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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
91.姉妹への接近
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一方でアイリは、毎日リナのために和菓子作りをしながら「どうやって悪役令嬢を断罪するか」を考えていた。
アンドレアスとは毎日デートをして、毎日贈り物を貰って、順調なお付き合いを続けている。
アンドレアスがヴィオラの婚約者であることは周知の事実だったので、ヒソヒソと陰口を言われているのには気づいていた。
しかし、アイリにとってそれは重要ではない。
相手は悪役令嬢なのだから、自分が間違えなければ、勝手に落ちぶれていくに違いないと信じていたからだ。
先日、約束通り舞踏会のためのジュエリーもアンドレアスに買ってもらった。
本当は、リナからもらったブレスレットに合わせて赤いルビーのネックレスが欲しかったのだが、アンドレアスにどうしてもと言われ、エメラルドのジュエリーになってしまった。
「最近、私への執着が強い気がする……。」
アンドレアスの瞳と同じ、深いグリーンが煌めくエメラルドのネックレスを眺めながら、自室でつぶやく。
悪い気はしないけれど、少し窮屈にも思いはじめてきた。
あの日以降、リナに会おうと思うと、アンドレアスが邪魔をしてくるようになったからだ。
「だけど、今はアンドレアスしかいないんだから、他の攻略キャラクターたちと進展があるまでは好感度を下げないようにしなくっちゃね。
さ、リナにどら焼き差し入れに行こうっと。」
アイリはアンドレアスの邪魔が入らないように、彼の帰宅後に再び研究棟の前に行って、リナを待ち伏せることにしていた。
リナは授業中こそ教室にいるが、その他の時間は研究棟で過ごしているようだった。
「魔法使いだから、教授にコネでもあるのかな? 研究の手伝いをしてるとか?
今日会えたら、聞いてみよ。」
夕べ作ったどら焼きを携えて、いつもの木陰でリナを待っていると、小一時間ほどでリナが出てきた。
「リナ!」
リナはパッとアイリの方を見ると、少し気まずそうな表情を浮かべる。
「私、用事があるの。
アイリさん、ごめんなさいね。」
リナは令嬢のような口調でそう言うと、アイリの前を通り過ぎようとする。
「どういうこと?」
アイリはとっさにリナの肩を掴む。
あまりのショックに、思わず手に力が入ってしまった。
「痛いっ!」
「ちょっと、何やってるの!?」
ちょうど研究棟から出てきたフレエシアが走り寄って、二人を引き離す。
「アイリ嬢、今度はリナさんにも突っかかってるの?
好戦的なのは勝手だけれど、相手に怪我を負わせるのは見逃せない。」
アイリはフレエシアの手を振り払うと、泣きそうな顔をして走り去っていった。
「リナさん、大丈夫?」
「はい。フレエシア様、ありがとうございます。」
「あの子、ちょっと変なんだよ。
あまり関わらない方がいいよ。」
「……はい。」
リナが俯いてしまう。
アイリは、やはりヒロインではなく、ただの非常識な令嬢として人々に認識されているのだ。
(もっとちゃんと導くべきだった……?
だけど、必要以上の介入はすべきではない……。)
「そうだ、明日さ、いっしょにランチしない?
君も研究棟に出入りしているってことは、誰か先生に師事しているんでしょ?
どんな勉強をしているのか、教えてよ。」
フレエシアは、リナが落ち込んでいるのが、まだアイリに怯えているからだと勘違いをしていた。
少しでも元気を取り戻してほしくて誘ったのだが、リナにとっては渡りに船だった。
「はい、ありがとうございます。」
フレエシアと仲良くなれば、他の姉妹とも出会えるチャンスがあるし、彼女たちといっしょに過ごせば、チャームがかき消される原因も突き止められる。
(今後のヒロインたちのためにも、その力の秘密を明かさせてもらわなくちゃ。)
それに、フレエシアはマギア教授とも仲がいい。
もしかすると、研究資料を手に入れられるチャンスが巡ってくるかもしれない。
アイリのことは気がかりだが、リナにとって今はウェスペル家の姉妹の秘密を探ることの方が重要なのだ。
アンドレアスとは毎日デートをして、毎日贈り物を貰って、順調なお付き合いを続けている。
アンドレアスがヴィオラの婚約者であることは周知の事実だったので、ヒソヒソと陰口を言われているのには気づいていた。
しかし、アイリにとってそれは重要ではない。
相手は悪役令嬢なのだから、自分が間違えなければ、勝手に落ちぶれていくに違いないと信じていたからだ。
先日、約束通り舞踏会のためのジュエリーもアンドレアスに買ってもらった。
本当は、リナからもらったブレスレットに合わせて赤いルビーのネックレスが欲しかったのだが、アンドレアスにどうしてもと言われ、エメラルドのジュエリーになってしまった。
「最近、私への執着が強い気がする……。」
アンドレアスの瞳と同じ、深いグリーンが煌めくエメラルドのネックレスを眺めながら、自室でつぶやく。
悪い気はしないけれど、少し窮屈にも思いはじめてきた。
あの日以降、リナに会おうと思うと、アンドレアスが邪魔をしてくるようになったからだ。
「だけど、今はアンドレアスしかいないんだから、他の攻略キャラクターたちと進展があるまでは好感度を下げないようにしなくっちゃね。
さ、リナにどら焼き差し入れに行こうっと。」
アイリはアンドレアスの邪魔が入らないように、彼の帰宅後に再び研究棟の前に行って、リナを待ち伏せることにしていた。
リナは授業中こそ教室にいるが、その他の時間は研究棟で過ごしているようだった。
「魔法使いだから、教授にコネでもあるのかな? 研究の手伝いをしてるとか?
今日会えたら、聞いてみよ。」
夕べ作ったどら焼きを携えて、いつもの木陰でリナを待っていると、小一時間ほどでリナが出てきた。
「リナ!」
リナはパッとアイリの方を見ると、少し気まずそうな表情を浮かべる。
「私、用事があるの。
アイリさん、ごめんなさいね。」
リナは令嬢のような口調でそう言うと、アイリの前を通り過ぎようとする。
「どういうこと?」
アイリはとっさにリナの肩を掴む。
あまりのショックに、思わず手に力が入ってしまった。
「痛いっ!」
「ちょっと、何やってるの!?」
ちょうど研究棟から出てきたフレエシアが走り寄って、二人を引き離す。
「アイリ嬢、今度はリナさんにも突っかかってるの?
好戦的なのは勝手だけれど、相手に怪我を負わせるのは見逃せない。」
アイリはフレエシアの手を振り払うと、泣きそうな顔をして走り去っていった。
「リナさん、大丈夫?」
「はい。フレエシア様、ありがとうございます。」
「あの子、ちょっと変なんだよ。
あまり関わらない方がいいよ。」
「……はい。」
リナが俯いてしまう。
アイリは、やはりヒロインではなく、ただの非常識な令嬢として人々に認識されているのだ。
(もっとちゃんと導くべきだった……?
だけど、必要以上の介入はすべきではない……。)
「そうだ、明日さ、いっしょにランチしない?
君も研究棟に出入りしているってことは、誰か先生に師事しているんでしょ?
どんな勉強をしているのか、教えてよ。」
フレエシアは、リナが落ち込んでいるのが、まだアイリに怯えているからだと勘違いをしていた。
少しでも元気を取り戻してほしくて誘ったのだが、リナにとっては渡りに船だった。
「はい、ありがとうございます。」
フレエシアと仲良くなれば、他の姉妹とも出会えるチャンスがあるし、彼女たちといっしょに過ごせば、チャームがかき消される原因も突き止められる。
(今後のヒロインたちのためにも、その力の秘密を明かさせてもらわなくちゃ。)
それに、フレエシアはマギア教授とも仲がいい。
もしかすると、研究資料を手に入れられるチャンスが巡ってくるかもしれない。
アイリのことは気がかりだが、リナにとって今はウェスペル家の姉妹の秘密を探ることの方が重要なのだ。
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