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第7話 友達と模擬大戦
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…次の日からの授業も、判らない事だらけだった。
魔法の理論や戦場での戦い方、各属性の長所や短所を、さも当然に問われても、俺は答えられない。この世界では戦場で活躍する事だけが正義だ。その正義から外れている。
戦場で活躍するには、過去の勇士達が活躍した秘訣を受け継げばよい。…簡単だ。これにより学園ではそれぞれの属性に役割が決まっていく。…何せ勇士達は、それで活躍出来たのだから。
これは俺にとって、非常に不利であった。過去の大戦で、土属性は使い捨てにする事で、皆活躍したのだ。当然俺にそれを強いる。…Fクラスでも、だ。俺は俺にやり方を持って魔物を狩ってきた。それが通用しない。
結果として、座学でも実技でも上手くいかないのだ。気付けば、俺はFクラスでも最底辺の成績を出していた。
リンが近付いて言う。
「…アンタ、素直にやれば頭良さそうだけど?」
そんな事言うなよ、リン。
「素直に聞いて、覚えた内容を書いたら0点だ。そもそも俺は物覚えが悪い。土属性以外は知らないし、その土属性も考えていたのと違う。」
正直に話した。
「…あああああのさ。ああアンタが、どうしてもって言うなら…勉強教えてアゲても…良いけど!!??」
リンが顔を真っ赤にして言ってくる。
「…いや、遠慮するよ。また変に疑われてもな。まずは宿舎で寝れる様に、信頼して貰わないと。・・・でもありがとな、リン。」
シュンとした表情でリンが話す。
「・・・・ごめんね。アタシのせいで。何回もお姉ちゃんを説得してるんだけど・・・。一回決めて先生に伝えちゃったから。時間がかかるって。理由も必要だって。」
「過去の事は仕方ない。・・・でも今後は仲良くしてくれ。それでいい。」
「・・・ありがと」
そう笑うリンは、非常に綺麗で、眩しかった。
だがそれ以上に心の中では
「友達ゲットおおおおおおおお!!!!!」
の気持ちが強かったのは否めない。
ボッチに優しくするな。
お前友達にするぞ?
基礎学習で最底辺を叩き出した、初めの一か月。ついに模擬大戦の時期が来た。こんな大きなイベントでも無いと人と話さない状態であった。リンも周りの目を気にして、少ししか話し掛けに来てくれない。
模擬大戦、それはクラス対抗の戦争だ。
魔力量や属性で分けられたクラス、勿論上位のクラスが優位に決まっている。やる理由は2つだ。上位のクラスの戦闘経験と下位のクラスが思いつく工夫による下剋上を学園は狙っている。単純な成績では上位が勝利する為、下位のクラスの奮闘を促す。
模擬大戦は特殊な場で、特殊な服を着て行う。それにより生徒自身はダメージを受けないで、その衣服に受けたダメージで判定され、戦闘の如何を問う。生徒の安全は、学園が守っている様だ。
毎年Fクラスはボロ負けが多く、当たったらラッキーと思われる。そのFクラスは、もし健闘が出来れば、報奨金が出る為、出自が貧しい者は全力で強い者に立ち向かう。それを金を持った強者が蹂躙するのだ。
…正直に言って、趣味が悪い。
この人達は噛ませ犬として全力なのだ。
そんなFクラスの今年は、どう戦うのかを今から話し合う。
「…皆、聞いて。今年も水と風の子が多いの。だから伝統の速さと回復で戦う逃げ続けて長期戦を狙うわよ。」
クリスさんが全体に発表する。
「…えええ!!?またですか!!?」
「…去年もそれで瞬殺でしたよ?」
「じゃあ、聞くわ。稼いだ時間によっては報奨金が増える可能性がある。それ以外に私達に戦い方は有るの?」
「・・・・思いつかないけど・・」
「じゃあ、一番可能性の高い戦い方をしましょう。」
「去年だって、最後の数人が遊ばれる様に攻撃されて…。生きてる心地がしなかった・・・・・。でも、ココには報奨金を必要とする子もいるの。最善を尽くす必要があるわ。」
そう言って奮起を促すクリスさん
リンに聞きに行く。
「どういう事だ?」
「…うちは弱いから、逃げながら時間を稼ごうって話。」
「簡潔で判りやすい。」
「アンタはどうするの?」
「俺は俺で戦うよ。…出来たらリンと一緒に、戦う方が良いな。寂しくない。」
「っばばば!馬鹿じゃないの!!」
大声を出すのでつい周囲から視線を集める。またあらぬ誤解にならないと良いけど。
「すみません、リンに戦い方を聞いていました。」
「良いのよ。・・・・それで貴方はどう思った?Fクラス最低の学力で土魔法。なのにAクラスと先生に勝ったアル君?」
ハードルを上げるな、ハードルを!!
「・・・自分であれば戦う方向や場所を制限して、有利な環境にして通用する部分だけで戦います。」
「んん?どういう事?」
「自分達の方が弱いのであれば、正攻法は出来ません。なので戦い方を1対1ではなく3~5対1を基本にしますね。そうすれば力の差を挽回しやすい。ただ相手も重々理解しているでしょうから、可能な限りその意識外から攻撃を狙います。その方が逃げ回るよりは可能性あるのかと…。」
「…ちょっと詳しく。」
乗ってきたぞ、俺の時間かもしれない。
「一回戦は、森と海に囲まれる場所と聞きました。なので自分なら、森の木々に隠れるチームと海の近くで戦うチーム、そして洞窟のような場所で戦うチームに分けますね。」
「…戦力を分散するの?」
しかめるクリスさん。
だが俺は止めない。
なんせ、山での経験が活きる行動だ。
「どうせやるなら、相手に痛手を負わせましょうよ。…火は近接、水は回復、風は遠距離、土は守り、光と闇は特殊でしたね。…なら火に対するは水での消火と風での遠距離攻撃、風はトラップで対抗、水は早期に暗殺、光と闇は・・・俺の知識不足ですね。対策が判らない。」
「…光と闇以外でお願い。」
「了解だ、クリスさん。まずは・・・・・・」
その日は、この街に来て初めて、他者に多くの事を伝えた日かもしれない。その後の人生に、間違いなく大きな影響を及ぼしたと言っても過言ではない。
魔法の理論や戦場での戦い方、各属性の長所や短所を、さも当然に問われても、俺は答えられない。この世界では戦場で活躍する事だけが正義だ。その正義から外れている。
戦場で活躍するには、過去の勇士達が活躍した秘訣を受け継げばよい。…簡単だ。これにより学園ではそれぞれの属性に役割が決まっていく。…何せ勇士達は、それで活躍出来たのだから。
これは俺にとって、非常に不利であった。過去の大戦で、土属性は使い捨てにする事で、皆活躍したのだ。当然俺にそれを強いる。…Fクラスでも、だ。俺は俺にやり方を持って魔物を狩ってきた。それが通用しない。
結果として、座学でも実技でも上手くいかないのだ。気付けば、俺はFクラスでも最底辺の成績を出していた。
リンが近付いて言う。
「…アンタ、素直にやれば頭良さそうだけど?」
そんな事言うなよ、リン。
「素直に聞いて、覚えた内容を書いたら0点だ。そもそも俺は物覚えが悪い。土属性以外は知らないし、その土属性も考えていたのと違う。」
正直に話した。
「…あああああのさ。ああアンタが、どうしてもって言うなら…勉強教えてアゲても…良いけど!!??」
リンが顔を真っ赤にして言ってくる。
「…いや、遠慮するよ。また変に疑われてもな。まずは宿舎で寝れる様に、信頼して貰わないと。・・・でもありがとな、リン。」
シュンとした表情でリンが話す。
「・・・・ごめんね。アタシのせいで。何回もお姉ちゃんを説得してるんだけど・・・。一回決めて先生に伝えちゃったから。時間がかかるって。理由も必要だって。」
「過去の事は仕方ない。・・・でも今後は仲良くしてくれ。それでいい。」
「・・・ありがと」
そう笑うリンは、非常に綺麗で、眩しかった。
だがそれ以上に心の中では
「友達ゲットおおおおおおおお!!!!!」
の気持ちが強かったのは否めない。
ボッチに優しくするな。
お前友達にするぞ?
基礎学習で最底辺を叩き出した、初めの一か月。ついに模擬大戦の時期が来た。こんな大きなイベントでも無いと人と話さない状態であった。リンも周りの目を気にして、少ししか話し掛けに来てくれない。
模擬大戦、それはクラス対抗の戦争だ。
魔力量や属性で分けられたクラス、勿論上位のクラスが優位に決まっている。やる理由は2つだ。上位のクラスの戦闘経験と下位のクラスが思いつく工夫による下剋上を学園は狙っている。単純な成績では上位が勝利する為、下位のクラスの奮闘を促す。
模擬大戦は特殊な場で、特殊な服を着て行う。それにより生徒自身はダメージを受けないで、その衣服に受けたダメージで判定され、戦闘の如何を問う。生徒の安全は、学園が守っている様だ。
毎年Fクラスはボロ負けが多く、当たったらラッキーと思われる。そのFクラスは、もし健闘が出来れば、報奨金が出る為、出自が貧しい者は全力で強い者に立ち向かう。それを金を持った強者が蹂躙するのだ。
…正直に言って、趣味が悪い。
この人達は噛ませ犬として全力なのだ。
そんなFクラスの今年は、どう戦うのかを今から話し合う。
「…皆、聞いて。今年も水と風の子が多いの。だから伝統の速さと回復で戦う逃げ続けて長期戦を狙うわよ。」
クリスさんが全体に発表する。
「…えええ!!?またですか!!?」
「…去年もそれで瞬殺でしたよ?」
「じゃあ、聞くわ。稼いだ時間によっては報奨金が増える可能性がある。それ以外に私達に戦い方は有るの?」
「・・・・思いつかないけど・・」
「じゃあ、一番可能性の高い戦い方をしましょう。」
「去年だって、最後の数人が遊ばれる様に攻撃されて…。生きてる心地がしなかった・・・・・。でも、ココには報奨金を必要とする子もいるの。最善を尽くす必要があるわ。」
そう言って奮起を促すクリスさん
リンに聞きに行く。
「どういう事だ?」
「…うちは弱いから、逃げながら時間を稼ごうって話。」
「簡潔で判りやすい。」
「アンタはどうするの?」
「俺は俺で戦うよ。…出来たらリンと一緒に、戦う方が良いな。寂しくない。」
「っばばば!馬鹿じゃないの!!」
大声を出すのでつい周囲から視線を集める。またあらぬ誤解にならないと良いけど。
「すみません、リンに戦い方を聞いていました。」
「良いのよ。・・・・それで貴方はどう思った?Fクラス最低の学力で土魔法。なのにAクラスと先生に勝ったアル君?」
ハードルを上げるな、ハードルを!!
「・・・自分であれば戦う方向や場所を制限して、有利な環境にして通用する部分だけで戦います。」
「んん?どういう事?」
「自分達の方が弱いのであれば、正攻法は出来ません。なので戦い方を1対1ではなく3~5対1を基本にしますね。そうすれば力の差を挽回しやすい。ただ相手も重々理解しているでしょうから、可能な限りその意識外から攻撃を狙います。その方が逃げ回るよりは可能性あるのかと…。」
「…ちょっと詳しく。」
乗ってきたぞ、俺の時間かもしれない。
「一回戦は、森と海に囲まれる場所と聞きました。なので自分なら、森の木々に隠れるチームと海の近くで戦うチーム、そして洞窟のような場所で戦うチームに分けますね。」
「…戦力を分散するの?」
しかめるクリスさん。
だが俺は止めない。
なんせ、山での経験が活きる行動だ。
「どうせやるなら、相手に痛手を負わせましょうよ。…火は近接、水は回復、風は遠距離、土は守り、光と闇は特殊でしたね。…なら火に対するは水での消火と風での遠距離攻撃、風はトラップで対抗、水は早期に暗殺、光と闇は・・・俺の知識不足ですね。対策が判らない。」
「…光と闇以外でお願い。」
「了解だ、クリスさん。まずは・・・・・・」
その日は、この街に来て初めて、他者に多くの事を伝えた日かもしれない。その後の人生に、間違いなく大きな影響を及ぼしたと言っても過言ではない。
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