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Lesson.5 物語の終わり
111.恋は盲目?
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「何を見落としているというのですか?」
ヴィオラがリナに尋ねる。
「どうしたの?」
状況が分からなないヘンリクスに、リーリウムが、彼が席を外している間になされた会話をかいつまんで説明していく。
「なるほど、思い込みか……。」
ヘンリクスはそうつぶやくと、国王から借りてきたアレクサンデル王の日記をリナに渡した。
アレクサンデル王の日記は、ユニカのものとは違い、誰でもページをめくることが出来る。
日記は、国政などについてのお堅い文章ではなく、ユニカや子どもたち、孫たちについての愛情あふれる内容が口語で綴られていた。
特に、ユニカについては出会った当初からの想いも書かれ、晩年になってもずっと惚れ込んでいた様子が生き生きと表現されているのだった。
「うぇ、読んでる方が恥ずかしいな、これは……。」
リナが思わず声に出すと、ヘンリクスは「そうか?」と不思議がる。
その反応を見て、リナはリーリウムに視線を向ける。
「愛情深さはこの王室の血筋みたいだよ。」
大変だね、という言葉はかろうじて飲み込んだが、リナの気持ちはヴィオラにだけは伝わっていた。
「幸せなことですわね、リーリウム。」
「はい、お姉様。」
ヴィオラはリナの言葉を良い意味でリーリウムに伝えると、まんざらでもないリーリウムも恥ずかしそうに返事をした。
リナは、ヘンリクスの愛情深さとリーリウムの懐の大きさに関心したように、大きく頷く。
「そういう、愛の形もあるのだな。
そういえば、ユニカもそういう女性だった。
愛情を受け取るのが上手なんだよ。」
「ただ、アレクサンデル王は愛が大きすぎたあまり、本当のことが見えなかったのかもしれない。」
ヘンリクスはそう言うと、リナの手から日記を取り上げ、日記の後半の方、アレクサンデル王が息子の王太子に実質の国政を任せ、隠居生活を送っていた頃のページを開いて、再びリナへ日記帳を渡す。
『ユニカは昨日よりも美しくなっている。隣にいてくれるだけで心が癒される。』
『最近のユニカは、日に日に美しさが増している。明るく笑う彼女は、まるで太陽のようだ。』
『彼女の美しさは、まるで若返りの魔法のようだ! 愛する女性は、いくつになっても輝いて見えるものなのだな。』
延々と、ユニカの美しさを称えているのだ。
「恋は盲目」という言葉がふさわしい、年老いた後もいつまでも仲の良い二人だったのだと、読むものを感動させる日記だった。
しかし、アレクサンデル王は病に倒れ、以前ヴィオラとリーリウムが読んだ内容へと繋がっていくのである。
「父上は、アレクサンデル王が亡くなる直前の日記にのみ気を取られていたが、よくよく読んでみると、その直前から不自然さがあるのではないかとおっしゃっていた。
アレクサンデル王は、会うたびに若々しくなっていくユニカ様の美しさを称えている。
本当に愛しているなら、そんな表現を使うだろうか?
むしろ、老いているからこその美しさや愛情深さを称えるのではないだろうか?」
ヘンリクスは、国王と共に見つけた違和感を皆に伝える。
パートナーを愛する二人だからこそ感じた違和感だった。
「確かにそうかもしれない。
アレクサンデルがユニカを深く愛していたのは明白だけど、それは外見とか若さが理由ではなかった。」
リナはそう言うと、しばらく考え込んだ。
そして「そうか」というと、二冊の日記帳を開いた状態でテーブルの上に並べて置いたのだった。
「ヴィオラ、さっき見落としがあるって言ったよね?」
「ええ。」
「ここに、『光は正義、闇は悪と決めつけてはいけません』とある。」
リナは日記帳の一文を指差して、皆に注目させる。
「闇の魔法使いは、もちろん私のこと。
もう十分に分かったと思うけど、完全に悪ってわけじゃない。
それはつまり、光も完全に正義ってわけでもないってこと。」
「リーリウムは正義感が強い、真面目ないい子よ?」
ヴィオラは、何を言っているんだと言わんばかりに口を出す。
「いや、ここで言う光の魔法使いはリーリウムのことではないよ。
さて、私がなぜこの国から魔法を消し去ったのか、その理由を君たちに話さなければいけなくなったみたいだ。」
ヴィオラがリナに尋ねる。
「どうしたの?」
状況が分からなないヘンリクスに、リーリウムが、彼が席を外している間になされた会話をかいつまんで説明していく。
「なるほど、思い込みか……。」
ヘンリクスはそうつぶやくと、国王から借りてきたアレクサンデル王の日記をリナに渡した。
アレクサンデル王の日記は、ユニカのものとは違い、誰でもページをめくることが出来る。
日記は、国政などについてのお堅い文章ではなく、ユニカや子どもたち、孫たちについての愛情あふれる内容が口語で綴られていた。
特に、ユニカについては出会った当初からの想いも書かれ、晩年になってもずっと惚れ込んでいた様子が生き生きと表現されているのだった。
「うぇ、読んでる方が恥ずかしいな、これは……。」
リナが思わず声に出すと、ヘンリクスは「そうか?」と不思議がる。
その反応を見て、リナはリーリウムに視線を向ける。
「愛情深さはこの王室の血筋みたいだよ。」
大変だね、という言葉はかろうじて飲み込んだが、リナの気持ちはヴィオラにだけは伝わっていた。
「幸せなことですわね、リーリウム。」
「はい、お姉様。」
ヴィオラはリナの言葉を良い意味でリーリウムに伝えると、まんざらでもないリーリウムも恥ずかしそうに返事をした。
リナは、ヘンリクスの愛情深さとリーリウムの懐の大きさに関心したように、大きく頷く。
「そういう、愛の形もあるのだな。
そういえば、ユニカもそういう女性だった。
愛情を受け取るのが上手なんだよ。」
「ただ、アレクサンデル王は愛が大きすぎたあまり、本当のことが見えなかったのかもしれない。」
ヘンリクスはそう言うと、リナの手から日記を取り上げ、日記の後半の方、アレクサンデル王が息子の王太子に実質の国政を任せ、隠居生活を送っていた頃のページを開いて、再びリナへ日記帳を渡す。
『ユニカは昨日よりも美しくなっている。隣にいてくれるだけで心が癒される。』
『最近のユニカは、日に日に美しさが増している。明るく笑う彼女は、まるで太陽のようだ。』
『彼女の美しさは、まるで若返りの魔法のようだ! 愛する女性は、いくつになっても輝いて見えるものなのだな。』
延々と、ユニカの美しさを称えているのだ。
「恋は盲目」という言葉がふさわしい、年老いた後もいつまでも仲の良い二人だったのだと、読むものを感動させる日記だった。
しかし、アレクサンデル王は病に倒れ、以前ヴィオラとリーリウムが読んだ内容へと繋がっていくのである。
「父上は、アレクサンデル王が亡くなる直前の日記にのみ気を取られていたが、よくよく読んでみると、その直前から不自然さがあるのではないかとおっしゃっていた。
アレクサンデル王は、会うたびに若々しくなっていくユニカ様の美しさを称えている。
本当に愛しているなら、そんな表現を使うだろうか?
むしろ、老いているからこその美しさや愛情深さを称えるのではないだろうか?」
ヘンリクスは、国王と共に見つけた違和感を皆に伝える。
パートナーを愛する二人だからこそ感じた違和感だった。
「確かにそうかもしれない。
アレクサンデルがユニカを深く愛していたのは明白だけど、それは外見とか若さが理由ではなかった。」
リナはそう言うと、しばらく考え込んだ。
そして「そうか」というと、二冊の日記帳を開いた状態でテーブルの上に並べて置いたのだった。
「ヴィオラ、さっき見落としがあるって言ったよね?」
「ええ。」
「ここに、『光は正義、闇は悪と決めつけてはいけません』とある。」
リナは日記帳の一文を指差して、皆に注目させる。
「闇の魔法使いは、もちろん私のこと。
もう十分に分かったと思うけど、完全に悪ってわけじゃない。
それはつまり、光も完全に正義ってわけでもないってこと。」
「リーリウムは正義感が強い、真面目ないい子よ?」
ヴィオラは、何を言っているんだと言わんばかりに口を出す。
「いや、ここで言う光の魔法使いはリーリウムのことではないよ。
さて、私がなぜこの国から魔法を消し去ったのか、その理由を君たちに話さなければいけなくなったみたいだ。」
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