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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
97.騒動のはじまり
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建国祭の舞踏会の会場である王宮には上位貴族も下位貴族も関係なく招待されており、社交界デビュー前の子どもたちもある程度の年齢であれば同行が許されている。
ウェスペル公爵家も毎年家族そろって出席をしていたが、今年はリーリウムがいない。
公爵夫人は領地に戻った後、溜まっていた仕事を終わらせると、今朝また王都へととんぼ返りし、公爵家ではなく王宮にいるリーリウムに会いにきていた。
リーリウムは、公爵夫人が最後に会った数日前よりも目に見えて元気になっている。
「マリー嬢たちの処方が効いたようです。」
リーリウムは、そう言うとにっこりと笑って見せた。
「よかったわ。
だけど、油断は禁物よ。
お母様は舞踏会に出席してくるけれど、リーリウムは安静にしているのよ。
また、すぐに戻ってくるから。」
公爵夫人はそう言うと、舞踏会の支度のために公爵家へと戻って行った。
ちょうどその頃、すでに招待客が集まり始めた会場には、アンドレアスとアイリが到着し、ちょっとした騒動が起きていた。
公爵家に婿入りする予定だったアンドレアスが違う令嬢と出席をしているのだから、無理もない。
皆が事情を知りたがっていたし、アンドレアスの隣に立つかわいらしい令嬢は誰なのかという声も方々から上がっていた。
「アンドレアスさま、私、浮いてないかしら?
こんなに華やかな場所に来たのは初めてで、緊張します。」
アイリが小動物のような愛らしい瞳を潤ませながらそう言うと、アンドレアスはアイリの手をそっと握りしめる。
「大丈夫だよ。
アイリが美しいから、皆が見ているだけさ。」
「そうかしら?」
二人がそんな会話をずっとしていたおかげで、アンドレアスはヴィオラ嬢と破局したようだという噂があっという間に広がっていった。
しかし実際に、アイリのかわいらしさは普段以上のもので、鈴のような声でおしゃべりをしながらアンドレアスに甘える様子を複数の令息たちが目で追うほどだった。
「あのように愛らしい令嬢ならば仕方がない。
ヴィオラ嬢は美人だが愛嬌がないからな。」
ある貴族家の当主がそう言うと、それに同意する声が多く上がっていく。
「お兄様、どういうことですの?」
その雰囲気の中、アンドレアスとアイリの前に、サラが立ちはだかった。
サラが懸念していたことが現実となっている。
公爵家との婚約が破談になってしまったら、フェネル伯爵家はどうなってしまうのか、不安で仕方がない。
それに、不誠実なことをしているのはアンドレスとアイリなのに、ヴィオラが悪く言われているのにも納得がいかなかった。
「サラ、お前には関係がないことだ。」
「サラ様、私たち真剣なのです。
応援してくださいませんか?」
「二人とも、自分たちが何を言っているか理解できているの?」
サラは、アンドレアスの豹変ぶりに戸惑う気持ちとアイリへの嫌悪感で、気持ちが悪くなる。
「サラ様、大丈夫ですか!?」
人だかりの中心で顔色を悪くしているサラを見つけて、ローラが婚約者と共に駆け寄る。
「また、あなたですの? アイリ・ウィザー男爵令嬢。
あなたのような非常識な方、見たことがありませんわ。
この間までヘンリクス殿下を追いかけていたのに、今はアンドレアス様にべったり。
あなたのような女性のことを庶民たちの言葉で“尻軽”というのでしょう?」
扇子で口元を隠しながら、アイリを責めるローラ。
ローラにとってアイリは、リーリウムやプリムラを苦しめる対象でしかないのだ。
さらに、今は令嬢たち皆の憧れである、ヴィオラをも侮辱している。
「ひどいわ! 私、そんなつもりはなかったのに!
ただ、皆さんと仲良くしたかっただけです!」
アイリがそう言うと、ローラの婚約者が「言いすぎだ」とローラを窘める。
「どうしてですの?
彼女のことを話した時は、一緒に怒ってくださっていたのに……。」
ローラが訝し気に婚約者の顔を見ると、彼の瞳は熱心にアイリを追っていた。
「ローラ嬢は、誰の差し金でアイリにそんなひどい事を言うんだい?
ヴィオラか? リーリウム嬢か?」
アンドレアスもローラを責め立てる。
(どうしてこれが、ヴィオラ様やリーリウム様のせいになってしまうの?)
理解が追い付かないローラもまた、サラの隣で立ち尽くすしかなかった。
ウェスペル公爵家も毎年家族そろって出席をしていたが、今年はリーリウムがいない。
公爵夫人は領地に戻った後、溜まっていた仕事を終わらせると、今朝また王都へととんぼ返りし、公爵家ではなく王宮にいるリーリウムに会いにきていた。
リーリウムは、公爵夫人が最後に会った数日前よりも目に見えて元気になっている。
「マリー嬢たちの処方が効いたようです。」
リーリウムは、そう言うとにっこりと笑って見せた。
「よかったわ。
だけど、油断は禁物よ。
お母様は舞踏会に出席してくるけれど、リーリウムは安静にしているのよ。
また、すぐに戻ってくるから。」
公爵夫人はそう言うと、舞踏会の支度のために公爵家へと戻って行った。
ちょうどその頃、すでに招待客が集まり始めた会場には、アンドレアスとアイリが到着し、ちょっとした騒動が起きていた。
公爵家に婿入りする予定だったアンドレアスが違う令嬢と出席をしているのだから、無理もない。
皆が事情を知りたがっていたし、アンドレアスの隣に立つかわいらしい令嬢は誰なのかという声も方々から上がっていた。
「アンドレアスさま、私、浮いてないかしら?
こんなに華やかな場所に来たのは初めてで、緊張します。」
アイリが小動物のような愛らしい瞳を潤ませながらそう言うと、アンドレアスはアイリの手をそっと握りしめる。
「大丈夫だよ。
アイリが美しいから、皆が見ているだけさ。」
「そうかしら?」
二人がそんな会話をずっとしていたおかげで、アンドレアスはヴィオラ嬢と破局したようだという噂があっという間に広がっていった。
しかし実際に、アイリのかわいらしさは普段以上のもので、鈴のような声でおしゃべりをしながらアンドレアスに甘える様子を複数の令息たちが目で追うほどだった。
「あのように愛らしい令嬢ならば仕方がない。
ヴィオラ嬢は美人だが愛嬌がないからな。」
ある貴族家の当主がそう言うと、それに同意する声が多く上がっていく。
「お兄様、どういうことですの?」
その雰囲気の中、アンドレアスとアイリの前に、サラが立ちはだかった。
サラが懸念していたことが現実となっている。
公爵家との婚約が破談になってしまったら、フェネル伯爵家はどうなってしまうのか、不安で仕方がない。
それに、不誠実なことをしているのはアンドレスとアイリなのに、ヴィオラが悪く言われているのにも納得がいかなかった。
「サラ、お前には関係がないことだ。」
「サラ様、私たち真剣なのです。
応援してくださいませんか?」
「二人とも、自分たちが何を言っているか理解できているの?」
サラは、アンドレアスの豹変ぶりに戸惑う気持ちとアイリへの嫌悪感で、気持ちが悪くなる。
「サラ様、大丈夫ですか!?」
人だかりの中心で顔色を悪くしているサラを見つけて、ローラが婚約者と共に駆け寄る。
「また、あなたですの? アイリ・ウィザー男爵令嬢。
あなたのような非常識な方、見たことがありませんわ。
この間までヘンリクス殿下を追いかけていたのに、今はアンドレアス様にべったり。
あなたのような女性のことを庶民たちの言葉で“尻軽”というのでしょう?」
扇子で口元を隠しながら、アイリを責めるローラ。
ローラにとってアイリは、リーリウムやプリムラを苦しめる対象でしかないのだ。
さらに、今は令嬢たち皆の憧れである、ヴィオラをも侮辱している。
「ひどいわ! 私、そんなつもりはなかったのに!
ただ、皆さんと仲良くしたかっただけです!」
アイリがそう言うと、ローラの婚約者が「言いすぎだ」とローラを窘める。
「どうしてですの?
彼女のことを話した時は、一緒に怒ってくださっていたのに……。」
ローラが訝し気に婚約者の顔を見ると、彼の瞳は熱心にアイリを追っていた。
「ローラ嬢は、誰の差し金でアイリにそんなひどい事を言うんだい?
ヴィオラか? リーリウム嬢か?」
アンドレアスもローラを責め立てる。
(どうしてこれが、ヴィオラ様やリーリウム様のせいになってしまうの?)
理解が追い付かないローラもまた、サラの隣で立ち尽くすしかなかった。
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