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Lesson.5 物語の終わり
109.私はキャラクター?
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「ユニカの日記とアレクサンデルの日記、私にも読ませてくれない?」
リナはその中に何かヒントがあるのではないかと考えていた。
本来ならば、ユニカの日記は公爵家の人間のみ、アレクサンデルの日記は王家の人間のみが読むことを許されているのだ。
しかし、ヴィオラに迷いはなかった。
今は、大切な“ユニカ様”に何が起こっているのかを知ることが先決なのだ。
ヴィオラはリナの隣に座り、日記をリナの膝に乗せると、ページをめくって見せた。
「私も父上に日記を借りられるか聞いてこよう。」
ヴィオラとリナの真剣な様子を見たヘンリクスは、アレクサンデルの日記も必要なのではないかと思い、席を立った。
リナは膨大な量の日記を、ページをめくっているヴィオラが戸惑うほどのスピードで読んでいく。
後世の公爵令嬢たちが“悪役令嬢”になってしまわないように、ユニカが苦心しながら回避術を書いているのを読み、リナは妙に感心している。
そして、ついにチャーム無効の謎が解けた時には、感嘆の声を上げた。
「そういうことだったのか。
なるほど、マリアによる加護だったんだね。
さすがだな~。
今後、もしこの世界にまた“ヒロイン”が現れたら、ウェスペル家の令嬢とその近しい者には近づかないように警告をしなくちゃいけないね。」
「ヒロインは、今後も現れますの?」
ヴィオラが嫌そうな顔をして問う。
基本的には表情を表に出さないヴィオラが、妹たちにも見せないような顔をしている。
リーリウムは、自分と同じように、ヴィオラもリナに心を許し始めているのを感じ取っていた。
「うーん。
そればっかりは神様が決めてるみたいだから、私にもよくわからないんだ。
私が作り出したヒロインは、マリアだけなんだよ。
だから、この世界にやってきたマリア以外のヒロインは管轄外というか、偶然生み出されているというか……。
今の私の役割は、さっきも言ったように、たまたまこの世界に出現したヒロインを見守ることなんだよね。」
「神様?」
リーリウムが不思議そうに声に出す。
「神様っていうのが正しいのかもよく分からないけどね。
この世界を管理している、なんだかすごい存在がいるんだよ。
そいつが、私をこの世界に送り込んでくれたの。」
「この世界を作ったのはリナさんではありませんの?」
ヴィオラもきょとんとした顔をして、リナに問う。
「私はマリアを主人公にしたお話しを作っただけ。
確かに、この国の名前とか宗教の名前、主要な人物の存在は私の小説と一致しているよ?
だからと言って、この世界を私が作ったのかと言われると、違うと思うんだ。
君ら、もしかして私が君らというキャラクターを作ったと思っていない?」
「思っていましたわ。」
「わたくしもです。
ただ、ユニカ様たちの時代から現在まで、少なくとも五百年分のお話しを作り出すことが可能なのか、とは疑問に思っていました。」
リーリウムの意見にヴィオラもうなずく。
「可能って言えば可能なんだけど……。
たとえば小説に、『時は進み五百年後……』って書いちゃえば、物語上は五百年経っちゃうしね。
だけど、その間に起こったことをつぶさに書けと言われると、難しいと思うし、私はそんなの書けないよ。
つまり、君らも君らの両親も、君らの恋人や友人たちも、私が作り出したキャラクターではないってこと。
私が書いたのはマリアをヒロインにした話しだけであって、この世界に生きる人たちは皆、きちんと生きている人間で、何かの登場人物ってわけじゃないんだよ。」
リナの言葉に、ヴィオラもリーリウムもホッとした。
自分たちが小説の登場人物なのではないか、と考え始めると、そこはかとない漠然とした恐怖を感じていたのだ。
リナはその中に何かヒントがあるのではないかと考えていた。
本来ならば、ユニカの日記は公爵家の人間のみ、アレクサンデルの日記は王家の人間のみが読むことを許されているのだ。
しかし、ヴィオラに迷いはなかった。
今は、大切な“ユニカ様”に何が起こっているのかを知ることが先決なのだ。
ヴィオラはリナの隣に座り、日記をリナの膝に乗せると、ページをめくって見せた。
「私も父上に日記を借りられるか聞いてこよう。」
ヴィオラとリナの真剣な様子を見たヘンリクスは、アレクサンデルの日記も必要なのではないかと思い、席を立った。
リナは膨大な量の日記を、ページをめくっているヴィオラが戸惑うほどのスピードで読んでいく。
後世の公爵令嬢たちが“悪役令嬢”になってしまわないように、ユニカが苦心しながら回避術を書いているのを読み、リナは妙に感心している。
そして、ついにチャーム無効の謎が解けた時には、感嘆の声を上げた。
「そういうことだったのか。
なるほど、マリアによる加護だったんだね。
さすがだな~。
今後、もしこの世界にまた“ヒロイン”が現れたら、ウェスペル家の令嬢とその近しい者には近づかないように警告をしなくちゃいけないね。」
「ヒロインは、今後も現れますの?」
ヴィオラが嫌そうな顔をして問う。
基本的には表情を表に出さないヴィオラが、妹たちにも見せないような顔をしている。
リーリウムは、自分と同じように、ヴィオラもリナに心を許し始めているのを感じ取っていた。
「うーん。
そればっかりは神様が決めてるみたいだから、私にもよくわからないんだ。
私が作り出したヒロインは、マリアだけなんだよ。
だから、この世界にやってきたマリア以外のヒロインは管轄外というか、偶然生み出されているというか……。
今の私の役割は、さっきも言ったように、たまたまこの世界に出現したヒロインを見守ることなんだよね。」
「神様?」
リーリウムが不思議そうに声に出す。
「神様っていうのが正しいのかもよく分からないけどね。
この世界を管理している、なんだかすごい存在がいるんだよ。
そいつが、私をこの世界に送り込んでくれたの。」
「この世界を作ったのはリナさんではありませんの?」
ヴィオラもきょとんとした顔をして、リナに問う。
「私はマリアを主人公にしたお話しを作っただけ。
確かに、この国の名前とか宗教の名前、主要な人物の存在は私の小説と一致しているよ?
だからと言って、この世界を私が作ったのかと言われると、違うと思うんだ。
君ら、もしかして私が君らというキャラクターを作ったと思っていない?」
「思っていましたわ。」
「わたくしもです。
ただ、ユニカ様たちの時代から現在まで、少なくとも五百年分のお話しを作り出すことが可能なのか、とは疑問に思っていました。」
リーリウムの意見にヴィオラもうなずく。
「可能って言えば可能なんだけど……。
たとえば小説に、『時は進み五百年後……』って書いちゃえば、物語上は五百年経っちゃうしね。
だけど、その間に起こったことをつぶさに書けと言われると、難しいと思うし、私はそんなの書けないよ。
つまり、君らも君らの両親も、君らの恋人や友人たちも、私が作り出したキャラクターではないってこと。
私が書いたのはマリアをヒロインにした話しだけであって、この世界に生きる人たちは皆、きちんと生きている人間で、何かの登場人物ってわけじゃないんだよ。」
リナの言葉に、ヴィオラもリーリウムもホッとした。
自分たちが小説の登場人物なのではないか、と考え始めると、そこはかとない漠然とした恐怖を感じていたのだ。
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