかっ!!」
「離してくれよっ!!俺の・・・家族が・・・家族が・・・あの燃える家の中に居るんだっ!!」
「だからと言って君が行ってどうなる!?助けられるのか!?」
「でも・・・離してっ!!家族が死んじゃう!!助けてっ!!助けてよっ!!」
ライコウの悲痛な叫びもむなしく一時間後に鎮火した。そして後に焼け跡から5人の焼死体が発見されたのである。
数日後、ライコウは叔父の協力もあって葬式の喪主を務めていたがある訪問者を見つけると怒りを露にした。
「あんた・・・あの時の・・・!!」
「この度は御愁傷様だったな・・・」
それは火災の現場でライコウを押さえた男性であった。彼はライコウの両親の親友だったという。
「・・・何しに・・・来た?」
「何しにって・・・君の両親と親友だったから・・・」
「何しに来たっ!!?」
「!?」
「あんたがあの時に俺を押さえつけていなければみんなは助かったんだっ!!!俺が助けたんだっ!!!よくも邪魔しやがって!!!」
「やめなさいっ!!ライコウ!!」
男性に怒りを露にするライコウを叔父が制止しようとした途端、男性は右手の拳でライコウの右頬を殴り付けたのである。ライコウはぶっ飛び、一瞬ぐったりしたがすぐに起き上がったのである。
「てめえ・・・!!この場で暴力を振りやがって!!ぶっ殺してやるっ!!!」
「・・・」
「!?」
すると男性は悔し涙を流していたのである。それを見たライコウは殴りかかろうとしたのを止めたのである。
「おっさん・・・」
「ライコウ君・・・君の気持ちは分かる・・・!!だけどあそこに行けば君も死んでいた。それだけは・・・絶対にさせたくなかった!!」
「!?」
「君が死んだら・・・二人の・・・二人の・・・うっ・・・二人の約束を守れなくなるから・・・!!」
回想に入り数年前、男性はライコウの両親と久々に再会したのであった。その時にライコウの話題が出た時にライコウの父親は男性にこう言ったのだ。
「ライコウは僕らにとってはじめての子供でな・・・本当に良い子で優しい性格なんだ。これからは妹のエンディや弟のオレンを引っ張るたくましいお兄ちゃんになるから君にはライコウ君をサポートしてあげてほしいんだ。」
「鳥海寺君・・・」
「ライコウを小さいときから知っているあなたならこの子を守ってくださることを信じていますわ。この子は未来に繋がる存在・・・あなたの優しさで包んであげてくださいね。」
「・・・はい。ライコウ君を僕も守れるように頑張ります。」
回想を終え、そして男性はライコウを強く抱きしめたのだ。彼はライコウが小さいときから火災の日まで長らく再会できず、あの日にライコウの両親と会う予定だったことやたまたま火の中に入ろうとしたライコウを見つけて必死で制止しようとしたこと・・・など色々な想いを込めてライコウを抱きしめていた。
「辛い想いをさせてごめんな・・・だけど二人の大切な宝物だった君を失いたくなかった・・・俺がこれからは何があっても守ってやるから。会う機会は少ないけどいつでも見守っていくからな・・・!!」
男性に抱きしめられたライコウは号泣していた。叔父も参列者も皆、涙を浮かべながら二人を見守っていた。
それから年は流れ、ライコウが会社で勤めていた時のこと。会社から自宅に帰る途中ある男性がライコウに近寄ってきたのである。
「ねえ・・・君。鳥海寺ライコウ君だね。」
「ええ、そうですが・・・あなたは?」
「それなら話は早い。君の家族を殺した連中の正体が分かったから僕達の仲間になるなら教えてあげるよ。」
「ほ・・・本当ですか!?」
突然話しかけてきた男性。この悪夢の出会いがライコウの運命を大きく変えることになろうとはまだ誰も分からなかった。
一方、死刑執行当日のスーザックの集合墓地である墓を訪れていた男性は墓に向かってあることを語る。
「なんとか・・・あいつを・・・助けてやりたい。お前の力が必要だよ・・・トシ・・・」
男性の目には涙が浮かんでいた。
「ところでライコウさんは目的はあるんですか?」
「ある・・・必ず果たしたい目的が・・・」
そう語るライコウの記憶にはある悲惨な光景が残っていた。
もはや消すことも出来ない強力な炎に包まれたとある豪邸。その現場には周りの大人に身体を押さえつけられた少年期のライコウが涙ぐんで叫んでいた。
「離してくれっ!!家族が中にまだ居るんだっ!!親父っ!!お袋っ!!おじいちゃんっ!!エンディ!!オレン!!」
「やめろ!!死にに行くつもりかっ!!」
「離してくれよっ!!俺の・・・家族が・・・家族が・・・あの燃える家の中に居るんだっ!!」
「だからと言って君が行ってどうなる!?助けられるのか!?」
「でも・・・離してっ!!家族が死んじゃう!!助けてっ!!助けてよっ!!」
ライコウの悲痛な叫びもむなしく一時間後に鎮火した。そして後に焼け跡から5人の焼死体が発見されたのである。
数日後、ライコウは叔父の協力もあって葬式の喪主を務めていたがある訪問者を見つけると怒りを露にした。
「あんた・・・あの時の・・・!!」
「この度は御愁傷様だったな・・・」
それは火災の現場でライコウを押さえた男性であった。彼はライコウの両親の親友だったという。
「・・・何しに・・・来た?」
「何しにって・・・君の両親と親友だったから・・・」
「何しに来たっ!!?」
「!?」
「あんたがあの時に俺を押さえつけていなければみんなは助かったんだっ!!!俺が助けたんだっ!!!よくも邪魔しやがって!!!」
「やめなさいっ!!ライコウ!!」
男性に怒りを露にするライコウを叔父が制止しようとした途端、男性は右手の拳でライコウの右頬を殴り付けたのである。ライコウはぶっ飛び、一瞬ぐったりしたがすぐに起き上がったのである。
「てめえ・・・!!この場で暴力を振りやがって!!ぶっ殺してやるっ!!!」
「・・・」
「!?」
すると男性は悔し涙を流していたのである。それを見たライコウは殴りかかろうとしたのを止めたのである。
「おっさん・・・」
「ライコウ君・・・君の気持ちは分かる・・・!!だけどあそこに行けば君も死んでいた。それだけは・・・絶対にさせたくなかった!!」
「!?」
「君が死んだら・・・二人の・・・二人の・・・うっ・・・二人の約束を守れなくなるから・・・!!」
回想に入り数年前、男性はライコウの両親と久々に再会したのであった。その時にライコウの話題が出た時にライコウの父親は男性にこう言ったのだ。
「ライコウは僕らにとってはじめての子供でな・・・本当に良い子で優しい性格なんだ。これからは妹のエンディや弟のオレンを引っ張るたくましいお兄ちゃんになるから君にはライコウ君をサポートしてあげてほしいんだ。」
「鳥海寺君・・・」
「ライコウを小さいときから知っているあなたならこの子を守ってくださることを信じていますわ。この子は未来に繋がる存在・・・あなたの優しさで包んであげてくださいね。」
「・・・はい。ライコウ君を僕も守れるように頑張ります。」
回想を終え、そして男性はライコウを強く抱きしめたのだ。彼はライコウが小さいときから火災の日まで長らく再会できず、あの日にライコウの両親と会う予定だったことやたまたま火の中に入ろうとしたライコウを見つけて必死で制止しようとしたこと・・・など色々な想いを込めてライコウを抱きしめていた。
「辛い想いをさせてごめんな・・・だけど二人の大切な宝物だった君を失いたくなかった・・・俺がこれからは何があっても守ってやるから。会う機会は少ないけどいつでも見守っていくからな・・・!!」
男性に抱きしめられたライコウは号泣していた。叔父も参列者も皆、涙を浮かべながら二人を見守っていた。
それから年は流れ、ライコウが会社で勤めていた時のこと。会社から自宅に帰る途中ある男性がライコウに近寄ってきたのである。
「ねえ・・・君。鳥海寺ライコウ君だね。」
「ええ、そうですが・・・あなたは?」
「それなら話は早い。君の家族を殺した連中の正体が分かったから僕達の仲間になるなら教えてあげるよ。」
「ほ・・・本当ですか!?」
突然話しかけてきた男性。この悪夢の出会いがライコウの運命を大きく変えることになろうとはまだ誰も分からなかった。
一方、死刑執行当日のスーザックの集合墓地である墓を訪れていた男性は墓に向かってあることを語る。
「なんとか・・・あいつを・・・助けてやりたい。お前の力が必要だよ・・・トシ・・・」
男性の目には涙が浮かんでいた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜
来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。
自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。
「お前は俺の番だ」
番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。
一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。
執着と守護。すれ違いと絆。
――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。
甘さ控えめ、でも確かに溺愛。
異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
妻が通う邸の中に
月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる