悪役令嬢にならないための指南書

ムササビ

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Lesson.5 物語の終わり

108.光の魔法使い

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幸せそうな笑顔を一変させ、リナは話を続ける。

「再びこちらに来られた私は、マリアを探したよ。
ユニカとアレクサンデルは、おそらくもう寿命が尽きている……。
聖女であるマリアは、こちらに召喚された姿のまま神殿にいるはずだと思ってね。」

「だけど、マリア様はいらっしゃらなかったのですね?」

リーリウムが言葉を繋ぐと、リナはこくりとうなずいた。

「私は基本的にはどこにでも出入りができるが、神殿と王宮だけは忍び込むことができない。
こうやって招かれない限りは、ね。
マリアによって、招かれざる客は入り込めないように結界が張られているんだ。
今も、ずっとね。
それでも苦労して神殿に潜入してみたんだけど、マリアの存在が確認できなかったんだ。」

「そうだったのか。」

王宮で暮らすヘンリクスでも知らない事実だった。
確かに、これまで王宮で暗殺などの重大な事件が起こったことはなかった。
この国が平和なだけでは説明がつかないが、マリアの結界と言われれば、納得がいく。

「リーリウム、光の魔法使いと闇の魔法使いは、それぞれこの世界に一人ずつしか存在できない、というは知っている?」

リナが問いかける。

「はい。存じております。」

リーリウムは、いつだったか公爵家の図書館で読んだ本を思い出していた。
マリアを召喚した、今はもうないカエルム教の教本に書いてあったのだ。

「闇と光は、他の属性よりも強力で、唯一無二であると。」

ヴィオラとヘンリクスは驚いた。
魔法が衰えたこの時代では、あまり知られていないことだったのだから無理もない。

「魔法の属性というのは、生まれついたものだ。
リーリウムが生まれた瞬間には、すでに他の光の魔法使いは存在していなかったことになる。」

「はい。光の魔法使いだということが、わたくし自身信じられなかった一番の理由はそこなのです。
わたくしも、マリア様が神殿の最深部で生活していらっしゃると思っていたので……。」

つまり、リーリウムが光の魔法使いということは、マリアがすでにこの世にいないということを指示さししめしている。

「光の魔法使いが亡くなって、どのくらいの間隔で次の光の魔法使いが現れるのですか?」

ヴィオラが尋ねる。

「間髪入れずだよ。
前の光の魔法使いが死んだ瞬間、この世に生まれた赤ちゃんにその能力が受け継がれる。
マリアの時は、先代の聖女、つまり光の魔法使いが事故で亡くなってから、しばらく新たな光の魔法使いが見つからなかった。
不信に思って調べてみたら、異世界に生を受けていたことがわかった。
それで召喚の儀が執り行われた、というわけ。」

「では、リーリウムが生まれた瞬間、マリア様がお亡くなりになったということ?」

「そうなるね。
意外と最近なんだなって、ちょっと驚いた。」

「しかし、ずっと神殿でもマリア様の行方は分からなかったそうだぞ。」

「どこかで隠遁生活でもしていたのかな?
それでも、私の目をずっと誤魔化し続けるのは難しいと思うんだけど……。」

ヴィオラの疑問に、リナもヘンリクスも首をひねる。
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