ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

光の希望と絶望⑬～謎の旅人～

　光とヤレドの元に現れた例のアキッドとフォレンドの懲りない二人組がこの日は自信満々げであった。


　「私と関わるなと言ったはずだ。」


　「いやいや、ヤレドさんとやら。俺達の計画を狂わせた罪を償ってもらわなくちゃいけないでしょうに・・・！！」


　「まだあのこと・・・・を根に持っていたのか。男のくせして情けない・・・」



　～光のいる世界の別の場所～

　その頃、ある山の頂で大きな鞄を持つ男性がテントを設備してから景色を眺めていたのである。


　「ここが・・・伝説の地・・・！！考古学者の権威であった友永ともなが遊矢ゆうやの調べた歴史が正しいのか確認できるな。」


　その男性はテンガロンハットを被っていた。すると男性はなぜか歌い始めたのである。


　「我らがアミ！！エクスプレスの～アミ～♪小谷こたにの尾を引く～奇跡のアミ～♪以上『エクスプレスの阿弥』でした。ファッファッファッファッ！！」


　意味不明の歌である。彼は一人で笑っていたのである。ちなみにこの歌を耳にした者は誰もいないという。


　～同・別の場所～


　もう一人、不思議な旅人がいたのである。彼はリュックサックしか背負っておらず、普通の旅人とは違うようだ。


　「(ここは・・・まあいい。調べてみる価値はある。)」


　するとある場所に到着したある旅人は声を聞いたのである。その声とは・・・？



　～ヤレド宅～


　「てめえ！！ヤレド！！ぶっ殺してやる！！」


　「かかってきなさいよ！！」


　最早混沌と化すヤレド宅。光はひっそりと家を出ようとしたら服の後ろの襟を引っ張られたのである。


　「逃げるなよてめえ・・・！！」


　「ひい～～っ！！！」


　家の中で暴れまくるアキッドを何とか制止しようとするヤレドであったがアキッドもフォレンドも何に怒っているか何も言わずにただ暴れまくるので光も対応策が分からず困っていたのであった。するとまた玄関をノックする音が聞こえたがこれにはフォレンドが対応したのである。するとそこにいたのはあの・・リュックサックだけの旅人であった。


　「何だよてめえ？？！取り込み中なんだよ！！」


　「いえ・・・ちょっと騒がしいので注意しに来ただけですよ。」


　苛立つフォレンドに対して男性はニコッとしていたがリュックサックからタブレットらしきものを取り出して電源をつけると保安官が活躍するドラマが流れていたのである。


　「何だ？何がしたいんだ貴様！？」


　「もうすぐ面白いものが見れますよ。」


　そう言うと突然映像の保安官の大軍が画面の方に向かって走ってくるとなんとタブレットらしきものの中から飛び出してきたのである。


　「こらっ！！タイムトラベル犯罪コンビ！！【ロック・アキッド】！！【フォレンズ・フォレンド】！！貴様らをこの私、【日尻ひじり真虎まとら】が逮捕する！！」


　「能力者リミッター！！？」


　映像から飛び出した二人は日尻達に捕らえられてしまい保安官達は映像の中に戻らずタイムマシン兼パトカーと思われる特殊な車を用意したのでそれに乗せられて連行されたのであった。


　「良かった。」


　安堵するヤレドだが光は男性に質問したのである。


　「一体・・・あなたは・・・」


　「僕は浜田京はまだきょう普忠ひろただといいます。映像ディレクターの仕事をしています。」


　すると光に対して普忠は懐かしい顔ぶれを見たような表情になったのであった。