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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
52.それぞれの教室で
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教室では、アイリを阻むための令嬢たちによる壁が作られていた。
アイリはそちらをちらりと見て、リーリウムと目が合うとぱっと花が咲いたような満面の笑みを見せた。
(なにかしら? ヘンリクス様に何かしたのかしら?)
見た目には愛らしいアイリの笑顔も、リーリウムにとっては呪いのように感じられる。
ご機嫌そうなアイリは、ルドヴィクやルヴァリへは近づこうとはせず、前の方の席に大人しく着席した。
「俺たちはもう眼中にないみたいだな。」
ルドヴィクが、ほっとした様子で話す。
「先ほど、ヘンリクス様を追いかけて行って……。
何かあったのでしょうか?」
“逆ハーエンド”か、アンドレアスを目指していると思い込んでいたが、アイリはやはりヘンリクスを狙っているのかもしれないと考えはじめると、不安になる。
「かもしれない。あとでヘンリクス本人に聞いてみるしかないな。」
「そう、ですわね。」
「きっと大丈夫だよ。ヘンリクスはしっかり者だから。それにディナルドもいるしね。」
ルヴァリが、リーリウムをなぐさめる。
まさか、ディナルドがアイリに突破されているとは露とも思っていなかった。
「はい。ありがとうございます。」
リーリウムがルヴァリに笑顔で礼を言うと同時に、教授が教室に入ってきて教壇の前に立つ。
これから、たいくつな授業が始まる合図だった。
プリムラの教室では、今朝のアイリの言動が話題になっていた。
「マリー様とあの非常識な令嬢は親友だったの?」
「マリー様はプリムラ様と仲が良かったのでは?」
「あのように大声で騒がれて、プリムラ様がおかわいそうだわ。」
クラスメイトたちは、口々にプリムラへの同情の言葉を言い合った。
「マリー様は、プリムラ様をだましていたのかしら?」
噂話が、徐々にマリーを悪者にしていく。
マリーは、教室の後ろの方で本を読んでいたが、本を持つ手が小刻みに震えていた。
「みなさん、わたくしは大丈夫ですわ。
きっと、アイリ嬢が何か勘違いをなさっているのよ。
それに、マリーはわたくしのお友だちよ。
わたくしがそう思っているのですから、マリーは何も悪くはないのよ。」
プリムラは、噂話に花を咲かせていた令嬢たちの集団に、あえて大きな声で話しかけた。
マリーにも聞こえるように。
「そ、そうですわよね。」
プリムラにたしなめられた令嬢たちは、そそくさと解散をした。
「マリー、少しよろしいかしら?
うふふ、勝手にマリーと呼び捨てにしてしまっているけれど、許してね。」
そう言って悪戯っぽく笑うと、プリムラはマリーの隣の席に腰かけた。
「昨夜、ジョン様から事情を聞きまして?」
プリムラの言葉に、マリーはこくんと小さくうなずく。
「そう。お兄様をあまり責めないであげてね。
今は、わたくしたちのためにいろいろと尽力してくださっているのだから。」
「はい、ありがとうございます。プリムラ様。」
泣きそうな、小さな声を絞り出すマリー。
「それでね、ヴィオラお姉様からあまり学校であなたと親しくしない方がいいと言われたの。」
ビクンっとマリーの肩が揺れる。
「アイリ嬢にわたくしたちが仲良しなのが見つかると、あなたに危害を加えるかもしれないから心配なの。
だから、残念だけど学園内ではあまり親しくできないのよ。」
「はい。」
プリムラから嫌われたわけではなかったと安心したようで、マリーの穏やかな声が戻ってくる。
「だからね、今度、お休みの日に馬車で迎えを行かせるから、こっそりおうちに遊びにきてほしいの。
またチョコレートのお話しも聞きたいし、マリーともっと仲良くなりたいから。
着てみて欲しいドレスもいっぱいあるのよ。」
「はい! 今度のお休みに伺います。」
涙と安堵が混じったようなマリーの小さな声は、きちんとプリムラにも届いていた。
プリムラは机の下でマリーの手を一瞬だけぎゅっと握ると、にっこり笑って席を立った。
いつ、アイリに様子を見られるか分からない。
まるで秘密の約束をしたようで、マリーもプリムラも少しワクワクとした気分になっていた。
アイリはそちらをちらりと見て、リーリウムと目が合うとぱっと花が咲いたような満面の笑みを見せた。
(なにかしら? ヘンリクス様に何かしたのかしら?)
見た目には愛らしいアイリの笑顔も、リーリウムにとっては呪いのように感じられる。
ご機嫌そうなアイリは、ルドヴィクやルヴァリへは近づこうとはせず、前の方の席に大人しく着席した。
「俺たちはもう眼中にないみたいだな。」
ルドヴィクが、ほっとした様子で話す。
「先ほど、ヘンリクス様を追いかけて行って……。
何かあったのでしょうか?」
“逆ハーエンド”か、アンドレアスを目指していると思い込んでいたが、アイリはやはりヘンリクスを狙っているのかもしれないと考えはじめると、不安になる。
「かもしれない。あとでヘンリクス本人に聞いてみるしかないな。」
「そう、ですわね。」
「きっと大丈夫だよ。ヘンリクスはしっかり者だから。それにディナルドもいるしね。」
ルヴァリが、リーリウムをなぐさめる。
まさか、ディナルドがアイリに突破されているとは露とも思っていなかった。
「はい。ありがとうございます。」
リーリウムがルヴァリに笑顔で礼を言うと同時に、教授が教室に入ってきて教壇の前に立つ。
これから、たいくつな授業が始まる合図だった。
プリムラの教室では、今朝のアイリの言動が話題になっていた。
「マリー様とあの非常識な令嬢は親友だったの?」
「マリー様はプリムラ様と仲が良かったのでは?」
「あのように大声で騒がれて、プリムラ様がおかわいそうだわ。」
クラスメイトたちは、口々にプリムラへの同情の言葉を言い合った。
「マリー様は、プリムラ様をだましていたのかしら?」
噂話が、徐々にマリーを悪者にしていく。
マリーは、教室の後ろの方で本を読んでいたが、本を持つ手が小刻みに震えていた。
「みなさん、わたくしは大丈夫ですわ。
きっと、アイリ嬢が何か勘違いをなさっているのよ。
それに、マリーはわたくしのお友だちよ。
わたくしがそう思っているのですから、マリーは何も悪くはないのよ。」
プリムラは、噂話に花を咲かせていた令嬢たちの集団に、あえて大きな声で話しかけた。
マリーにも聞こえるように。
「そ、そうですわよね。」
プリムラにたしなめられた令嬢たちは、そそくさと解散をした。
「マリー、少しよろしいかしら?
うふふ、勝手にマリーと呼び捨てにしてしまっているけれど、許してね。」
そう言って悪戯っぽく笑うと、プリムラはマリーの隣の席に腰かけた。
「昨夜、ジョン様から事情を聞きまして?」
プリムラの言葉に、マリーはこくんと小さくうなずく。
「そう。お兄様をあまり責めないであげてね。
今は、わたくしたちのためにいろいろと尽力してくださっているのだから。」
「はい、ありがとうございます。プリムラ様。」
泣きそうな、小さな声を絞り出すマリー。
「それでね、ヴィオラお姉様からあまり学校であなたと親しくしない方がいいと言われたの。」
ビクンっとマリーの肩が揺れる。
「アイリ嬢にわたくしたちが仲良しなのが見つかると、あなたに危害を加えるかもしれないから心配なの。
だから、残念だけど学園内ではあまり親しくできないのよ。」
「はい。」
プリムラから嫌われたわけではなかったと安心したようで、マリーの穏やかな声が戻ってくる。
「だからね、今度、お休みの日に馬車で迎えを行かせるから、こっそりおうちに遊びにきてほしいの。
またチョコレートのお話しも聞きたいし、マリーともっと仲良くなりたいから。
着てみて欲しいドレスもいっぱいあるのよ。」
「はい! 今度のお休みに伺います。」
涙と安堵が混じったようなマリーの小さな声は、きちんとプリムラにも届いていた。
プリムラは机の下でマリーの手を一瞬だけぎゅっと握ると、にっこり笑って席を立った。
いつ、アイリに様子を見られるか分からない。
まるで秘密の約束をしたようで、マリーもプリムラも少しワクワクとした気分になっていた。
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