50 / 141
Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
50.長い一日の終わりに3
しおりを挟む
「学園での話を聞かせてくださる?
では、プリムラから。」
プリムラは、ヴィオラにたくさんの友人ができたこと、その中でもマリーと仲良くなれたことを話した。
「マリーはとってもかわいらしくて、今度遊びに来てほしいとお誘いしたのよ。
それにしても、アイリ嬢はひどいわ。
あんなに魅力的なマリーが自分を卑下してしまうほど、悪口を言い続けていたなんて!
それに、お父さまからいただいた髪飾りを横取りしようとしたのですって。」
「そうだったの。
きっとプリムラが寄り添ってあげていれば、マリー嬢の心も癒えていくはずよ。」
プリムラの話をにこやかに聞くヴィオラ。
「次はリーリウム、お願いできるかしら?」
リーリウムは、朝のレオポリス作戦は成功したこと、アイリからは時々睨まれたぐらいで実害はなかったこと、そして午後からは学園改革で忙しかったことを報告した。
「あら、今日はアイリ嬢が大人しかったのですね。
リーリウムは王妃様がご依頼されたお仕事のほうが大切なのですから、なるべくそちらに集中するように。
明日は殿下も学園へいらっしゃるのでしょう?
大変でしょうけど、がんばるのですよ。
さあ、最後はフレエシア。
アイリ嬢に関する情報は、その他にも得られたのかしら?」
フレエシアは意を決して、話し始める。
「放課後、マリー嬢がアイリ嬢に呼び出され、ひと悶着ありました。」
「え! それで、マリー嬢は大丈夫だったのですか?」
思わぬ出来事に、プリムラは恐れ慄いた。
マリーはアイリから数年にわたって心に傷を付けられ続けてきたのだ。
大丈夫なわけがないことはプリムラも感づいていたのだが、聞かずにはいられなかった。
「その時、マリー嬢はこれを奪われてしまったんだ。」
フレエシアは、包んだハンカチをそっと広げて、少し歪んでしまった髪飾りをプリムラに見せる。
「それは、マリー嬢の宝物の……!
なんてひどいことをするのかしら!」
プリムラは怒りをあらわにする。
「そして、この髪飾りをプリムラが無理やり奪ったと言い出したんだよ。
アイリ嬢は、ジョンに髪飾りをプリムラの持ち物に忍ばせてこいと命令したそうだよ。
マリー嬢は怯え切っているから、真相を話すわけがないと思っているらしい。」
「卑劣な!」
フレエシアの報告を聞き、ヴィオラが珍しく怒りの声を上げる。
「でも、そのようなことを仕組んだとしても、
プリムラを知る人たちは誰も信じるわけがないと思うのです。
アイリ嬢が攻略対象と呼んでいる男性たちを含めて、プリムラは交友関係が広いですから。
ただ……。」
言葉の途中だったが、フレエシアは乾ききった口を一口のお茶で潤す。
「ただ、なんですの?」
ヴィオラが少し苛立つ。
「ただ、アイリ嬢がこのことを報告したのが、アンドレアス様ということが気がかりです。」
「どうして?
アンドレアス様がアイリ嬢の言うことを信じるわけがないですわ。
アンドレアス様は、その出来事について何とおっしゃっていたの?」
ヴィオラは合点がいかないといった様子だった。
「アンドレアス様とは、今日お話しできなかったのです。
私たちとの放課後の約束を反故にして、アイリ嬢と街中へ消えて行ってしまったので……。
明日、事情を聞こうかとは思っているのですが、
なぜ彼女と二人きりで会ってしまったのか……。」
フレエシアは、ついにヴィオラに伝えてしまった。
動揺のあまりなんとなく歯切れの悪いしゃべり方になってしまったが、
聞かされた方のヴィオラはいつも通りの表情を崩さなかった。
「わたくし以外の令嬢と二人きりになるような行動をとるのであれば、何か考えがあるのかもしれません。
明日、わたくしからアンドレアス様に話を聞いてみます。
それまで、あなたたちは何も動かないように。
フレエシア、分かりましたね?」
「はい、お姉様。
ジョンにも、アイリ嬢には適当に誤魔化して時間をかせぐように指示をだしています。
それに、マリー嬢と兄のカイルには真実を話すように言いましたが、大丈夫でしょうか?」
「それがいいと思いますわ。
あまりにマリー嬢がかわいそうですもの。
プリムラ、マリー嬢とはアイリ嬢の目が届かないところで仲良くしたほうが良さそうだわ。
近いうちに、我が家へ招待してはいかがかしら?」
それまで暗い表情をしていたプリムラの顔が、ぱぁっと明るくなる。
「わかりました! ヴィオラ姉さま、ありがとう!」
アンドレアスという心配事が宙ぶらりんになったまま、その日の姉妹会議は終了となった。
では、プリムラから。」
プリムラは、ヴィオラにたくさんの友人ができたこと、その中でもマリーと仲良くなれたことを話した。
「マリーはとってもかわいらしくて、今度遊びに来てほしいとお誘いしたのよ。
それにしても、アイリ嬢はひどいわ。
あんなに魅力的なマリーが自分を卑下してしまうほど、悪口を言い続けていたなんて!
それに、お父さまからいただいた髪飾りを横取りしようとしたのですって。」
「そうだったの。
きっとプリムラが寄り添ってあげていれば、マリー嬢の心も癒えていくはずよ。」
プリムラの話をにこやかに聞くヴィオラ。
「次はリーリウム、お願いできるかしら?」
リーリウムは、朝のレオポリス作戦は成功したこと、アイリからは時々睨まれたぐらいで実害はなかったこと、そして午後からは学園改革で忙しかったことを報告した。
「あら、今日はアイリ嬢が大人しかったのですね。
リーリウムは王妃様がご依頼されたお仕事のほうが大切なのですから、なるべくそちらに集中するように。
明日は殿下も学園へいらっしゃるのでしょう?
大変でしょうけど、がんばるのですよ。
さあ、最後はフレエシア。
アイリ嬢に関する情報は、その他にも得られたのかしら?」
フレエシアは意を決して、話し始める。
「放課後、マリー嬢がアイリ嬢に呼び出され、ひと悶着ありました。」
「え! それで、マリー嬢は大丈夫だったのですか?」
思わぬ出来事に、プリムラは恐れ慄いた。
マリーはアイリから数年にわたって心に傷を付けられ続けてきたのだ。
大丈夫なわけがないことはプリムラも感づいていたのだが、聞かずにはいられなかった。
「その時、マリー嬢はこれを奪われてしまったんだ。」
フレエシアは、包んだハンカチをそっと広げて、少し歪んでしまった髪飾りをプリムラに見せる。
「それは、マリー嬢の宝物の……!
なんてひどいことをするのかしら!」
プリムラは怒りをあらわにする。
「そして、この髪飾りをプリムラが無理やり奪ったと言い出したんだよ。
アイリ嬢は、ジョンに髪飾りをプリムラの持ち物に忍ばせてこいと命令したそうだよ。
マリー嬢は怯え切っているから、真相を話すわけがないと思っているらしい。」
「卑劣な!」
フレエシアの報告を聞き、ヴィオラが珍しく怒りの声を上げる。
「でも、そのようなことを仕組んだとしても、
プリムラを知る人たちは誰も信じるわけがないと思うのです。
アイリ嬢が攻略対象と呼んでいる男性たちを含めて、プリムラは交友関係が広いですから。
ただ……。」
言葉の途中だったが、フレエシアは乾ききった口を一口のお茶で潤す。
「ただ、なんですの?」
ヴィオラが少し苛立つ。
「ただ、アイリ嬢がこのことを報告したのが、アンドレアス様ということが気がかりです。」
「どうして?
アンドレアス様がアイリ嬢の言うことを信じるわけがないですわ。
アンドレアス様は、その出来事について何とおっしゃっていたの?」
ヴィオラは合点がいかないといった様子だった。
「アンドレアス様とは、今日お話しできなかったのです。
私たちとの放課後の約束を反故にして、アイリ嬢と街中へ消えて行ってしまったので……。
明日、事情を聞こうかとは思っているのですが、
なぜ彼女と二人きりで会ってしまったのか……。」
フレエシアは、ついにヴィオラに伝えてしまった。
動揺のあまりなんとなく歯切れの悪いしゃべり方になってしまったが、
聞かされた方のヴィオラはいつも通りの表情を崩さなかった。
「わたくし以外の令嬢と二人きりになるような行動をとるのであれば、何か考えがあるのかもしれません。
明日、わたくしからアンドレアス様に話を聞いてみます。
それまで、あなたたちは何も動かないように。
フレエシア、分かりましたね?」
「はい、お姉様。
ジョンにも、アイリ嬢には適当に誤魔化して時間をかせぐように指示をだしています。
それに、マリー嬢と兄のカイルには真実を話すように言いましたが、大丈夫でしょうか?」
「それがいいと思いますわ。
あまりにマリー嬢がかわいそうですもの。
プリムラ、マリー嬢とはアイリ嬢の目が届かないところで仲良くしたほうが良さそうだわ。
近いうちに、我が家へ招待してはいかがかしら?」
それまで暗い表情をしていたプリムラの顔が、ぱぁっと明るくなる。
「わかりました! ヴィオラ姉さま、ありがとう!」
アンドレアスという心配事が宙ぶらりんになったまま、その日の姉妹会議は終了となった。
0
あなたにおすすめの小説
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる