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第1章 魅惑の新大陸
第32話 魔法士隊
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キラーブルーとの戦闘から三日が過ぎた。この間に何事も起こらず、堀のような溝に囲まれたドーム型の部屋は静かに平原に佇んでいた。
溝の縁にグレンが立っている彼の背後には、石柱がある部屋の結界が貼られた扉が見えている。
「はい。下がってください! そこ! それ以上前にでない! 危ないぞ」
右腕を伸ばして地面を指してグレンが叫び声をあげる。彼の前には数十人もの大量の冒険者が立ち、石柱があった部屋を見つめている。
エリィ達が噂になっていたこともあり、事件は瞬く間にテオドール中に広まった。グレンの前にいる冒険者達は、石柱の部屋に一番乗りし名を上げようとしている者達だ。グレンは彼らが勝手に部屋に行かないように警備をしているのだ。
「おい! 俺達は冒険者だぞ。目の前に遺跡があるのに入れねえってはどういことだ!」
先頭に居た革の鎧を着た角刈り頭の背中に剣を背負った冒険者の男が、部屋を指さしてグレンに怒鳴っている。グレンはやや面倒くさそうに彼に答える。
「いま教会と冒険者ギルドでどっちが調査に入るかの調整中だ。おそらく聖騎士が担当することになると思うがな」
白金郷への道標となる石柱の調査を誰に託すのか、通常であれば調査依頼を冒険者ギルドが出すのだが今回はなぜか聖騎士団が横槍をいれてきた。グレンは知るよしもないが聖騎士団がこの砦に固執しているのは、彼らがこの砦を放棄したためその証拠を消したいという思惑があるからだ。
「はぁ!? 聖騎士を先にいれるって!? 馬鹿言うなよ! やつらにお宝が取らちまうだろうが!!」
不満そうに叫びながら男はグレンの胸ぐらに手をのばす。
「てめえ!」
男の伸ばした手を冷静にグレンははたき落とした。
怒った男は背中の剣に手を伸ばす、グレンは呆れた顔で自分の腰も腰にさした剣に手を伸ばした。
「えっ!?」
すっとグレンと冒険者の間にクレアが体をいれて来た。グレンに向かって笑顔でウィンクした、クレアはすぐに男の顔を向けた。
「ごめんなさーい。話し合いが終わるまでは封鎖しろって命令なんです。我慢してもらえますか?」
にっこりと笑ってクレアが男に謝り、かわいらしく首をかしげた。クレアの笑顔に男は頬を赤く染めて恥ずかしそうにした。
「ところであなたクラスはいくつですか?」
「えっ!? C1だけど……」
「そうですか…… 残念ですね。あの中に入るには経験を積んでAクラス以上になった方が良いですよ?」
優しく諭すような口調でクレアが話しを続ける。
「あの中には危険な人が居るんです。おそらくAクラス以上の冒険者でなければ簡単に殺されます」
「はぁ!? なんだよそれ。どうしてあんたにそんなことが」
すっとクレアは体を前に傾けて、少し下から冒険者の顔を覗き込む。
「対峙した私が言うんですから本当ですよ。なんなら試してみますか?」
笑顔のままクレアは背負っている大剣に手をかけた。長い付き合いのあるグレンは、クレアの言いたいことが分かった。簡単に言うとクレアは部屋に行きたければ自分を倒せと言ってるのだ。
「いっいや…… やめときます」
冒険者はクレアの異様な、雰囲気に怯えて青い顔をして後ずさりして離れていく。首をかしげてクレアは不思議そうに冒険者を見つめていた。
「なんか怯えてましたね。彼」
「怖いからだろ。義姉ちゃんが……」
クレアの背後でグレンがつぶやくとクレアはすぐに振り返った。
「えぇ!? そんな!? 私は別に怖がらせるつもりは……」
「いやぁ怖いだろ……」
うつむいて悲しそうに顔をするクレア、グレンは怖がらせた自覚のない彼女に少し驚いていた。
急にクレアは顔をあげてグレンの袖をつかんだ。目をうるませながら、グレンの顔を下から覗き込んだ。見つめられたグレンは頬を赤くする。
「グレン君も私は怖いですか?」
「おっ俺は別に……」
「ならいいです。グレン君が怖くないならちゃんとお姉ちゃんですね」
にっこりと笑って安心したように、グレンの腕にしがみつくクレア、グレンは彼女の行動に困惑した表情をうかべた。
「うぉほっん!」
わざとらしい咳き込む声がして振り返った。そこにはエリィとキティルが立っていた。
「エリィ!? キティルも……」
驚いたグレンにエリィが一歩前に出て、彼にしがみついていたクレアを見て呆れたように口を開く。
「はぁ。相変わらず仲良し姉弟ですねぇ」
「えっ!? これは……」
グレンは恥ずかしそうにクレアを腕から離す。手を外されたクレアは不満そうにプクッと頬をふくらませた。エリィとキティルの後ろにメルダが現れてあきれた様子で彼女らに尋ねる。
「この二人はいつもこんな感じなの?」
「えぇ。仲良し姉弟らしいですよ」
「ふーん」
キティルは冷めた目で答え、メルダも腕を組んで目を細め冷めた目で二人を見つめる。
「なんだよ。メルダも一緒なのかよ…… てっ!? お前…… その指輪……」
何かに気づいて驚いたグレン、彼の視線はメルダの左手の中指に向けられていた。そこにはエリィ達と同じ冒険者の指輪がはめられたいた。グレンの視線に気づいたメルダは、左手を彼に見せるように前にさしだした。
「雇われていたリアンローズは廃業確定だからね。私は冒険者になったの。ねぇ? キティル、エリィ」
「はい。これから三人で……」
エリィが何かを言おうとしたのをグレンが遮った。
「ダメだぞ。君達だってあそこには行かせない」
「えぇ!? まだ何も言ってないのに!」
背後にある建物をグレンが指さした。エリィが驚いているグレンの言ったことはどうやら図星のようだ。
「冒険者の考えることくらいわかるよ。なにせ冒険者支援課だしな」
「チェー」
口を尖らせて不満そうにするエリィ、グレンはため息をついた。
「はぁ…… だいたい三日前に死にかけたのになんで行きたがるんだよ……」
ため息をして頭を抱えるグレン、エリィが少し驚いた顔をした。
「えぇぇ!? だって今なら建物の外まで逃げればグレンさん達がすぐに助けてくれるじゃないですか!」
悪びれもなくグレン達に助けてもらうつもりだったと白状するエリィ、どうやら三人はグレン達の支援を最初からあてにしていたようだ。ノウリッジに来て一ヶ月が過ぎ、エリィもキティル達はよくも悪くも図太くなっている。
歯を出してごまかすように笑うエリィ、グレンは彼女を見てまたため息をついた。
「はぁぁ…… まったく……」
「たくましく良い冒険者に育ってますね」
「はいはい。そうだね」
グレンの肩に手を置いたクレアは、エリィ達の様子に満足そうにうなずいていた。冷めた様子でクレアにグレンは答えるだった。
「じゃっじゃあ。ここから見ててもいいですか?」
「あぁ。構わないよ。落ちないように気をつけてな」
「はい」
笑顔でうなずいてキティルは、溝の縁に立って顔を部屋に向けて黙って立っている。真剣な顔で部屋を見つめる、キティルの顔はどこか悲壮感が漂っていた。クレアはキティルのことが気になったようで声をかける。
「大丈夫ですか?」
「はっはい。だっ大丈夫です」
「そうですか。こうなったのはあなた達の責任じゃないですよ」
クレアは真面目なキティルが、今回の件で責任を感じていると思ったようだ。
「違うんです…… 何か胸騒ぎがするんです…… 私…… あの石柱が……」
「えっ!?」
小さく横に首を振ってクレアに答え、顔上げたキティルは心配そうに部屋を見つめていた。
「ヒヒヒーーーーン」
馬の鳴き声が平原に響いた。クレアとグレンは馬の鳴き声がしたほうに視線を向けた。
「邪魔ですよ。道を開けなさい」
次に人間の声がして集まっていた、冒険者達の集団が別れた。別れた冒険者達の先に馬に乗った青い鎧を着た聖騎士達の姿が見えた。
先頭で馬に乗ってるのはメガネをかけた、金髪で青い目をした物静かで真面目そうな聖騎士だ。
「あれはブライスさんですね」
「ってことはここの調査は聖騎士がするのか」
「ですね」
メガネをかけた聖騎士はブライスという。ルドルフの腹心で落ち着いた雰囲気を持つ彼は、やや感情的なルドルフをなだめることが多い。
数名の騎士の後に、胸当てと小手とすね当てだけの軽装の鎧を身につけ、腰にレイピアをさし金属製の杖を背負った幅の広いとんがった帽子を被った数十人の人間が続く。彼らは聖騎士団の中でも特に魔法の能力に長けた者を集めた魔法士隊だ。
「止まれ!」
馬上で手をあげて部隊を止めたブライスは、冒険者達を一瞥にして顔をしかめグレンとクレアに向かって口を開いた。
「クレア、グレン、早くこの野蛮な人達をどかしてもらっていいですか?」
「はーい。わかりましたー。グレンくん。お願いします」
笑顔で返事をしたクレアがグレンに声をかけた。
「わかったよ。ほら! みんな下がって! 下がって!!」
返事をしたグレンは両手を広げて、縁にそって冒険者たちを後ろに下がらせていく。
「何よ…… 野蛮って…… べー」
「こら! エリィ。逆らうのはやめとけよ。真面目そうな見た目と違って証拠を平気ででっち上げるようなやつだぞ」
「ひっ」
ブライスに向けて舌を出すエリィにグレンがたしなめていた。馬上でブライスは嫌悪感丸出しの顔をしてドーム型の石柱がある部屋を見つめた。
「何が古代の遺物だ…… くだらない。こんなものがあるからこいつらが調子に乗るんだ」
冒険者達をにらみつけ腰にさしていた剣を抜いてブライスは空に向けた。
「魔法士隊前へ!」
騎士の後ろに居た魔法士隊が前に出て縁にそって一列に並んだ。
「構え! 目標は前にある遺物だ」
背負った杖を取り出して魔法士隊は先端をドーム型の部屋に向けるのだった。
溝の縁にグレンが立っている彼の背後には、石柱がある部屋の結界が貼られた扉が見えている。
「はい。下がってください! そこ! それ以上前にでない! 危ないぞ」
右腕を伸ばして地面を指してグレンが叫び声をあげる。彼の前には数十人もの大量の冒険者が立ち、石柱があった部屋を見つめている。
エリィ達が噂になっていたこともあり、事件は瞬く間にテオドール中に広まった。グレンの前にいる冒険者達は、石柱の部屋に一番乗りし名を上げようとしている者達だ。グレンは彼らが勝手に部屋に行かないように警備をしているのだ。
「おい! 俺達は冒険者だぞ。目の前に遺跡があるのに入れねえってはどういことだ!」
先頭に居た革の鎧を着た角刈り頭の背中に剣を背負った冒険者の男が、部屋を指さしてグレンに怒鳴っている。グレンはやや面倒くさそうに彼に答える。
「いま教会と冒険者ギルドでどっちが調査に入るかの調整中だ。おそらく聖騎士が担当することになると思うがな」
白金郷への道標となる石柱の調査を誰に託すのか、通常であれば調査依頼を冒険者ギルドが出すのだが今回はなぜか聖騎士団が横槍をいれてきた。グレンは知るよしもないが聖騎士団がこの砦に固執しているのは、彼らがこの砦を放棄したためその証拠を消したいという思惑があるからだ。
「はぁ!? 聖騎士を先にいれるって!? 馬鹿言うなよ! やつらにお宝が取らちまうだろうが!!」
不満そうに叫びながら男はグレンの胸ぐらに手をのばす。
「てめえ!」
男の伸ばした手を冷静にグレンははたき落とした。
怒った男は背中の剣に手を伸ばす、グレンは呆れた顔で自分の腰も腰にさした剣に手を伸ばした。
「えっ!?」
すっとグレンと冒険者の間にクレアが体をいれて来た。グレンに向かって笑顔でウィンクした、クレアはすぐに男の顔を向けた。
「ごめんなさーい。話し合いが終わるまでは封鎖しろって命令なんです。我慢してもらえますか?」
にっこりと笑ってクレアが男に謝り、かわいらしく首をかしげた。クレアの笑顔に男は頬を赤く染めて恥ずかしそうにした。
「ところであなたクラスはいくつですか?」
「えっ!? C1だけど……」
「そうですか…… 残念ですね。あの中に入るには経験を積んでAクラス以上になった方が良いですよ?」
優しく諭すような口調でクレアが話しを続ける。
「あの中には危険な人が居るんです。おそらくAクラス以上の冒険者でなければ簡単に殺されます」
「はぁ!? なんだよそれ。どうしてあんたにそんなことが」
すっとクレアは体を前に傾けて、少し下から冒険者の顔を覗き込む。
「対峙した私が言うんですから本当ですよ。なんなら試してみますか?」
笑顔のままクレアは背負っている大剣に手をかけた。長い付き合いのあるグレンは、クレアの言いたいことが分かった。簡単に言うとクレアは部屋に行きたければ自分を倒せと言ってるのだ。
「いっいや…… やめときます」
冒険者はクレアの異様な、雰囲気に怯えて青い顔をして後ずさりして離れていく。首をかしげてクレアは不思議そうに冒険者を見つめていた。
「なんか怯えてましたね。彼」
「怖いからだろ。義姉ちゃんが……」
クレアの背後でグレンがつぶやくとクレアはすぐに振り返った。
「えぇ!? そんな!? 私は別に怖がらせるつもりは……」
「いやぁ怖いだろ……」
うつむいて悲しそうに顔をするクレア、グレンは怖がらせた自覚のない彼女に少し驚いていた。
急にクレアは顔をあげてグレンの袖をつかんだ。目をうるませながら、グレンの顔を下から覗き込んだ。見つめられたグレンは頬を赤くする。
「グレン君も私は怖いですか?」
「おっ俺は別に……」
「ならいいです。グレン君が怖くないならちゃんとお姉ちゃんですね」
にっこりと笑って安心したように、グレンの腕にしがみつくクレア、グレンは彼女の行動に困惑した表情をうかべた。
「うぉほっん!」
わざとらしい咳き込む声がして振り返った。そこにはエリィとキティルが立っていた。
「エリィ!? キティルも……」
驚いたグレンにエリィが一歩前に出て、彼にしがみついていたクレアを見て呆れたように口を開く。
「はぁ。相変わらず仲良し姉弟ですねぇ」
「えっ!? これは……」
グレンは恥ずかしそうにクレアを腕から離す。手を外されたクレアは不満そうにプクッと頬をふくらませた。エリィとキティルの後ろにメルダが現れてあきれた様子で彼女らに尋ねる。
「この二人はいつもこんな感じなの?」
「えぇ。仲良し姉弟らしいですよ」
「ふーん」
キティルは冷めた目で答え、メルダも腕を組んで目を細め冷めた目で二人を見つめる。
「なんだよ。メルダも一緒なのかよ…… てっ!? お前…… その指輪……」
何かに気づいて驚いたグレン、彼の視線はメルダの左手の中指に向けられていた。そこにはエリィ達と同じ冒険者の指輪がはめられたいた。グレンの視線に気づいたメルダは、左手を彼に見せるように前にさしだした。
「雇われていたリアンローズは廃業確定だからね。私は冒険者になったの。ねぇ? キティル、エリィ」
「はい。これから三人で……」
エリィが何かを言おうとしたのをグレンが遮った。
「ダメだぞ。君達だってあそこには行かせない」
「えぇ!? まだ何も言ってないのに!」
背後にある建物をグレンが指さした。エリィが驚いているグレンの言ったことはどうやら図星のようだ。
「冒険者の考えることくらいわかるよ。なにせ冒険者支援課だしな」
「チェー」
口を尖らせて不満そうにするエリィ、グレンはため息をついた。
「はぁ…… だいたい三日前に死にかけたのになんで行きたがるんだよ……」
ため息をして頭を抱えるグレン、エリィが少し驚いた顔をした。
「えぇぇ!? だって今なら建物の外まで逃げればグレンさん達がすぐに助けてくれるじゃないですか!」
悪びれもなくグレン達に助けてもらうつもりだったと白状するエリィ、どうやら三人はグレン達の支援を最初からあてにしていたようだ。ノウリッジに来て一ヶ月が過ぎ、エリィもキティル達はよくも悪くも図太くなっている。
歯を出してごまかすように笑うエリィ、グレンは彼女を見てまたため息をついた。
「はぁぁ…… まったく……」
「たくましく良い冒険者に育ってますね」
「はいはい。そうだね」
グレンの肩に手を置いたクレアは、エリィ達の様子に満足そうにうなずいていた。冷めた様子でクレアにグレンは答えるだった。
「じゃっじゃあ。ここから見ててもいいですか?」
「あぁ。構わないよ。落ちないように気をつけてな」
「はい」
笑顔でうなずいてキティルは、溝の縁に立って顔を部屋に向けて黙って立っている。真剣な顔で部屋を見つめる、キティルの顔はどこか悲壮感が漂っていた。クレアはキティルのことが気になったようで声をかける。
「大丈夫ですか?」
「はっはい。だっ大丈夫です」
「そうですか。こうなったのはあなた達の責任じゃないですよ」
クレアは真面目なキティルが、今回の件で責任を感じていると思ったようだ。
「違うんです…… 何か胸騒ぎがするんです…… 私…… あの石柱が……」
「えっ!?」
小さく横に首を振ってクレアに答え、顔上げたキティルは心配そうに部屋を見つめていた。
「ヒヒヒーーーーン」
馬の鳴き声が平原に響いた。クレアとグレンは馬の鳴き声がしたほうに視線を向けた。
「邪魔ですよ。道を開けなさい」
次に人間の声がして集まっていた、冒険者達の集団が別れた。別れた冒険者達の先に馬に乗った青い鎧を着た聖騎士達の姿が見えた。
先頭で馬に乗ってるのはメガネをかけた、金髪で青い目をした物静かで真面目そうな聖騎士だ。
「あれはブライスさんですね」
「ってことはここの調査は聖騎士がするのか」
「ですね」
メガネをかけた聖騎士はブライスという。ルドルフの腹心で落ち着いた雰囲気を持つ彼は、やや感情的なルドルフをなだめることが多い。
数名の騎士の後に、胸当てと小手とすね当てだけの軽装の鎧を身につけ、腰にレイピアをさし金属製の杖を背負った幅の広いとんがった帽子を被った数十人の人間が続く。彼らは聖騎士団の中でも特に魔法の能力に長けた者を集めた魔法士隊だ。
「止まれ!」
馬上で手をあげて部隊を止めたブライスは、冒険者達を一瞥にして顔をしかめグレンとクレアに向かって口を開いた。
「クレア、グレン、早くこの野蛮な人達をどかしてもらっていいですか?」
「はーい。わかりましたー。グレンくん。お願いします」
笑顔で返事をしたクレアがグレンに声をかけた。
「わかったよ。ほら! みんな下がって! 下がって!!」
返事をしたグレンは両手を広げて、縁にそって冒険者たちを後ろに下がらせていく。
「何よ…… 野蛮って…… べー」
「こら! エリィ。逆らうのはやめとけよ。真面目そうな見た目と違って証拠を平気ででっち上げるようなやつだぞ」
「ひっ」
ブライスに向けて舌を出すエリィにグレンがたしなめていた。馬上でブライスは嫌悪感丸出しの顔をしてドーム型の石柱がある部屋を見つめた。
「何が古代の遺物だ…… くだらない。こんなものがあるからこいつらが調子に乗るんだ」
冒険者達をにらみつけ腰にさしていた剣を抜いてブライスは空に向けた。
「魔法士隊前へ!」
騎士の後ろに居た魔法士隊が前に出て縁にそって一列に並んだ。
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