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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
74.ウェスペル家の休日7
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マギア教授の姉の家は、王都を囲む城壁の南門を出てすぐの森の入り口に位置し、堅牢な柵で囲まれた広大な土地の奥に、真っ白な壁が印象的な邸宅が建つ、まるでおとぎ話に出てくるような場所だった。
その邸宅の真ん前にある畑で、フレエシアも見覚えがある人物が草取りをしている。
「姉上!」
マギア教授はそう声をかけると、まるで少年に戻ったようにブンブンと大きく手を振った。
畑の人物はかがめていた腰を伸ばし、目の上に手を当ててこちらを見やる。
「あら、テオ! それにフレエシア様まで!」
「先生のお姉様って、学院長先生だったんですか!?」
「あれ、知らなかった?」
きょとんとしているマギア教授に、フレエシアがため息をつく。
そんな二人の元へ、学院長は付けていたエプロンで手を拭いながら歩いてくる。
「ごきげんよう、フレエシア様。」
学院長はいつもよりも気さくで柔らかな笑顔をフレエシアに向けて、挨拶をする。
「ごきげんよう、学院長先生。
マギア教授の姉君だったとは、存じ上げませんでした。」
「うふふ。そういえばフレエシア様には名乗っていなかったかもしれません。
いつも魔道具のお話しばかりに夢中になってしまって、失礼をいたしました。
わたくしの名前は、ユージェニー・マギアといいます。
一度他家へ嫁いだのだけど出戻ってきた、テオにとっては目の上のたんこぶのような姉です。」
「そんなこと思っていませんよ。
姉上がいてくださって、どんなに心強いか!」
「あはは! 先生がシスコンだってことは、分かりました。
どの家も姉は強いですね。」
フレエシアは、いつもとは随分態度の違うマギア教授を見て、愉快な気持ちになる。
そして、ふとヴィオラを思い出した。
「いやいや、本当にそうなんだよ!
姉上が家に戻ってきてくれていなかったら、私が今頃ユニカ高等学院の学院長をやらされていたと思う。
子どもたちの教育だけを考えるなんて、私には出来ないのに!
魔法の才も姉上の方が長けているし……。」
そう言って、マギア教授はハッとした。
「大丈夫よ、テオ。
フレエシア様はわたくしが魔力操作を出来ることはご存じなの。
それで、魔力を魔法石に送るやり方を教える約束もしているのよ。」
「え、そうなのですか?」
「ウェスペル家は元々魔法に長けた血筋なのだから、やってみる価値はあると思うわ。
それにフレエシア様は古代の魔道具についても精通されているし、もしかすると魔道具を新たに生み出すことも出来るかもしれませんよ。」
「え、そんなこと、私にできるでしょうか?」
フレエシアは、好奇心から魔力の込め方を教えて欲しいと言ったことはあったが、学院長がそこまで考えているとは思っていなかった。
「なるほどね。
フレエシアちゃん、気軽に試してみたら?
減るものでもないし。
それに、ウェスペル家の人が魔法に挑戦してみるとどうなるのか、気になるし。」
マギア教授は興味津々といった様子だ。
「どうします? せっかくだから、今から修行してみますか?」
学院長も早くフレエシアに魔力操作を教えてみたいようで、どんどん前のめりになる。
「私も教えていただきたいのですが、今日は別件で訪れたのです。
ね、先生。」
フレエシアは、すでに目的を忘れかかっていたマギア教授を現実へ引き戻す。
実は、フレエシア自身もすぐにでも教えて欲しい気持ちでいっぱいだったのだが、今はヘンリクスの手紙が最優先だと判断したのだ。
それに先ほど目撃した魔法使いについても気になる。
「あ、そうそう、そうなのです。
姉上にこの手紙を鑑定していただきたくて。」
学院長はマギア教授が懐から出した手紙を受け取ると、宛名と送り主を確認する。
「これはアイリ嬢から、ヘンリクス殿下への手紙ね。
これをどうして鑑定するの?」
元教え子の手紙を手渡され、困惑する。
一見しただけでプライベートな内容が書かれていることが分かるのだから、無理もない。
「話せば長いのですが……。」
フレエシアは、学院長が期待を込めて貴族学園へ編入させたアイリが、今までにしでかしたすべてのことを話さなければならず、心が痛かった。
その邸宅の真ん前にある畑で、フレエシアも見覚えがある人物が草取りをしている。
「姉上!」
マギア教授はそう声をかけると、まるで少年に戻ったようにブンブンと大きく手を振った。
畑の人物はかがめていた腰を伸ばし、目の上に手を当ててこちらを見やる。
「あら、テオ! それにフレエシア様まで!」
「先生のお姉様って、学院長先生だったんですか!?」
「あれ、知らなかった?」
きょとんとしているマギア教授に、フレエシアがため息をつく。
そんな二人の元へ、学院長は付けていたエプロンで手を拭いながら歩いてくる。
「ごきげんよう、フレエシア様。」
学院長はいつもよりも気さくで柔らかな笑顔をフレエシアに向けて、挨拶をする。
「ごきげんよう、学院長先生。
マギア教授の姉君だったとは、存じ上げませんでした。」
「うふふ。そういえばフレエシア様には名乗っていなかったかもしれません。
いつも魔道具のお話しばかりに夢中になってしまって、失礼をいたしました。
わたくしの名前は、ユージェニー・マギアといいます。
一度他家へ嫁いだのだけど出戻ってきた、テオにとっては目の上のたんこぶのような姉です。」
「そんなこと思っていませんよ。
姉上がいてくださって、どんなに心強いか!」
「あはは! 先生がシスコンだってことは、分かりました。
どの家も姉は強いですね。」
フレエシアは、いつもとは随分態度の違うマギア教授を見て、愉快な気持ちになる。
そして、ふとヴィオラを思い出した。
「いやいや、本当にそうなんだよ!
姉上が家に戻ってきてくれていなかったら、私が今頃ユニカ高等学院の学院長をやらされていたと思う。
子どもたちの教育だけを考えるなんて、私には出来ないのに!
魔法の才も姉上の方が長けているし……。」
そう言って、マギア教授はハッとした。
「大丈夫よ、テオ。
フレエシア様はわたくしが魔力操作を出来ることはご存じなの。
それで、魔力を魔法石に送るやり方を教える約束もしているのよ。」
「え、そうなのですか?」
「ウェスペル家は元々魔法に長けた血筋なのだから、やってみる価値はあると思うわ。
それにフレエシア様は古代の魔道具についても精通されているし、もしかすると魔道具を新たに生み出すことも出来るかもしれませんよ。」
「え、そんなこと、私にできるでしょうか?」
フレエシアは、好奇心から魔力の込め方を教えて欲しいと言ったことはあったが、学院長がそこまで考えているとは思っていなかった。
「なるほどね。
フレエシアちゃん、気軽に試してみたら?
減るものでもないし。
それに、ウェスペル家の人が魔法に挑戦してみるとどうなるのか、気になるし。」
マギア教授は興味津々といった様子だ。
「どうします? せっかくだから、今から修行してみますか?」
学院長も早くフレエシアに魔力操作を教えてみたいようで、どんどん前のめりになる。
「私も教えていただきたいのですが、今日は別件で訪れたのです。
ね、先生。」
フレエシアは、すでに目的を忘れかかっていたマギア教授を現実へ引き戻す。
実は、フレエシア自身もすぐにでも教えて欲しい気持ちでいっぱいだったのだが、今はヘンリクスの手紙が最優先だと判断したのだ。
それに先ほど目撃した魔法使いについても気になる。
「あ、そうそう、そうなのです。
姉上にこの手紙を鑑定していただきたくて。」
学院長はマギア教授が懐から出した手紙を受け取ると、宛名と送り主を確認する。
「これはアイリ嬢から、ヘンリクス殿下への手紙ね。
これをどうして鑑定するの?」
元教え子の手紙を手渡され、困惑する。
一見しただけでプライベートな内容が書かれていることが分かるのだから、無理もない。
「話せば長いのですが……。」
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