処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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迎え

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死者の軍勢がのたうつ戦場の只中、 漆黒の空間が裂けるように、狐火の門が開いた。

——ゴォッ!!!

燃え盛る炎の中から、 ふわりと軽やかな足取りで その女は現れる。

「やれやれぇ、ずいぶんと楽しそうなことやってんじゃないの?」

艶やかな黒髪を揺らしながら、九本の尾をふわりと翻す。
和風の装束が揺れ、妖艶な色気を纏った妖狐、シズカが立っていた。

——ぱちん。

シズカが 指を鳴らすと、周囲の炎がまるで従うように揺れる。

「ったく、あたしの知らないとこで死神と遊んでるとはねぇ。坊や、ずいぶんとモテるじゃない?」

レオンは 僅かに眉を寄せ、疲れたようにシズカを見やる。

「……来るのが遅い。」

「はいはい、そりゃ悪うございましたぁ。」

シズカは にんまりと微笑み、レオンの肩に軽く手を乗せた。

「けどまぁ、そろそろ潮時ってやつでしょ? あんた、殺すたびに眉間に皺寄せてたじゃん?」

「……。」

レオンは 答えない。

彼の剣は、今も血に濡れていた。

無限に蘇る “死の奴隷”たち。
どれだけ斬り伏せても 戦いは終わらない。

レオンは 無言のまま剣を下ろした。

「ふふっ、素直でよろしい♪」

シズカは 軽やかに笑い、くるりと踊るように回る。

九尾が優雅に広がり、 まるで夜空に咲く花のようだった。

「んじゃ、行こうか坊や。」

「さ、手ぇ出して?」

レオンは 一瞬、シズカの手を見つめる。

細く、しなやかで、だがどこか 妖しく魅惑的な指先。

「……お前と手を繋ぐと、ろくなことがない気がする。」

「ひどっ! あたし、どんな扱いされてんの!?」

「……。」

「……まぁいいや♪」

シズカは 笑みを崩さず、強引にレオンの手を握った。

「お迎えついでに、ちゃんと連れ帰ってあげるのが従者の務めでしょ?」

——その瞬間。

シズカの 九本の尾がふわりと広がり、輝く狐火が弧を描いた。

——ドォン!!!

次の瞬間、燃え上がる扉がレオンとシズカを包み込む。

「んじゃ、お先に失礼っ♪」

シズカがにやりと笑い、軽やかに指を鳴らす。

——その瞬間、二人の姿は炎とともにかき消えた。
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