田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

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第8話 D対F 模擬大戦

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入学して初めての模擬大戦が、始められようとしている。



第一回戦はDクラスだという。風と火と水がメインで、速攻が得意だと言う。



「嫌な相手ね、評判が良くないのよ。Dクラスは。」

そう言ってクリスさんが、深いため息をつく。







「…去年も当たってね、うちの子達の身体を執拗に触ってくるので、最終的に先生方が止めに入った程よ。男性比率が非常に高くて、風紀も乱れているわ。私も去年ドサクサに紛れて、胸もお尻も触られて・・・」









「よし、ぶち殺しましょう」


俺は目の色が変わった。

こんな可愛いクリスさんを!…うらやまけしからん。ゲフンゲフン。…倫理的に俺はそう言った事に、必ずブレーキがかかる。

…触った奴をぶちのめす。そう決めた瞬間だった。









そうして始まった、第一回戦。

先生方は、全て判定員として動く。



「それじゃ、不正の無い様に頑張れ。…Dクラス、性的に逸脱するなよ?」

そう教師たちが、Dクラスに忠告している。



「…はあはあはあ、まままま任せろよ!早く始めようぜ!!!…待ちきれねえ!!」



間違いなく目が血走っている。田舎で適齢の女性が居なかった時期に、村の男たちの目がこうなっていたのを覚えている。間違いなく女に飢えた目だ。獣に近い。理性からは非常に遠い所に置かれた感じ。



「…ひいいいいいい!!!」

Fクラスの全員が凍り付く。大丈夫かな、こんなんで。













「それでは両軍、端にいけ!…それでは今回は、お互いの旗を倒した方が勝ちとする!!」





「…おいおい、それじゃ戦いの練習にならないぜ?先生!!接近こそが重要だ!!!」

Dクラスの連中が不満を言う。間違いなくこの不満は別の理由だ。



「・・・勿論、もう一つの勝ち方は軍の8割が戦闘不能になった状態だ。不正や品性の無い様にな。準備は良いか?」



その発言の後には、Dクラスの連中が大きく士気を挙げている。おいおい、そんなモチベーションの上げ方アリかよ。絶対にもう一つしか狙わないだろ。











開始前からこちらは委縮し、あちらは盛り上がる。戦場なら負け確定だ。盛り返す為にこちらも話し合おう。



「クリスさん、相手は脳が下半身に有る。十分に隙だらけだ。計画通りに行けば、ひょっとするかもよ?いけるかい?」



「・・・もうやるしかないわね」



「皆!!練習通りに行くよ?」



「こここっ!怖い・・・」

「嫌な目つきだよう・・」

「去年も触られたのにぃ・・」





触られるのが嫌なのは女性特有なんだろう。少しでも防いでやらねば。













ピー―――――――――――――!!

そこで大きな笛がなった。



模擬大戦開始の様だ。









「それじゃ行きますか。まずは手筈通りに、地図に付けた印に沿ってトラップを仕掛けてくるよ。すいません、先輩。」



俺が風の姉さんに連れていかれながら罠を仕掛けていく。俺を抱えながら飛び回る。柔らかな物が当たるのは役得という物。いかんな。まるでDクラスの奴と変わらない。



3分程度で地図上に記した全ての部分に設置した。



それでは戦いの開始だ。



3分程度では、やはりもうDクラスは殆どの軍が、近付いてきている。森に隠れた者や海付近で待ち構える者。そして複数の洞窟を作り潜む者と別れていった。









‐ここまでしっかりと自分の意見を聞いてくれると思わなかった。











正直、自分は勉強も出来ず属性への理解もない。只、格上2名に勝ったという実績がある。その実績だけが買われたのか?



・・・いや、違う。



クリスさんとリンだ。





二人がFクラスの皆を、細かく説得してくれたのだ。一人は全員が良い結果を得る為の、可能性の高い方へ賭ける為。もう一人は、自分のせいでより辛い環境になった者への罪の意識から。どちらにしても有難い。



それによって俺は今、自分の考えを尊重して貰って戦場にいる。





結果で返さねば。

そう強く願って戦いに没入していく。









「…おおーい、Fクラスぅ!!出て来いよぉ!!遊ぼうぜえ!!」



森に存分に近づいてきたようだ。声が近い。



俺が矢面に立つ。









「来たな、Dクラス!いや童〇クラス!!」



「ああ!!!テメエなんだぁ!!?女はどこだぁ!!女をだせぇ!!」



まるで違う世界に来たような発言だ。何故か髪型がモヒカンに見えてきた。なにやら肩パッドにトゲもついていそうな・・・・





いかんいかん。

俺は俺の仕事をしなくては。



「俺はアルピエロ、このFクラス唯一の男だ。…お前達とは青春の度合いが違う!!」



計画通り煽っていく。

大勢の反感をしっかりと買った瞬間だった。



「・・・・・こ。」



「こ?」





「…殺せええええええぇぇぇぇ!!!!!絶対にアイツを殺せ!!!!服にダメージを与えんな!!顔だけ狙えぇ!!」



最高潮にブチ切れた、男くさい先輩達。





作戦とはいえ、間違いなく貧乏くじだ。

ただ、俺はFクラスの皆に好かれる為に全力を尽くす!!友達が欲しいのだ!!





「俺に付いて来いやああああああ!!!!」



全力で後方に逃げ出す俺。

鬼のような表情で追いかけるDTクラス。Tはプレゼントだ。



「ん何だよ!!ただ逃げんのか!!このチキン野郎!!」



そう言いながら追いかけるDT達。











「うっせー!DT!Dのクラス!呪いのクラスがあ!!」



「ブチのめぇぇぇすぅぅぅ!!!!!」



より怒らせていくスタイルぅ!!





森の中盤まで逃げると、土壁でちょこちょこ邪魔をしながら向き直る。



「何だこれ。邪魔のつもりかぁ!?全然通用しねえぞ!?」



「おお?観念したかクソガキぃ!!?」



「DTに対して観念するかバーカ!」

そう言うと我慢できない奴らが、飛び掛かってくる。火のついた拳や真空の刃、氷の剣などでだ。





計画通りだ。





「今です!!」

お姉さん方が、急に森から出てくる。







その瞬間突撃してくるDクラスに向けて、作れる量全ての大量の泥を出す。





後ろに控えていた水と風のお姉さん達が魔法で大量の水と風を起こしていく。



俺が出した泥は水分量を増やしながら、DT達を押し流していく。





流す方向は今来た道より右側にしている。



そこには落とし穴を設置してあった。



「うええええええ!!!!!」



見事、30名程を流し切る事に成功。

















1学年40名の3年制なので、120人。

その内の30人か。



初手ならもう少しやりたかった。

何せ、今後は警戒されてしまう。











「…てめえら!・・誘導だったか。」



「…おい、お前ら周辺を探索かけろ。こいつらの逃げる先に罠が多く仕掛けられてるぞ。」



頭の切れる奴がいる様だ。



やばいな、皆が猪なら良いのに。











「皆さん!相手は怖気づきました!!!相手の旗を急いで下さい!!」



俺が大きな声で言うと周囲から歓声が挙がっていく。



「何ぃ!!?」

「急げ、早馬隊!」

「旗まで行ってこい!!」





・・・・掛かった。









「…僕らは役目十分です!逃げて!!」



「待てこら!!」



またDT達が追ってくる。

その中に不穏な動きをする者が。



「・・・おい!隊を3分割にしろ。」



「純粋に追う者、迂回する者、警戒する者だ!急げ!!」



あっちの隊長格は判断が優れているな。





俺を最後尾に逃げていく。





少し行くと海のゾーンに入る。

砂場が多く見晴らしがよい。





息切れしているDクラスが遅れて来た。



「…はあっはあっはあっ!!」

「・・・ふう。ココなら小細工も解りやすいなあ!!落とし穴くらいかあ?お前らの通った場所しか通らんよ!!なんせ砂場だ。足跡が綺麗に見えるぜ!!」





そう言って、勢いの良い者から入っていく。

「…おい、待て!!」

「例年のFクラスじゃない!!止まれ!!」



隊長格が叫ぶもむなしく、どんどん突っ込んでくるDTクラス。



それも、そうだ。

海の近くにいたFクラスのお姉さん達はやや露出度の高い服になっている。これは模擬大戦用の服が水分入ると気持ちが悪いので足などを出している為だ。見られているのは足だけではないが。



俺にすら、刺激が強い。

いかん。

集中できん。





「…早く遊ぼうぜ!!Fクラスぅ!!」



想定通り、目が血走っている











「…絶対無理」

「…きもい」

「…触られたら死ぬ」

「…生理的に無理」

そう冷たく言ったお姉さん方の怖さよ。おっかない。









十数名が砂場に来たのでこちらも仕掛ける。



海に潜む水使いが海水を砂場へ向け放つ。

「けっ!!こんなもんかよ!!」



簡単に弾かれてしまう。











「甘ぇええええ!!!こんなもんかよ!!」



「はっはっはあ!!」

「早く、早く近接で戦おうぜえ!!」





そう言った次の瞬間だ。



足元の砂が下に流れてる



「何なんだ!これ!」

「足が!沈んでいく!!」

身動きが取れなくなっていくDクラスの先行隊。





「…水攻撃はただの足止めだ。」

「…それが本命だ。砂の崩落。」



「…アリ地獄みたいなもんだよ?」



地下50Mくらいは掘れたと思う。





「うわああああ!!」

「くそがああああ!!!!」



Dクラスの連中が落ちていく。

落下ダメージは服で大丈夫なのだろうか?





隊長格が怒りながら指示を出す。

「…クソ!!だから言ったろうよ!」



「…おい、足元を風か火で固めていけ!!風なら真空の壁の上を行け!火は上昇気流に乗れ!!…時間は掛かるが罠を踏まん。気を引き締めろ!!」





ヤバいな。

すぐに対抗策を出してくる。



アイツが大ボスだな。







アルは直ぐにまた大きな声で言う。

「良し、更に戦力を削った!!」



「相手の旗への応援を増やして!!!」



Fクラスの人達から歓声が起こる。









Dクラスにまた動揺が走る。

「…何!!!?」

「…戻れる奴は、また戻れ!!」

「…残りで叩く!!」





アルが更に言う。

「…ここも十分!!皆逃げて!!」



そう言って、自分達も引いていく。

相手は時間を掛けながら、こちらに向かってくる。





Fクラスは連絡を取り合い、一番この状況に適した洞穴へ集合していく。



なんと今の状態でFクラスは全員無事。

Dクラスは50名以上脱落している。



4割近い戦力がやられているのだ。

Dクラスは戦況を取り戻す為、旗を守る人数を増やしつつも、最小限の人数で攻めてくる。



その数40名。

50名倒している為残りは120-50で70名。

30名がDクラスの旗に居るという事か。



なのでこれを倒せば50+40で90だ。90/120で8割近いと言える。



もうお察しだろうが、相手の旗なんぞ狙っていない。



戦力分散によって、逃げながら倒していくつもりだ。



これなら近接で戦う事もなく、触られにくい



問題点は倒し切れず、残してしまう可能性がある事だ。



その際はやりたくない切り札も残している。





作戦が上手く行く事を願うだけだ。

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