奥手(?)な天才×秀才魔法使いカップル3ヶ月目の邪魔され初デート計画

プリオネ

文字の大きさ
16 / 27
第四章 非公認のカップル

15話 相性の良さ

しおりを挟む


「いいの?嬉しい。さすがハヤト君、話が早い」

 ハヤトに握られた手を見て、ヴィランヌは嬉しそうに肩を跳ねさせた。なあんだ、やっぱりストレス溜まってたんじゃない、と勝ち誇った笑顔で体を寄せる。

 先ほどまであれ程の人で溢れかえっていたフェスティバルの会場は、ホールでの魔物騒ぎが耳に入ったのか、すっかり人けがなくなっていた。当然オリビアや、一緒にいたと聞かされた男も視界には映らない。

「そうだよ、僕と君が合うんならね」

 ハヤトは辺りを見渡すのをやめて、ニヤニヤとヴィランヌの髪を指に巻き付けた。つややかにカールする自慢の髪が彼に弄ばれて形を変えていく様を、ヴィランヌは流し目で確認する。

「もちろん!ハヤト君、女の子慣れしてるわよね。それなのにあなたの彼女は勉強ばっかり。……どうせあっちの方も経験無いんでしょ、あの子のせいで」

「……オリビアは嫌がるんだよ」

 肩をすくめるハヤトに、ヴィランヌの口は大きく横に広がっていく。しめたとばかりに鼻を鳴らし、彼に同情をしてみせた。

「ハヤト君ほんとかわいそう。ねぇ、ここで愚痴聞くのもなんだし、宿舎に帰ろうよ!私の部屋行かない?そう、さっきのゴブリンが怖くて、もうこんな所にいたくないのよ」

 そして彼に一歩近づき、耳元で囁いた。

「私はあの子と違って、結構積極的よ。アイスよりも甘い、お礼……何でもしてあげる」

 色気たっぷりに、吐息を混ぜてゆっくりと声を聞かせ、ハヤトを煽る。しかしハヤトは顔色ひとつ変えず、ヴィランヌの肩を掴んで引き剝がした。反対の手をポケットに入れて、何かを探す。

「いや、ここでいいよ」

「えっ…?なに、もしかしていきなり野外?ハヤト君、大胆ね。さすがに私もまだ経験ないけど、ちょっと興味あるかも……」

 ハヤトの言葉の意図を汲み、赤ら顔で体をくねらせる。そんな彼女に、ハヤトはポケットの中に手ごたえを感じて引っ張り出した物を見せつけた。

「違うけど、似たようなものかな。オリビアには断られたんだけど……君は出来る?これ付けてこの公園歩いてよ」

「…………」

「ほら、どうなの?嫌かい?」

 ヴィランヌは今度こそ絶句した。ハヤトが白昼堂々と手にぶら下げていたのは、高校生がそうそう持ち歩く代物ではなかったからだ。

「これ……アレじゃん。お、大人のおもちゃ。一回先輩と試した事はあるけど……っていうか、びっくりした。え?オリビアに言ったの?」

「うん。これ付けて貰って初デートしたかったのに、ありえないって言われたんだよ。酷いと思わない?」

 ハヤトは眉間にシワを寄せ口を開きっぱなしにするヴィランヌに、真剣な顔で同意を求めた。フェスティバルへの出掛けにオリビアに提案して怒らせた、ピンク色のローターを青空の下に恥ずかし気も無く晒す。

「…………え、やだぁー。ハヤト君かなりえっちなんだね!変態さんじゃん。これは確かにあの子には無理そう」

 最初こそ驚いていたヴィランヌだが、次第に顔のこわばりは解け、笑顔になった。口に手を当て、ハヤトの胸を軽く押す。

「でもダメね!そこで嫌がるようじゃハヤト君の彼女は務まらないわ!いいよっ!何でもするって言ったじゃん」

「そうか」

「ハヤト君てば、オリビアに出来ない事私に頼むなんて……やっぱり私の方が好きなんじゃない?私ね、みんなに言われたの。あの時のダンスでも、私たちの方がお似合いだったって……」

 ヴィランヌははにかみ、ハヤトの腕に抱きついた。すでに勝利を確信していた。今までもそうしてきたからだ。相手に染まる事の出来る自分に自信があった。彼女への不満を引き出しその理想を満たす事で、意中の人に相手がいても自分のものにしてきた。ハヤトに対抗心を燃やしてばかりのあの子は、彼の自尊心を傷つけているはずだ。そんな人には自分を守らせれば良いと。デートもしないような消極的なオリビアに不満がありそうだから、性に積極的な所を見せれば簡単に落とせると。

 体をもじもじとさせながら誰もいない所を探そうと一歩踏み出した。が、ハヤトは動かなかった。首を振り、空を見上げる。

「ああ、やっぱり。ごめん、君とは行けない」

「え……?どうしてよ?いいって言ったじゃないの。あの子は嫌がるからいつも我慢させられてるんでしょ?」

 思わぬ発言に、ヴィランヌは動揺を隠せない。腕に巻き付けた手の力を強めてハヤトに迫った。

「だからいいんだよ」

「は?」

 ハヤトは顔を空へ向けたまま、目だけをヴィランヌの方へ動かした。

「嫌がるのを無理にさせるのが楽しいんじゃないか……」

 不敵な笑みをこぼす。ハヤトの初めて見る表情に、ヴィランヌは目を見開き、口をつぐむ。

「真っ赤になって怒って、嫌がって、僕を罵って……それをねじ伏せて泣かせるのが好きなんだよ。部屋がいいって言うから、わざと校舎裏に連れて行ったりね。だから何でも言う事を聞いてくれる人なんて、僕には合わない。君さ、僕の事何か勘違いしてない?僕は我慢なんかしないよ」

「……なにそれ!私だって本当はびっくりしたけど、ハヤト君が喜ぶと思って受け入れたのに……」

「受け入れられない人を受け入れさせるのが最高なんだ」

 あまりに堂々と自らの性癖を晒すハヤトに、ヴィランヌの頬が引きつった。

「じゃあ私、どうすればいいのよ?今から嫌だって言ってもダメなんでしょ?ハヤト君に合わせられないじゃん」

「分かってくれた?じゃあ、いい加減に離れてくれないかな」

 ハヤトは語気を強めて言い、腕に回されたヴィランヌの手を引き剥がした。

「っ……あっそう。でもどうすんの?オリビアはあなたとの力の差ににうんざりして浮気してるかもしれないって言ったじゃない」

「僕は彼女を信じてる」

「自分から離れる訳ないって?凄い自し……」

「オリビアが僕を超える事をだ」

「…………なに?」

 ハヤトはきっぱり言うと、ヴィランヌに向き直り、真剣に答えた。

「オリビアは僕の力に嫉妬している。なぜだか君も知っての通り、付き合ってからもずっと勉強に明け暮れていた。デートさえしてくれない程に。でも、僕は彼女の努力はいつか実を結ぶと信じてるんだよ。その結果が今日でるか、明日出るかは分からないけど、その日を楽しみにしているんだ。だから君が何を目撃したのかは分からないけど、オリビアが今更そんな事で諦めるなんて、思えないんだ。ヴィランヌの気持ちは嬉しいけど、ごめん。君は人に合わせるんじゃなくて……自分に合う人を探したらいいと思うよ」

「……」

「それにもし、オリビアが本当に諦めてしまう程僕の力にうんざりしてるなら、分かるはずだろ……僕から逃げられる訳ないって」

 ヴィランヌに見せつけるように杖の先に小さな火花を散らすと、彼女は少したじろいだ。しかし次の瞬間、美しい顔を歪ませて笑い始める。

「ふん。いくら力のあるハヤト君でも、今日はどうかしらね。だってあの人、あなたの事相当嫌いそうだったもの。オリビアにもしその気が無くても、今頃何をされているかしらね。そんなにあの子が好きなら、さっさと探しに行ったら良かったのに。ああ、かわいそ」

 ハヤトはその言葉を聞いた途端、思わずヴィランヌの手首を強く掴んだ。

「……なんだって?誰だい、あの人って」

 余裕のニヤけ顔がなくなったハヤトに、ヴィランヌは胸を張って挑戦的に言った。

「まだ分からないんだ!あいつも気の毒よね、ここまでやっても相手にされてないんだから。でも今回は、あなたの負け。もう諦めてあげちゃいなさいよ、あいつ……ワルフに」

「ワルフ……?」

 彼の名前が飛び出ても、すぐには理解出来なかった。ワルフと言えば、やはり先日のパーティーでの出来事が思い出される。自分がヴィランヌと踊らされている間にオリビアを支えた男。ワルフの、自分たちを目撃して泣いていたらしいオリビアを慰めた後、一人にするなと殴りかかってきてまで彼女の事を思いやる姿に、この関係を認めてくれていたと思っていたからだ。

──あのワルフが、この有事にオリビアを連れ出した?

 信じたい気持ちと、当然だという気持ちが入り混じった。だとしたらあの熱い拳は何だったのだろう。もう二度と泣かせるなと言っていた。ハヤトはあの瞬間、わずかに友情さえ感じていた。だからこそやり返したりはせず、その痛みを受け入れた。

 黙り込んだハヤトにヴィランヌは呆れ顔で笑う。今までの媚びた態度をやめて、冷たい笑顔を向けて全てを話し始めた。

「もういいや、全部言っちゃお。そもそもあの時のパーティーの時点で、ワルフには知恵を貰っていたのよ。私がハヤト君と踊っている間に、自分がオリビアを口説く…って。分かる?あの時は失敗したけど。今日のデートも、私たちがお膳立てしてあげたのよ?何から何まで。オリビアのセクシーなワンピースも、この魔法マーケットフェスティバルに行くように仕向けたのも、魔物たちが突然暴れ出したのも、全部………ワルフの」

「オリビア!!」

 ハヤトはヴィランヌが言い切る前に全てを理解し、ホウキに飛び乗った。ここへ来た時に美しいと感じた、未だに解けない空を彩る花や風船の魔法が、今は捜索の邪魔にしかならない。手で振り払うと簡単に消え、ぽっかり空いたデコレーションの穴から見下ろして彼女の居場所を探す。

 浮かれていた。オリビアが恥じらいながら誘ってくれた、初めてのデートだったから。彼女が選ぶはずのない派手な服装を見て本当は違和感を感じていたはずなのに、無視してしまっていた。杖があるからと安心していた。ワルフの悪意にも気付けなかった。後悔と怒りが、魔力となってホウキにみなぎる。ヴィランヌはそんなハヤトの元へ舞い上がった。

「ふふ……ワルフ、お勉強は出来ないけど悪知恵は働く人みたいよ?他にも、何か企んでるみたい。もうあいつをかばう理由も無いから教えてあげる。この公園にはね、使われていない古い小屋がある。ワルフはそこにオリビアを連れて行くって言ってた。何をするつもりかしらね?あ、間に合わなかったら私の所に帰ってきてね。私はいつでも受け入れるわ。いえ、今度は受け入れないから、ちゃんと追いかけてくる事ね」

「小屋……」

 早く、早くと楽しそうに急かすヴィランヌに怒りを見せる余裕も無い。ハヤトは上空からオリビアの居場所を探す。この広い公園には森林も多い。フェスティバルの会場に使われた、太陽の光が降り注ぐ明るい広場とは正反対の、薄暗い木々の集まりの方へ目をこらした。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

[完結」(R18)最強の聖女様は全てを手に入れる

青空一夏
恋愛
私はトリスタン王国の王女ナオミ。18歳なのに50過ぎの隣国の老王の嫁がされる。最悪なんだけど、両国の安寧のため仕方がないと諦めた。我慢するわ、でも‥‥これって最高に幸せなのだけど!!その秘密は?ラブコメディー

女公爵になるはずが、なぜこうなった?

薄荷ニキ
恋愛
「ご挨拶申し上げます。わたくしフェルマー公爵の長女、アメリアと申します」 男性優位が常識のラッセル王国で、女でありながら次期当主になる為に日々頑張るアメリア。 最近は可愛い妹カトレアを思い、彼女と王太子の仲を取り持とうと奮闘するが…… あれ? 夢に見た恋愛ゲームと何か違う? ーーーーーーーーーーーーーー ※主人公は転生者ではありません。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

「今とっても幸せですの。ごめんあそばせ♡」 捨てられ者同士、溺れちゃうほど愛し合ってますのでお構いなく!

若松だんご
恋愛
「キサマとはやっていけない。婚約破棄だ。俺が愛してるのは、このマリアルナだ!」 婚約者である王子が開いたパーティ会場で。妹、マリアルナを伴って現れた王子。てっきり結婚の日取りなどを発表するのかと思っていたリューリアは、突然の婚約破棄、妹への婚約変更に驚き戸惑う。 「姉から妹への婚約変更。外聞も悪い。お前も噂に晒されて辛かろう。修道院で余生を過ごせ」 リューリアを慰めたり、憤慨することもない父。マリアルナが王子妃になることを手放しで喜んだ母。 二人は、これまでのリューリアの人生を振り回しただけでなく、これからの未来も勝手に決めて命じる。 四つ違いの妹。母によく似たかわいらしい妹が生まれ、母は姉であ、リューリアの育児を放棄した。 そんなリューリアを不憫に思ったのか、ただの厄介払いだったのか。田舎で暮らしていた祖母の元に預けられて育った。 両親から離れたことは寂しかったけれど、祖母は大切にしてくれたし、祖母の家のお隣、幼なじみのシオンと仲良く遊んで、それなりに楽しい幼少期だったのだけど。 「第二王子と結婚せよ」 十年前、またも家族の都合に振り回され、故郷となった町を離れ、祖母ともシオンとも別れ、未来の王子妃として厳しい教育を受けることになった。 好きになれそうにない相手だったけれど、未来の夫となる王子のために、王子に代わって政務をこなしていた。王子が遊び呆けていても、「男の人はそういうものだ」と文句すら言わせてもらえなかった。 そして、20歳のこの日。またも周囲の都合によって振り回され、周囲の都合によって未来まで決定されてしまった。 冗談じゃないわ。どれだけ人を振り回したら気が済むのよ、この人たち。 腹が立つけれど、どうしたらいいのかわからずに、従う道しか選べなかったリューリア。 せめて。せめて修道女として生きるなら、故郷で生きたい。 自分を大事にしてくれた祖母もいない、思い出だけが残る町。けど、そこで幼なじみのシオンに再会する。 シオンは、結婚していたけれど、奥さんが「真実の愛を見つけた」とかで、行方をくらましていて、最近ようやく離婚が成立したのだという。 真実の愛って、そんなゴロゴロ転がってるものなのかしら。そして、誰かを不幸に、悲しませないと得られないものなのかしら。 というか。真実もニセモノも、愛に真贋なんてあるのかしら。 捨てられた者同士。傷ついたもの同士。 いっしょにいて、いっしょに楽しんで。昔を思い出して。 傷を舐めあってるんじゃない。今を楽しみ、愛を、想いを育んでいるの。だって、わたしも彼も、幼い頃から相手が好きだったってこと、思い出したんだもの。 だから。 わたしたちの見つけた「真実の愛(笑)」、邪魔をしないでくださいな♡

【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~

朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。 婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」 静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。 夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。 「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」 彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

処理中です...